頭 YOSHITOSHI ABE
さそうあきら

プロフィール
1961年兵庫県に生まれる。早稲田大学の文学部を卒業後「シロイシロイナツヤネン」でデビュー。
いい感じに抜けた完成された絵と独自のテンポは彼にしかない世界を作り出している。
残酷さやエロさもなんだかキツくなく笑えてしまう感じがなんとも言えません。

 

 

レビュー

神童
(全4巻)双葉社
神童
■音大受験の為に浪人中のどこか冴えない男、「和音(ワオ)」と小さい頃からピアノの英才教育を受けてきた天才少女(神童)「うた」との出会いからこの物語は始まる。
ワオはうたの才能に感動し、うたもピアノ中心の生活に嫌気を感じていたからいつのまにか交流がはじまる。ワオはうたに学校の勉強を教え、反対にうたはワオにピアノを教えるのだ。
他にも家族や友人も登場して遊んだり恋をしたりと色々あるうちにみんなが成長していく姿が見れる。
とても爽やかで切なく、感動的な名作です。

この漫画は今まで漫画が最も苦手としてきた、音楽や音を見事にビジュアル化している。ピアノの演奏シーンはもちろん日常にある音がとても美しく楽しく画面に踊っているのだ。
とにかくヒロインの少女うたが生意気だけどとても透明感があって可愛い。読んでる時、主人公のワオと自分がこの神童と心を交流している感覚がとても嬉しかった。

あと各単行本の巻末に著者が選曲したBGMというものが出ています。それを聞きながら読むといっそうこの漫画の世界が体験できそう。今までクラシックとふれ合う機会がなかったけど、聞いてみたくなりました。
(クロブチ)

 

 

モドル
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