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SHOTAROH ISHINOMORI |
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石ノ森章太郎 |
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■萬画で描かれた「詩」。 石森章太郎のあくことなき漫画表現への挑戦のひとつの結実。 手塚治虫に嫉妬を抱かせた(と、思われる)その新しさは、表面的なものではなく、今なお輝く半永久的な新しさであった。 絵で見せる、その展開で魅せる。 1枚の紙の中に描かれたコマ割の中でできることをやり尽くさん、というばかりの徹底した構成。 いちいち説明なんかしない、という石森美学が伝わってくる。 ただ、見て、感嘆し、思うがままに思えばいい。 その読者の数だけ広がる宇宙こそ、果てしない萬画内小宇宙なのだ。(雅)
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■詩を萬画にしたようなファンタジー「ジュン」の系譜に属する連作。 題の通り、わずか7ページの中でミクロからマクロまで萬画内宇宙を描き切る。 各章は海野十三、H・G・ウエルズ、カレル・チャペック、ロバート・A・ハインライン、星新一、アルフレッド・ベスター、レイ・ブラッドベリ、アーサー・C・クラーク、フレドリック・ブラウン、アイザック・アシモフ、小松左京、ジョン・ウインダム、筒井康隆、ジュール・ベルヌ、バラード&オールディスといったSF作家へのオマージュとなっているが、いやはや石森のセンスは彼らに勝るとも劣らない。 発想を的確に萬画に起こすそのテクニックは流石としか言いようがない。 何よりも雄弁に物語る圧倒的な画面が素晴らしい。(雅)
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千の目先生 ■ある日田舎の学校に赴任してきた超美人教師千草先生、通称「千の目先生」を中心とした心温まる学園物語。 と、言いたいのだが期待とは裏腹にそんなあたりまえな話では済まない。 先生は強い。何故強いかというと超能力が使えるから。先生も仮の姿で実は地球に侵略に来た宇宙人と闘う戦士なのである。 学園に物凄い能力を持ちながら自覚していない心を閉ざした少女「白河さん」を見方にするために敵と闘いながら奮闘する話なのだ。 さすが石ノ森だけあって女性は可愛いしアクション満載、徐々に心を開いていく少女と先生の交流など面白い。 しかし、学園編の次に港町編があったりするのだが、先生である意味が全くなかったりまるで別の漫画になってしまったり、結局宇宙人との正体や決着が曖昧なまま終わっているなど不満点も多い。 峰不二子のような女性、秘密組織が好きな人にオススメ。(クロブチ) 青い馬
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