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TAIYOU MATSUMOTO |
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松本大洋 |
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■現在・過去・未来が混在するような奇妙な都市、宝町を舞台に展開される、シロとクロ、ふたりの表面的には両極端な少年がそれぞれの「たりないネジ」を探す、現代のお伽話。 俺は中学の時、これを始めて見て、びっくりした。載っていた「スピリッツ」の中で、この漫画だけ完全に浮かんでいたから。 一見観念的で難解な話のように見えるようだけど、俺はすごく直球勝負な漫画だと思う。 これが変化球に見えるとしたら、それは普段よく目にする漫画が均質化しているからだ。 凝り固まった目が、この自由奔放な速さについていけなかっただけなのだろう。 この漫画は、根っこのところで、確かな強さを持っている。シロとクロというキャラクターの文字通りの強いコントラスト、絵柄の面でのコントラストの強調なども含め、全てにおいて強い。(3巻でのクロの弱さの加速的露見の描写も、痛々しいくらい強い) これはやはりこの漫画が他の何にも似ていないことから来る強さである。 漫画表現においてある程度確立してしまったものに決して依存しない強さである。 そして、何にも似てないというのは奇抜さや突飛さなどの枝葉から来るものではなく、あくまで根っこのところから湧き出る強さなのだ。 個人的には沢田というキャラの1巻と3巻での人物像の変化がとてもおもしろかった。シロいわく、沢田もまた「いっぱいネジ無い」人物である。(雅)
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■僕は松本大洋の漫画の中で断然このピンポンが好きだ。「ピンポン」と「編集王」が連載されていたスピリッツを買うためにどれだけ月曜日が待ち遠しかった事か、、、 松本大洋は自分の世界を作れる漫画家の一人。 「鉄コン筋クリート」は完全に松本ワールドといえる仮想都市を描いていたがこちらは生活臭漂う世界、むしろ一般的にダサイといわれる卓球、いかにも卓球児って感じの眼鏡の暗い少年が出てているにもかかわらず松本大洋の世界で格好いいのだ。松本大洋の世界というのはオリジナルなようでずっと前から知っているようなそんな気がするのが不思議です。 またこのピンポンに関しては世界観だけでなく描いている題材もダサイ。 汗、友情、勝負、ヒーローなど今どきのスポーツまんがにはない臭ささ。でもホント格好よすぎ。ずっと求めていたものがつまってます。 上辺だけの格好よさはなんて本当は格好わるい事だということを‘ペコ’‘スマイル’など愛着のあるアダナの本物の格好よさをもった本物のヒーロー達が教えてくれるのです。(クロブチ)
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