
地獄の門The
Gates of Hell ; ロダン
Auguste Rodin作
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人は金のみにて幸せになれるのか!
さにあらず。
人間の欲望は限りがなく、カネが蓄積すればするほどよりたくさんのお金を欲しくなるものである。
お金は使ってこそ、その金相当の値打ちがあるものである。
しかし、人はそのことを忘れてしまって、ただお金をためることが究極的な目的になってしまい、本来の目的を取り違えてしまうケースが多い。
ある人が、アメリカのニューヨークにおいて、会社を起こして事業に成功し、巨万の富みを蓄積したとしよう。
激烈な競争社会の中で勝ち抜いてきた彼は、自分がトップになった時点で何を感じるのであろうか!
幸せの絶頂感であろうか?
それとも、そこはかとない空虚な寂しさであろうか?
自分が目的を達成したという満足感にともに、彼はそれだけでは満たされない心の動きに気がつくであろう!
それがなぜなのか彼は気がつかない。
人間の欲望には限りが無いということに!
人間は、末期の水を飲むときになって、初めて自分は何のために生きてきたのかと自問自答することになるのである。
資本主義社会においては、経済至上主義が原則であるが、 この社会において成功を収めても、これが即そのまま人の幸せにつながるものではない。
この社会制度は最大公約的にみて、よりベターだから採用されているにすぎないことを銘記すべきであろう。
いや、人間世界において、絶対的ということは何一つ無いことを銘記すべきであろう!
人類の歴史の経験則に基ついて、よりベターな事柄を採用して用いてきたに過ぎないことを忘れてはならない!
現代社会において、資本主義がよりベターな社会制度であるとしても、やはり人の幸せを考えるならば、これを補う何かが必要になってくる。
この意味において、人間の心の迷い、悩みはいつの時代においてもなかなか解決されることなく続いていくものである
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