| 第1部(全28話) 1970年3月16日〜9月21日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
大谷直子/夏八木勲/弓恵子/川崎敬三/川地民夫/大原麗子/山形勲 他 |
第1話ではまだ忠相は町奉行になっていない。山田奉行だった頃から物語は始まる。将軍となった吉宗によって、江戸に呼び出されるが、その際友人の伊織も忠相と行動をともにする。 忠相は吉宗により江戸の南町奉行に任ぜられ、伊織は寺子屋をひらく傍ら、町医者のような仕事もしている。 忠相を支える部下として、幼少からの忠相を知る同心村上源次郎、岡っ引きのすっとびの辰三、与力の神山左門などがいる。 忠相と交流のある町人には鳶の伊三郎一家がおり、第2話からは町火消しの役目を担うことに。 また忠相は伊織の助けを得て、江戸の貧しい人々のために小石川に養生所を設立。その責任者に伊織の師である稀代の名医海野呑舟が迎えられる(第11話)。 また、第4話で忠相は運命の人、雪絵と出会う。紆余曲折の末、一時は雪絵が将軍吉宗に召し抱えられるという事件も起こるが、ついに二人は結ばれる(第23話)。 第1部はまさに盛りだくさん。「大岡越前」の全てが織り込まれていると言っても過言ではない。『大岡政談』として有名な「三方一両損」や「実母継母の詮議」の白洲シーンがおまけのように差し込まれていたりする一方、史実としても知られる「天一坊事件」を最終話にもってくるなど、なんとも贅沢な作りである。 ちなみにかにのお気に入りは、第7話までのタイトルバックに、出演者の顔写真が使われていること。最初の7回のみだけにかなり貴重。 |
| 第2部(全28話) 1971年5月17日〜11月22日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
夏八木勲/財津一郎/田中邦衛/近衛十四郎/中村玉緒/前田吟/島田正吾/高松英郎/笠置シズ子 他 |
設定は第1部とほぼ変わらない。 第1部では開設されたあと、ほとんどストーリーに絡むことのなかった養生所の存在がこのシリーズから確立してくる。それに伴い、第1部で1話のみの出演であった呑舟役の志村喬がレギュラーとして加わるようになる。また、「大岡越前」に欠かすことの出来ない人物、猿の三次が第2話より登場。盗っ人だった三次は忠相の情けでまっとうな人間になり、以後忠相の信頼すべき配下の一員となる。その三次と恋仲になる以禰(いね)も第2話から登場し、養生所を手伝うようになる。 伊織は相変わらず寺子屋と養生所のかけ持ちをしており(但し寺子屋の存在はいつの間にかなくなる)、千春は寺子屋の手伝いをしながら、伊織とはつかず離れずの関係だ。 忠相は、第1話でいきなり暗殺されそうになったりもするが、その事件をきっかけに連座制を廃止するに至るなど、人情味あふれる大岡裁きも健在だ。また私生活では、雪絵の懐妊騒ぎがおきたり(第1話)、おたふく風邪にかかったり(第18話)もするが、第23話で本当に雪絵が懐妊したことを知らされ喜ぶ。 最終話では、オランダ医学の勉強のため長崎へ行く決心をした伊織が、ついに千春と結婚。千春の父村上源次郎も、一人娘を嫁に出す寂しさを感じつつも心から祝福する。 第2部の特筆すべき点は何と言っても三次の登場。伊織ファンのかにとしては、伊織と千春の結婚も捨てがたいところだが、伊織さんにはいつまでも独り身でいて欲しかった気も・・・。それに、祝言の席に恩師である呑舟先生の姿がなかったのは残念。でも源さんの「ムリはやっぱりムリですねぇ」というのは名セリフ。 |
| 第3部(全31話) 1972年6月12日〜1973年1月15日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
高松英郎/大瀬康一/中村玉緒/田口計/木村功/笠置シズ子/露口茂/夏八木勲/林与一/成田三樹夫 他 |
第2部から6年後という設定で、第2部後半で懐妊した忠相・雪絵夫婦の子供は6歳になっている。これが忠相の長男忠宣で、なぜかこのシリーズにしか出てこない。 長崎に行っていた伊織・千春夫婦は、養生所の呑舟先生の体調が良くないため急遽江戸に召還される(第1話)。 新レギュラーとしては、第1話で殉職した与力の息子池田大助が、父の遺志を継いで見習与力となるほか、第2話より大岡家役宅の奉公人としておはなが初登場する。 また、第2部では小間物の行商をしていた三次だが、6年のうちに店をもつことが出来たらしく、お菊という女中を一人雇ってめし屋をやっている。 尚、鳶の伊三郎、政吉らの出番は第2部から徐々に少なくなっており、忘れた頃にふっと出てきてその存在を思い出させる。彼らと共にこのシリーズまでのレギュラーである神山左門は、第1,2部同様おいしいとこ取りという感じで、時々出てきてはかっこいい役割をこなしている。 第3部は全シリーズを通してシリーズ最高傑作であると断言したい。全体的に逸品揃いで、印象深い話がたくさんあるからだ。 伊織が江戸わずらいと呼ばれる奇病に挑む第2話、「大岡裁きというものはない」と呟く忠相のセリフが印象的な第5話、木村功の演技が光る第6話等、挙げ連ねればきりがない。しかし中でも最も秀逸なのが第3話の「天下の果し合い」であろう。もしこの3−3(と呼んでいる)がなければ、私はこんなページを作ってしまうほどの大岡ファンになっていたかどうか分からない。それ程私にとってインパクトの強い話だった。 因みに第28話「ギヤマンの謎」の放送が1月1日。何ともいい時代だったのだなぁと思ってしまう。 |
| 第4部(全25話) 1974年10月7日〜1975年3月24日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
佐藤允/村上冬樹/高松英郎/中丸忠雄/ジュディ・オング/辰巳柳太郎/寺田農/木村功/杉田かおる 他 |
第3部までとは一部設定が異なる。 伊織と千春はなぜかまた長崎に行っている。第4話で村上源次郎が再婚することになり、千春のみ長崎から帰ってくるが、第6話で戻ってしまう。この後第20話で伊織は千春と共に江戸に召還されるが、その回だけの出演である。(因みに千春はその後2度と出ることはない) また三次は「喜楽」という船宿を開いている(因みにこの「喜楽」という名は、第1部で料亭の店名として出てくる)。 新メンバーとしては、まず第1話で父を失った相良俊輔が内与力となる。俊輔は浪人の子だが、室鳩巣の門弟として学問を身につけている。 また、第3話では源次郎の縁談相手の美乃とその娘で俊輔とは恋仲になる綾が登場。美乃は「喜楽」の雇われおかみでもある。他にも、お葉や文吉といったこのシリーズ限りのメンバーが、伊織のいない物足りなさを補っている。 「伊織さんが出ない大岡なんてっ」(byかに) さてそれはともかく、このシリーズ全体を通して、油の値上がりから忠相が物価引き下げに取り組むエピソードや、両替商との対決などの、実在の大岡越前の業績として知られる題材が織り込まれていて、大変見応えがあり面白い。 また、第14話に見られる江戸の元旦の風景も興味深い。ちなみに第13話「除夜の鐘」の放送が12月30日ということで、どんな話か知りたいが、なぜか再放送されないため不明である。 なお、このシリーズでのタイトルバックは、他のシリーズと違い白地に大岡家の家紋が入っているもので、これを見ると一目で“第4部”と分かる。 |
| 第5部(全26話) 1978年2月6日〜7月31日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
成田三樹夫/藤村志保/ハナ肇/加藤嘉/木村功/吉行和子/荒井注/芦屋雁之助/江波杏子 他 |
第5部では大きな変化が2つ見られる。 まず、伊織の妻で源次郎の娘千春が亡くなっているということ。ちなみに、第4部で源次郎が再婚したという設定はここでは継承されていない。 もう一つの変化は源次郎にかわり定廻り(市中を巡回する同心)となった風間駿介の登場である。これにより源次郎は忠相のそばで主に奉行所内で働く同心となる。 その他、第1部で兄を失った千絵が養生所の看護婦になる。千絵は次第に伊織に惹かれていくが、伊織の亡妻千春への思いに勝つことは出来ない。また新吾は養生所の見習い医師、おときは三次の妹で、三次のめし屋「たぬき」で働いている。三次の店の名はこれまで一定でなかったが、これ以後「たぬき」で定着する。(例外:第10部) なお、このシリーズでは三次が松山省二である。英太郎の弟だけあって、同じ役をやっても違和感がない。またお花役は遠藤真理子に落ち着く。 「伊織さんと源さんが可哀想すぎる!」(byかに) 千春を失った伊織が、医師でありながら救うことが出来なかったことで、自分を責める姿が痛々しい。千春のお墓に“享年28才”とあるが若死にしすぎだ。源次郎は以前忠相の許嫁だったちとせ(千春の姉)を亡くしているから、娘を二人とも若くして亡くしたということになる。こうして思えば、あの千春の明るさが懐かしくてならない。 |
| 第6部(全32話) 1982年3月8日〜10月11日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
村井国夫/中村竹弥/林与一/高松英郎/長塚京三/谷隼人/尾藤イサオ/ 加賀まりこ/藤巻潤 他 |
第6部では、伊織は(また)長崎に行っていて江戸にいない、という設定。 伊織が不在の養生所を任された橋本悟(雪絵の乳姉弟)は、腕はいいが気の弱い性格のため養生所をあずかるには荷が重すぎ、養生所は玄庵門下の医師により荒らされていた。そこへ登場するのが新三郎である。新三郎は、伊織に付いて医術を学び、伊織とは義兄弟の契りをかわした仲であり、蘭法に関しては伊織も及ばぬ腕というお墨付きで、伊織が長崎からよこした名医である。 新三郎に任された養生所で働く医師や看護婦は何人かいるようだが、名前が出てくるのはいねくらい。ちなみに第2部、第3部に出てくる以禰(いね)とは別人である。 その他、おきみは三次の店「たぬき」で働く女中である。 32話もあるのに伊織さんが一度も出ないとは・・ そこでこのシリーズでのかにの一押しレギュラーは同心風間駿介。第5部で登場して以来注目していたが、第6部では同心姿も板に付き、凄腕ぶりを見せてくれる。 なお、今ではすっかり定番といった感もある「三方一両損」を本筋にもってきた話があるのはこのシリーズがはじめて、というのはちょっと意外。 |
| 第7部(全27話) 1983年4月18日〜10月24日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
松坂慶子/大場久美子/三崎千恵子/藤岡琢也/芦屋雁之助/佐藤允 他 |
第1話で長崎留学から伊織が戻る。伊織は忠相宅に向かう途中、負傷した志保を救うが、その傷は親の仇と襲った忠相につけられたものだった。その忠相への誤解もとけ、志保は養生所で働くようになる。この志保に同心風間駿介は想いを寄せるが、志保は伊織に惹かれていく。 また、おけいは亡父が盗人で、今また祖父と共に盗人一味の仲間として引き込み役をやらされていたが、隙をみて一味を抜け出し、父母を知る三次にかくまわれる。盗人一味が忠相により捕らわれ、忠相の恩情ある裁きに救われたおけいは、三次のもとで「たぬき」の女中として働くことになる。 この他に、第7部では雪絵役が宇津宮雅代から酒井和歌子にかわったことも見逃せない。 しかし、特筆すべきはもう1点。このシリーズから姿を消してしまった忠相の父忠高の死である。第1話で、江戸に戻った伊織がその遺影に合掌するシーンで、その死に関して語られている。 ちなみに、忠相の母妙はこれを機に忠相の役宅に同居するようになったようだ。 5年ぶりの伊織再登場に、再会シーンの忠相の喜びようは演技とは思えない。竹脇無我の復帰に加藤剛も本当に嬉しかったのではないだろうか、と思わせる程だ。(もちろんかにも嬉しかったが・・・) ただ、やはり忠高役の片岡千惠藏がいないのは寂しい。伊織のセリフの中に「世の中めっきり寂しくなった思いだ」とあるが、全くその通り。 |
| 第8部(全26話) 1984年7月16日〜1985年1月21日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
佐野浅夫/石野真子/左とん平/にしきのあきら/岸部シロー/赤木春恵 他 |
第8部では忠相の部下がぐっと増える。 まず第1話より登場の新米同心蕪木兵助と、蕪木付きの岡っ引き勘太、そして恩人だった岡っ引きの死によりその跡目を継ぐという形で、「たぬき」の看板娘おけいまでもが岡っ引き姿で活躍する。 これに従来の村上、風間、辰三らも加わり、特に風間と蕪木は対照的なキャラクターで、よきライバルとなって忠相を盛り立てる。 これ以後、3タイプの同心というスタイルがパターン化することになる。すなわち、ベテラン老同心・中堅同心・新米同心の3つである。(これまで同心は村上ともう一人の若手同心のみだった) その他新メンバーとしては、姉を亡くし天涯孤独となった娘お由美が、第2話より「たぬき」で働くことになる。尚、おけいも岡っ引きとしての役目がない時は、これまで通り「たぬき」で働いている。 風間贔屓のかににしてみれば、当初、兵助はちゃらんぽらんでそのくせ要領と運はよくて、「何だこいつはっ」という感じだったが、よく言えば型破りなその存在は、面白いと言えば面白い。そんな兵助が徐々に同心として成長してゆく姿は、このシリーズの見所の一つでもあるのだろう。(でもやっぱりかには風間派) また見所といえば、初代女目明かしおけいの存在もそうだろう。叶和貴子の岡っ引き姿は似合わない気もするが(第11部で女目明かしとなる相楽晴子は似合っていた)、存在としては新鮮だった。 |
| 第9部(全26話) 1985年10月28日〜1986年4月21日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
水野久美/山田吾一/大場久美子/河原崎次郎/金沢碧/山本みどり/にしきのあきら/増田恵子 他 |
第9部はなかなか賑やかだ。 まず、見習い同心の立花喬之助が、同心だった父の死により御組替えになり、姉千鶴とともに蕪木の向かいに越してくる。向かいということで、源次郎は蕪木に喬之助の世話を言いつけるが、千鶴を一目で気に入った蕪木は、何かと立花家へ出入りするようになる。 そして第3話では、長い付き合いの辰三・おはながついに結婚する。二人は辰三の下宿先の荒物屋の2階では手狭ということで、勘太の長屋の隣の部屋に引っ越す。また、おはなの奉公先の大岡家では、新しい奉公人として小田原から出てきた娘おちよを雇うが、まだ不慣れということもあり、引き続きおはなも通いの女中として大岡家で働く。 その他、おはる・おなつ・おあき・おふゆ、という4人娘が、三次の店「たぬき」で働いている。このうちおあきは、殺人を目撃して口がきけなくなり、悪人に将軍の御落胤に仕立てられて紀州から江戸に上ってきた(第1,2話)という過去をもつ。 ちなみにこのシリーズから雪絵役が再び交代して平淑恵となる。 今回は登場人物の恋愛模様について少し取り上げてみよう。(と、なぜか説明口調) まず辰三だが、第3部でおはなが登場して以来、ずっといい関係だったわけで、実に13年の歳月を経て結ばれたことになる。その反面、志保の登場以来一途に想いを寄せていた風間駿介の恋は結局実ることなく、風間はこのシリーズを最後に姿を消す。かにはひそかに風間の恋を応援していたが、志保の伊織への想いは絶ち難かったようだ。しかしそんな志保に「駿介をどう思う?」と無神経発言をする伊織って・・・(まあ、そこがいいんだけど) |
| 第10部(全27話) 1988年2月29日〜9月5日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
藤岡琢也/江波杏子/川上麻衣子/坂上二郎/川島なお美/高橋悦史/藤間紫 他 |
このシリーズより同心の村上源次郎と風間駿介が姿を消す。 源次郎にかわって南町のベテラン同心の役割を引き継ぐことになるのが佐橋孫兵衛である。一方風間の役割を果たすのは、既に第8部より登場の蕪木兵助で、第9部ではまだ見習いだった立花喬之助も、正規の同心となる。他に新米の見習い同心として“今時の若者”風の北風正吾が加わる。 また、三次の店は従来の小料理屋「たぬき」ではなく船宿「やなぎ」で、その女将のお柳は三次とともに忠相の密偵となって活躍する。そしてこの「やなぎ」で働くのがおたまとしのぶの二人であり、このうちしのぶは元々武家娘で、のち、やもめで一人暮らしだった孫兵衛の養女となる。 ちなみに大岡家の奉公人は通いのおはな(辰三の妻)と住み込みのお千代の二人で、第9部の設定を継承している。(ただしお千代役は片山由香から西村美有紀にかわっている) 何と言っても村上の源さんと風間駿介、この二人の姿が見られないのが寂しい。 特に源さんは、第1部より忠相の側にいて忠相を見守り、一方で多くの若い同心たちを育てるなど、あらゆる意味で「大岡」を支え続けてきた人物だった。その豊かな表情から視聴者は、白洲の行方に共にハラハラし、そこでの忠相の機転に共にほくそ笑み、最後にはその人情溢れる“大岡裁き”を目の当たりにして共に満面の笑みを浮かべる、そんな同士のような存在でもあったのだ。 風間もまた、第5部からの登場というのが意外に思えるほど、大岡一家に欠かせぬ存在になっていたというのに・・・本当に惜しまれてなりません。 |
| 第11部(全26話) 1990年4月23日〜10月15日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
藤間紫/長谷川明男/川合伸旺/高松英郎/高島礼子/園佳也子/鮎川いずみ 他 |
このシリーズではいくつかの設定が変わる。 まず一つは、佐橋孫兵衛の娘千夏の存在だ。彼女は第10部のしのぶのように養女ではなく実の娘である。次に辰三だが、おはなだった妻がお竹にかわってしまっている。ただ、“ケンカするほど仲が良い”といった感じの夫婦ぶりは健在だ。そしてこのお竹とお梅が働くのが、復活した小料理屋「たぬき」である。これに、忠相の配慮でこの「たぬき」で働くこととなった松江(第3話よりお松と呼ばれるようになる)が加わり、松・竹・梅の三人娘が揃う。なお、おはなという名の娘はこのシリーズにも存在し、これまで同様大岡家の奉公人である。 この他新メンバーとしては、第3話より登場の片瀬堅太郎、第5話より登場のお京がいる。片瀬は医師になるべく、忠相の知行地から伊織を尋ねてやってきた若者で養生所の見習い医師となる。お京は目明しになりたくて叔父の勘太を頼ってやってきた威勢のよい娘で、忠相の許しを得て娘目明しとして活躍するようになる。 また、かねてより好き合っていた蕪木と千鶴は、最終話でついに結ばれる。 なお、このシリーズでは忠相の母妙が4シリーズぶりに登場し、その存在感を示す。 ここで、準レギュラーに名を連ねる高木と源五郎の二人について触れておく。 高木は第7部から養生所助手として登場するが、そこではまだ高木と呼ばれていない。第8部で一旦高木と表示されるようになるものの、第9部では再び役名不詳となり、この第11部でやっと伊織によって後輩医師の片瀬に紹介されるなど、存在が顕著となる。源五郎(自身番に詰めている男)もまた、第8部から登場して以来第12部まで出続けるが、その存在はあまりに目立たないままだった。 この二人、本来なら別にレギュラー欄に列記しても良いのだが、目立たない存在ながら幾シリーズかにわたって登場し続けている稀なケースであることから、敢えて準レギュラーとした。 |
| 第12部(全24話) 1991年10月14日〜1992年3月30日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
加茂さくら/御木本伸介/加山雄三/西川峰子/工藤夕貴/沢竜二/太川陽介 他 |
このシリーズで忠相は二人の腹心を失うことになる。猿の三次と同心蕪木兵助である。 三次は刺客に襲われた忠相をかばって命を落とし、蕪木もまたその一味と思われる集団を目撃した娘お鈴を一味から救わんとして重傷を負い、忠相や新妻の千鶴らの見守るなか死亡する。(第1話) 一方、本所奉行所の廃止にともない南町奉行所へ配置替えになった同心筧甚八は、自分の単独行動がお鈴を危険な目にあわせ、ひいては蕪木を死に至らしめたことを悔やみながらも、次第に南町に馴染んでゆく。 またこの事件後、お鈴は大岡家の奉公人として役宅にあがり、三次を失った「たぬき」では、お柳が店をたたむことも考えるが、三次の昔馴染みでお鈴の父親でもある丁の目の半次を板前に迎えて、お梅・お玉・お千代の3人の女中などと共に、これまで通り同心たちのたまり場として存続する。 その他新メンバーとして、南町奉行所与力片平弥平次、北町奉行所同心赤垣伝兵衛、赤垣付きの岡っ引き久助、大岡家用人北村一平などがいる。片平は、第1部から第3部まで出ていた神山左門のような役回りで、その登場回数は少ない。赤垣は北町同心としてはこれまでになかったキャラクターで、「たぬき」の娘たちなどから嫌われてはいるが、どこか憎めない存在である。しかも、そうとは知らず忠相に、悪徳商人などの情報を酒をおごってもらうかわりに教えるなど、ストーリー上欠かせない人物でもある。 このようにレギュラーメンバーが大きく変わる中、第1部からずっと担当しておられたナレーターの芥川隆行が、このシリーズより杉山真太郎に変わっている。 三次の死は痛い。 忠高役の片岡千惠藏さん、同心村上役の大坂志郎さん、同心風間役の和田浩治さんなど、様々な大好きだった登場人物の役者さんが去っていくなか、ついに松山英太郎さんまで失うとは。その喪失感は大きく、正直これ以後の「大岡」は、「大岡」であっても別物のように感じた。 ちなみに、第1話で刺客に襲われる三次のシーンは、生前の録画を利用したそうである。 |
| 第13部(全26話) 1992年11月16日〜1993年5月10日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
亀石征一郎/杉田かおる/東野英治郎/伊藤つかさ/中条きよし/石倉三郎 他 |
設定はほぼ第12部を継承している。 そんな中、第1話でいきなり雪絵の母静加が登場。(これまで雪絵の母親はナゾだった・・・) またこのシリーズは、レギュラーメンバーの身の上にいろいろな事が起こるシリーズでもある。 まず、養生所医師片瀬堅太郎は、死傷事件の検死・治療を速やかに行うべく、第1話より奉行所付き医師となり、さらに第19話より定町廻り同心に任命され、正式に南町奉行所の一員となる。 第2話では、大岡家役宅の奉公人だったお鈴が同じく大岡家で働く用人北村一平と結婚し、役宅の奉公人は静加に仕えていたすみれにかわる。 第5話では、北町のダメ同心赤垣伝兵衛がついに北町を首になるが、忠相に拾われ南町の忠相配下の同心にお役替えになり、これを機に真面目な同心へと変貌してゆく。(因みに赤垣はこの時初めて、これまで度々「たぬき」で酒をおごってくれていた浪人が南町奉行大岡越前であると知る) 尚、赤垣には蛍というよく出来た娘がいることも発覚。 また第16話では、同心立花喬之助が、ベテラン同心佐橋孫兵衛の娘千夏と結婚し、佐橋家の婿養子となる。これにより、孫兵衛は佐橋家のことを若い二人に託し、自らはお役目を辞して、過去お縄にしてきた人々の供養のため、西国へ巡礼の旅に出る(第17話)。 さらに第18話で、半次が昔盗っ人だったことを知る悪者一味の事件に巻き込まれ、今後のことを思う忠相の配慮から江戸ばらいの裁きをうけ、娘お鈴の腹に宿る孫の顔を見ることなく江戸を去る。 その他、「たぬき」の女中は新メンバーのお君と第11部からのお梅の二人で、ここ最近やたら多かったことを思うと、比較的少な目になっている。 また出番のそう多くない新メンバーとしては、最初の3話のみに登場し密偵として活躍したお蓮、忠相とは敵対関係にある火付盗賊改方の永松左兵衛などがいる。 この辺りのシリーズは変動が多くて、お気に入りを新たに作るのは難儀。大坂志郎さんの後を受けて登場した佐野浅夫さんも、いい感じになってきたと思えるようになったところで、水戸黄門になってあっさり旅立つし(佐野浅夫さんはこのあと放送された「水戸黄門・第22部」から黄門役に抜擢された)、お柳や千夏もこのシリーズまでだしなぁ・・・ |
| 第14部(全24話) 1996年6月17日〜12月2日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
森繁久彌/土田早苗/林与一/堤大二郎/山下慎司/市川左團次/見栄晴/小林綾子/長門裕之 他 |
このシリーズでは再び伊織は長崎へ行っているという設定。 不在の伊織にかわり、第6部に引き続いて久々に結城新三郎が登場する。また新三郎の恩師でもあるという見雲遊山(森繁久彌)が長崎から出てきて、第1話にのみ登場。なお、新三郎は最終話で忠相により養生所医師の役目をおろされ、長崎への留学を命ぜられ江戸を立つ。 また南町同心としては、夏目甚八が第9部まで登場の風間駿介を思わせる熱血同心ぶりで新たに加わったほか、すっかり同心姿が板についてきた立花喬之助(佐橋家に婿入りしたという設定は千夏の存在とともに抹消されている)、医術の心得もある片瀬堅太郎、第13部途中で北町から南町にお役替えとなり、このシリーズでは別人のように有能な模範同心に成長した赤垣伝兵衛などがいる。さらに第4話からは、死んだ父親が以前赤垣の下で働く岡っ引きだったという子吉が、赤垣に説得され岡っ引きとなる。(これが第13部まで赤垣付きの岡っ引きだった久助の子かどうかは不明) 一方、前シリーズ途中で突然(というわけではないのだが)忠相によって江戸ばらいを申しつけられ江戸を離れていたはずの半次は、恩赦でもあったのだろうか、無事「たぬき」に戻ることが出来たようで、これまたなぜかいなくなったお柳にかわって店を切り盛りしている。ここで働く娘としてお春・お秋・お鈴(第13部までのお鈴とは別人)がいる。このうちお鈴は、亡き父や叔父が盗人だったという身の上で、「たぬき」で働くようになってからは、半次とともに忠相の捜査の手伝いをするなど活躍する。 なお、伊織は最終話にのみ登場し、画面上では初めて新三郎と顔を合わせる。 シリーズも第14部までくると、設定もクソもないのだが、メンバーがころころかわって訳がわからなくなってくる。 ただ一言、最終話で伊織が長崎から戻ったことを一番喜んだのは、忠相でもなければ、涙して迎えた志保でもない、この私だ!(なーんてね) |
| 第15部(全26話) 1998年8月24日〜1999年3月15日放送 | |
| 主な出演者 | トピックス |
赤木春恵/土屋嘉男/佐藤允/小林綾子/江藤潤/長門裕之/米倉斉加年/笹峰愛/内藤武敏 他 |
フィルムからビデオ撮りに変わった今シリーズ、オープニング音楽もかわり、いかにも“新シリーズ”という感じ。レギュラー陣にも様々な変動があった。 まず伊織が戻ってきた養生所では、第7部より長らく女医師を務めてきた志保が何故かいなくなる。代わって女蘭法医をめざして医学修行中の見習い医師菊江が加わり、高木らと共に養生所を盛り立てる。菊江は、医学の道の先輩でもあり、今は南町奉行所同心の片瀬堅太郎と恋仲にあり、暇を見ては医学の勉強を見てもらっている。 そして忠相率いる奉行所同心には、すっかり同心姿が板についてきた片瀬のほかに、熱血漢の夏目甚八と冷静沈着な北島駿介が、意見の違いからぶつかり合いながらも、よきライバルとして事件解決に協力し合う。そんな若手同心たちを、南町の束ねとして忠相からも信頼される存在となった赤垣伝兵衛は、あたたかく見守っている。また岡っ引きとして、お馴染みの辰三・勘太のほか房吉・太市らが加わり、同心たちの手となり足となり働いている。 前妻を亡くしてからずっとやもめを通してきた赤垣だが、雪絵の母静加の紹介で、笙子というおおらかで美しい新妻を向かえることになる。 南町の同心の溜まり場とも言える小料理屋「たぬき」には、主である半次の昔の弟分で元泥棒の六助が、新しく板前として働くようになる。これに看板娘のお花が加わって、「たぬき」はいつも明るさと活気に溢れていた。 忠相・伊織コンビ復活は嬉しいが、辰三・勘太といったベテラン目明かしの活躍の場がいまひとつなかったのが残念。そんな中、養生所の一員として実質的には第7部から出演し続けている高木が存在感を持ち始めたのが見ていて心楽しかった。 最後に長崎から新三郎が戻ってきたが、忠相・伊織・新三郎トリオは決して嫌いではないものの、“新三郎が戻ってくる=伊織がいなくなる”ことを連想させて、少し心配になるえちぜんがにだった・・・ |