脚本家 古谷壮志の
「わーるど・いず・のっといなふ」
「ちょっと真面目な話」その2

前回なかなか面白かったので今回もボツ企画を紹介しよう。

古谷壮志ボツ企画ファイル

NO.3「燐多十番勝負」パイロット版

燐多十番勝負第三話では缶コーヒーで日本人が洗脳されているというプロットだったが、それが決定するまで様々な試行錯誤がなされた。以下はその変遷である。

「国会ヌード爆弾作戦」

某国スパイが、爆発すると半径500メートル以内の人間が全て素裸になってしまう爆弾を国会に仕掛け、日本の首脳陣が脅迫される。

(バカバカしい・・・ヌード爆弾のネーミング事態が下らない上に物理的な理屈付けが出来ないことに気付きこれはボツ)

「性転換電波の恐怖」

某国スパイが、浴びると性転換してしまう電波を武器に総理大臣を脅す。がしかし、勢い余って首相はその電波を浴びてしまい女になってしまう。だが首相は何となく「それでもいいか・・・」と妙に納得してしまい事態は思わぬ方向に・・・。

(これも物理的な理屈付けが出来ない上に、首相が納得してしまうという無茶苦茶な設定。しかも一国の首相をそんなバカみたいな武器で脅すスパイが何処にいるんだ)

「パニックメイカー」

某国諜報機関が核兵器に次ぐ恐ろしい最終兵器を開発した。その名も「パニック発生装置」である。人々はそれに恐れおののき、各国のスパイたちはその秘密兵器の奪取に乗り出す。パニック発生装置を奪い合うことで人々はパニックに陥るのである…。

(パニック発生装置というネーミングの面白さだけで考えた話だけに、やはり企画だおれ)

「身長は身を滅ぼす」

科学者の松戸菜園博士は自分のコンプレックスから恐るべき殺人兵器を開発した。それは身長150センチ以上の人間が吸い込むと死んでしまう毒ガスであった。博士はそれを使って大量無差別殺人を計画する。

(これは何か非常に差別的な要素を含んでいるので、倫理的にボツ)

読んでみると実にバカバカしいプロットばかりだが、考えている方は至って真面目に(?)考えている。反響が良ければ実際に公演の企画として考えてみるのもいいかもしれないが、多分無理だろうなあ。

ついでと言っては何だが、「燐多」のサブタイトル「KISS OF DEATH」はどういう意味なのかという質問があったのでここでお答えしよう。これは訳すと「死の口付け」となる訳で、劇中の設定だと缶コーヒーを口にする行為を表している。次回作にも是非期待して頂きたい。
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