脚本家 古谷壮志の
「わーるど・いず・のっといなふ」
「因果な商売」

選挙が近い。以前取り上げた小渕前首相の娘さんが出馬するらしい。マスコミは二世議員はいかがなものか?としきりに言っている。

確かに今時世襲ってのもどうかと思うんだけど、それとは別に一寸引っかかるものがある。まず一つは、出馬のキャッチフレーズだ。

「小渕前首相の弔い選挙」とのことらしい。小渕首相って誰かに殺されたんだっけ?私の記憶では病死だった筈なんだけど、何の弔いなんだろう?自民党執行部に対する当てつけだろうか?でもこのフレーズを持ち出したのは執行部だ。よく解らない話である。

もう一つ引っかかるのは二世議員について。確か死んだ小渕首相の経歴を紹介するニュース番組で昔のニュース映画が流れていたんだけど、その中で気になるナレーションがあった。

「親の七光りで当選した小渕恵三議員…云々」どうやら彼の父親も代議士だったらしい。小渕首相自身が二世議員だったのだ。ってことはその娘となると三世議員?ルパン三世を思い出してしまうマンガの様な話である。だがこれは結構重要かもしれない。

無名の新人がいきなり出馬しても、知名度の低さや地盤の弱さがネックになって供託金を無駄にするだけだ。だが二世は断然有利だし、三代続けばもう立派な家業だ。

寿司屋の三代目が良くて代議士の三代目が悪いという法は無いし、小渕首相は死ぬまで二世議員であることがクローズアップされたり、ネックになる事はなかった。

これは二世であろうが三世であろうが、関係ないということを逆に証明して見せたんではないだろうか?要は当の本人が何をするかの問題で、もしかして三世議員でも高い能力を持っているかも知れないし、でもと言うよりはだからこそ出来ることの方が多いんじゃないだろうか?

だからって親の七光りを優遇して能力のある人間を圧迫するようなことが有れば問題ではある。そこが難しい所である。一茂やカツノリ自身はどう思っているんだろう?
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