9月中旬
今回、お越し下さったお客様なら、おわかりいただけるが洞窟をイメージしたあの舞台の製作には、かなりの根気とじかんを費やした。
時間や予算の関係上、はっきりいって本格的な舞台装置には今まで手が出せなかった。
だがオレは常に思っていたんだ。”大道具があれば役者のオレにとって動きの幅が広がるのに”とね。
だが製作は困難を極めた。小さな劇団故に舞台装置専属のスタッフが何人もいるわけではない。
オレ含めクルかんメンバー総掛かりで数日を費やした。
そんなある日、我が稽古場の松原市民道夢館に近所の小学生(女の子)が集まっていた。
稽古場にも入ってきて、何故かGOMA2001が大人気。
俺は思った。
”顔か?顔で選んでいるのか?
にしては、何故上田も人気があるんだ。”っとね。
ようやくこのKINGにも気づき、歩み寄ってきた。
忙しそうにしているオレに対して、声をかけずらいのか女の子達は内緒話を始めた。
そしてついにその子達は装置を作っているオレに対してこう言った。
「自分、女なん?」
オレは焦ったがすかさず「違う、男じゃ!」と答えた。
すると女の子達は納得をしたのか、名前を聞いてきたのでおれは「川口晃平じゃ!!」と答えた。
その後しばらくして日が暮れてきたので女の子達は帰り始めた。
そんな中、オレにしゃべりかけてきていた女の子達は帰りながら、モーニング娘。のLOVEマシーンの替え歌を歌っていた。
「<サビの部分>かわぐちこうへい(日本の未来は)チビ・チビ・チビ・チビ(Wow・・・・)」
オレは何年ぶりかに泣いた。
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