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10/25。小屋入り前日だ!こんにゃろめっ!! 日々練習に追われ、倒れていく団員の中でただ一人オレは立っていた。 うそだ。 しかしながら稽古は前日だけに出来る事は限られてくる。そう、稽古場に集め られたすべての物を劇場に運び込まなくてはならないからである。 大道具のパネル、小道具、製作道具などをトラックに積み込む時間を 考えれば自ずと残りの稽古時間が気になってくる。 急ピッチで気になるシーンのやりなおしや、道具の整理をつづけ 気が付けば夜になり、最後の通し稽古が始まった。 あせりとともに押し寄せる緊張感と言う名の麻薬。 この何ともいえない感覚に取り憑かれたとき、誰もオレを舞台から 降ろすことはできないだろう。 オレは心の中でこう叫んだ。 ”でも、オレ一番最初に出番終わっちゃうんだよね〜”と。 最後の通し稽古が終わり、荷物を運び出した。 途中、何度か荷物と間違われ 荷台に乗っけられながらも、自分よりも大きなパネルを運び出した。 すべての荷物がなくなり、そしてメンバーも稽古場を去った。 オレは一人、少し広くなった稽古場にこう呟いた。 ”ありがとうよ・・・もう一つの劇場・・” 外に出た、オレに厳しい浜風が待っていた。 ん、みんなはどこだ? 一呼吸をしてオレは家路に向かった。 明日は劇場、オレの生き様見せてやるぜ!! |
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