クワガタ初級講座

講座5 <飼育環境>

自然の中でクワガタが出現できる条件を知っていますか?
それは、光・水・風・樹液です。
クワガタは手入れの行き届いた風通しが良い里山の日当たりの良い南や東斜面 に多く生息します。
飼育下でもこの条件を満たしてあげると沢山産卵することが出来ます。

・・・クワガタは、太陽の動きを感じて行動します。飼育ケースは、朝日の当たる東側がBESTです。 1日中、真っ暗な場所に置くのは、お勧めしません。

・・・クワガタは、水分がなければ生きていけません。しかし水分過多は禁物です。 自然界で のオオクワガタは 、苔の生えているような台場クヌギにはあまりいません。 飼育ケースの中は、マットは乾燥気味、産卵木は湿っぽい方がいいでしょう。(種類によって若干違いますが) キノコが寄生できるように適度な湿気が必要です。

・・・クワガタは、風が吹き抜ける場所が好きです。触角で臭いをかぎわけて樹液の出る場所に行きます。風がなければ臭いをかぎ分けることが出来ません。 飼育ケースは、風通しのよい場所に置いた方がいいです。 ♀は産卵する時、産卵木の匂いを感じキノコの匂いに惹かれて産卵行動を起こします。ケースの中も風が通 る方が匂いを感じやすいようです。(カビの匂いは、好きでないようです。)

樹液・・・もちろんクワガタが生きるためには樹液が必要です。 飼育ケースの中では、昆虫ゼリーだけでも生きていきますが産卵させるためには、高蛋白が必要です。バナナや、できれば幼虫や蛹をあげると産卵数が違います。

家では、夏場は、北側のベランダに置いています。朝、夕、少しだけ日が差し風通 しのいい場所です。 結構、卵を産んでますよ。

出来るだけ、クワガタにとって居心地の良い環境を作ってあげれば産卵数も違い長生きします。
クワガタも生き物です。愛情を込めて飼育しましょう。


講座6<越冬個体の目覚めさせ方>(3月編)
そろそろクワガタシーズンの始まりですね。3月の始め啓蟄の頃、越冬していたクワガタの目を覚まさせましょう。冬の間、餌も食べずに水分だけで生きながらえていたので体重も軽くなり栄養不足です。

◎産卵準備
飼育ケースをひっくり返して越冬個体を出します。水でダニなどをきれいに洗い落としてください。越冬個体は、すぐに産卵セットを作っても栄養不足であまり卵を産みませんし、無理に卵を産ますと雌が弱ります。ミニケースに1匹ずつ管理して充分な高蛋白のエサを与えてください。蛹や幼虫などを与えると効果 抜群です。2週間〜1カ月は充分にエサを与えて体力を回復させることで産卵準備が出来ます。

◎産卵セットについて 基本セット
種類によって違いますが、オオクワについて書きます。
材は、クヌギやナラなど良く熟成した材なら卵を産みます。少し固めの方がいいと思います。 あまり柔らかすぎると、雌が遊びで材に穴をあけるだけで産卵数が伸びない場合があります。
材は、半日水に浸け2時間ぐらい陰干しします。
ケースの底にマットを少し敷き詰め、材を入れ、マットで埋めます。
材の置き方は、縦でも横でも自分の好みでいいと思います。
材の皮は、剥いても剥かなくても良いですが、古雌の場合は、皮を剥いて柔らかめの材にして出来るだけ雌の負担を少なくして下さい。
マットの上には、エサ皿と転び止めの材(木の皮など)を敷き詰めてください。
マットの水分は、オオクワは乾燥気味、ヒラタは多めにした方がいいです。

◎良く卵を産ませる工夫
クワガタは、材を朽ちさせるキノコの匂いに反応します。これは、キノコの中のグルタミン酸ソーダ(『味の素』など)の成分です。
材を水に浸けるとき味の素入りの水の中につけてください。
この材は、たくさん卵を産みますが問題点もあります。
カビもダニもコメツキムシもこの匂いが好きです。材がすぐに腐朽しますので1カ月に一度は交換しましょう。
産卵中は、♀が卵を産み続けますので高蛋白なえさ(蛹・バナナ・脂身)を与えて十分な栄養を与えてください。♀が死んでは何にもなりませんので。

オオクワは、平和主義ですので♂♀ペアーでもかまいませんがヒラタは、♂が♀を殺す場合がありますので強制交尾をお勧めします。(私は、♂♀一緒に入れていますがあまり事故はありません。)
新成虫の♀は入れない方が無難でしょう。十分に餌を食べるようになってから入れてください。 ♀が熟成してないと♂が♀を認識できず(フェロモンが出ていない?)敵だと思って♀を殺す場合があります。

とりあえず、私のヒラタのセットを書きますが、まねをして♀が殺されても責任は持てません。

◎私のヒラタのセット
まず♂のみケースの中に入れます。オスがケースの中の環境になじむまではメスを入れない方がいいです。
♂が環境に慣れず興奮している時には♀を入れると敵だと思ってかみ殺す場合があります。
マットの上は、エサ皿以外に転び止めの材を多めに入れてください。♀の逃げ場をたくさん作ってあげるのがポイントです。




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