集 会 宣 言
大阪市民の皆さん、私達は本集会において過日閉会した長野五輪の実態について 詳さに検証しました。テレビで観戦した限りでの長野五輪は予想外の日本選手の活 躍により、国民を熱狂させ感動させるに十分でありました。しかし、その華やかな長野五輪のテレビ放映の背後で長野五輪は誰がどのような 目的で誘致し、どのように計画・運営されたのか、五輪誘致から開催まで長野県内 ではどのような政治と行政が行われたのか、産業界は何をしたのか、その結果長野 県民はどのような負担と犠牲を強いられたか、そして今、長野市・県民の肩に何が 残ったのかなどについて恐るべき報告がなされました。この経験は二〇〇八年の大 阪五輪招致の是非を考える上で大変貴重な情報となりました。
私達には長野五輪の産官主導型の運営、不明朗な税金の支出と経理、行政による 民生・福祉・教育へのしわ寄せ、市民・県民・生徒らに対する五輪協力への強要と 犠牲、ゼネコンを始めとする特定事業者の利益の独占、自然破壊と一世帯当たり 三五六万円に相当する巨額の財政赤字などの実態が明らかとなりました。
私達が反対している二〇〇八年の大阪五輪は冬期五輪と比較できない程に大規模 かつ長期の建設工事が予定されています。五輪開催に必要な設備や受け入れ体制の 整備に莫大なお金と人員とエネルギーが必要なことはいうまでもありません。
私達は本日の集会の討論を踏まえ、次のような理由から大阪五輪に反対します。
一、大阪五輪招致の決定手続きが極めて非民主的であること。即ち市民にその予算や負担内容が全く明らかにされないままに市議会決議がされたこと。私達の批判に拘らず、大阪市は今もって大阪五輪開催に伴う施設計画、運営費用、収支計画、市民・県民の負担、関連市予算額を明らかにしていません。また、閣議決定もされていないうちから既に支出した二五億円についても詳細を公表しません。私達はこうした事実を公表した上で市民に五輪招致の賛否を問う住民投票か、市議会議員選挙を行うべきと考えます。
二、そもそも何故今、これだけ大きな犠牲を要する五輪を開催する必要があるのでしょうか。大阪市は集客都市政策の一つであると意味不明の説明をしています。しかし、大阪市は都市として成熟しています。一〇年間に亙って長期かつ大規模な工事を税金を使って市民生活を犠牲にしてまで行う必要があるでしょうか。長野と同じく大阪五輪もゼネコンや一部産業界の利益を図るものとしか考えられません。
三、大阪市が五輪会場として予定している埋め立て地は果たして五輪会場として適切なのかについては大きな疑問があります・生ゴミで埋め立てて、現在もメタンガスを噴き出し、海の中にダイオキシンの埋まっている所への一〇万人メーンスタジアムの建設は無謀です。更に貴重な大阪市のゴミ処理場の舞洲をオリンピック選手村のために二〇〇〇年までに急ピッチで埋め立てようとしているのは「環境に優しいオリンピック」に逆行するものです。
四、一〇年後、二一世紀の日本国民や大阪府・市民は真に大阪五輪のお祭り騒ぎを歓迎し、賛同し、大きな犠牲を負担してまで協力するでしょうか。長野五輪でも日本国民は冷めており、入場券も売れず、関係者はムード盛り上げに大変苦労していたことを考えるべきです。東京五輪の時代とは違って国民は土木事業型政治に厳しい目を向けていることを知らねばなりません。
五、そして最大の問題点は大阪市は四兆五三九四億円近く、大阪府も三兆五〇〇〇億円の財政赤字を抱えており、これ以上の財政赤字を嵩まらせれば、もはや破産しかないという事態に立ち至っています。こんな台所事情も考えないでさらなる大借金で五輪を誘致してお祭り騒ぎを楽しむ余裕はどこにあるのでしょうか。
大阪市の皆さん、私達は本集会において大阪市の無謀ともいえる「二〇〇八年大阪五輪誘致」運動を一刻も早く中止させることを決意し、より多くの市民に呼びかけて共に闘っていくことを茲に宣言致します。
1998年3月1日
大阪オリンピック反対市民集会賛同者一同