1999年5月1日

大阪市長

大阪オリンピックいらない連

〒532-0004大阪市淀川区西宮原1丁目5-14 週刊釣りサンデー内

電話 06-6395-8144 FAX 06-6395-8232

代表 小西和人、木村達也、松浦米子



大阪オリンピック基本理念検討委員会答申への見解 大阪五輪は21世紀のモデルにならない
 日ごろ、市政に尽力されていることに敬意を表します。
 私たちは、財政危機、ごみ問題などの社会問題が深刻化する中、五輪招致活動を理由 に不要不急の湾岸開発を続ける大阪市の行政姿勢に、異議を唱えてきました。
 今回、理念委員会答申がまとまりましたが、内容のほとんどが大阪の魅力をアピール しているだけで、大阪五輪開催の理念を示していません。大阪のアピールにしても問題 点が多く、21世紀のモデルには程遠い実情です。以下、答申の問題点を指摘します。


1.立候補理由を後から考えるのはおかしい
 大阪五輪の基本理念については、本来十分な議論を重ねてから招致を決定すべきとこ ろを、内容のないまま「地球市民のオリンピック」という理念を掲げ国内候補都市にな りました。立候補した理由が大筋としてそのまま理念になるはずですが、昨年8月にな って委員会を設置して、なぜ立候補したかという理由を後から考えることになりました 。現に理念委員会の中でも、なぜ今になってこんな議論をするのかという疑問が出てい ました。


2.オリンピックと答申の理念の関係が不明
 大阪市は、「オリンピック憲章に共鳴したので五輪開催の立候補をした」と説明して きました。ところが、答申案でその具体的内容については「平和でよりよい世界をつく ることに貢献する」としか触れられていません。世界平和のための国際活動に直接貢献 するのではなく、なぜオリンピック開催なのか、大阪で開催することがなぜ「平和でよ りよい世界をつくることに貢献する」のか全く説明がありません。


3.実体のない「市民が待ち望む大阪オリンピック」
 第3回検討委員会での委員意見に基づいて、市民の熱望が最初の理念として掲げられ ました。しかし、答申に書かれた署名やボランティア団体などは、大阪市や関係企業に よって上から集められたものです。
 第4回委員会冒頭で磯村市長は「IOCスキャンダルで、オリンピックなど何だと思 われているが、オリンピック憲章はすばらしいので啓発を続けていきたい」と挨拶しま した。実際には、市民に盛り上がりは見られず、市民を説得の対象としか考えていませ ん。
 また、当事者の合意がないまま、市民によるサービス提供や一校一国運動が勝手に約 束されています。このような、「合意なき手続」と「強制されたボランティア」が21世 紀のモデルなのでしょうか。答申では、民主主義も掲げていますが、それに反するやり 方です。


4.基本理念は観光パンフレットか?
 2つ目の理念の部分には関西圏の文化、大阪の娯楽スポットが列挙されています。こ れらが、どうして五輪開催の基本理念なのでしょうか。朝日新聞の記事(99年4月14 日)でも「外国人向け観光パンフレット」と言われていました。


5.真夏の大阪開催は選手本位とは言えない
 大阪市は、集中開催を選手への配慮としていますが、真夏の大阪の猛暑の中で開催す るのが選手本位でしょうか?。夏休み期間を利用した観客動員優先の計画にすぎません 。


6.セキュリティに問題
 大阪市港湾局によれば「2007年から夢洲住宅の分譲・賃貸を始める」とのことなので 、セキュリティ確保を理由した入居者に対する人権侵害の可能性があります。


7.スポーツパラダイスは世界への便宜供与
 五輪に使われる巨大競技施設の後利用の問題については、以前より私たちが懸念して きました。今回の答申では、市民の利用については相変わらず抽象的に言及するのみで あるにもかかわらず、一流選手のためのトレーニング施設として広く世界に開放するこ とを約束しています。不等沈下の問題などこれから確実に拡大していく建設費にさらに 上乗せするトレーニング施設建設費は、計画の困難さを増すばかりです。


8. 環境対策の基本姿勢が問題
 検討委員会では、対中国北京を想定して、環境をアピールすべきとの意見もありまし た。しかし、現在急速に重工業化が進む中国より環境対策が進んでいることがアピール になるのでしょうか。
 そもそも、舞洲・夢洲は「使い捨て→焼却主義」が生んだゴミの島で、世界のモデル にはなりません。舞洲・夢洲だけで理想的な循環システムをつくるのではなく、大阪市 のごみ焼却主義や不十分なゴミ分別を解決することの延長にオリンピックがあるのでな ければなりません。「環境委員会」でもこの点の指摘があり、「ゴミ問題を見ると大阪 市はとても環境問題のモデルにはならない」という発言でした。


以上