1999年5月1日

大阪市長

大阪オリンピックいらない連

〒532-0004大阪市淀川区西宮原1丁目5-14 週刊釣りサンデー内

電話 06-6395-8144 FAX 06-6395-8232

代表 小西和人、木村達也、松浦米子



大阪オリンピック施設構想委員会答申への見解 実現性に欠ける前提条件
 日ごろ、市政に尽力されていることに敬意を表します。
 今回、答申への見解を送付致しました理由は、オリンピックに賛成/反対にかかわら ず、オリンピック施設建設に関する重要な問題点を見過ごしたまま委員会が終わってし まったことです。以下の問題点は、オリンピックを推進しようとする立場でも確認すべ き前提条件です。
 この見解の根拠は、大阪市港湾局の説明を元にした考察です。オリンピック招致局は 、港湾局と十分な連絡をとらなかったために、ダイオキシン問題を見過ごした教訓を生 かすべきでしたが、以下のような数々の問題を委員のみなさんに知らせる事なく、委員 会を終えています。このままでは、後日問題が生じることは明らかです。市長の責任が 問われることは避けられません。これらの問題点を明らかにし、解決策を検討した結果 、その解決が不可能であることが判明した場合、勇気ある招致辞退の決断をすることが 市長の役割と責任です。以下にその問題点を列挙します。


◆舞洲の地盤の安定性に疑問がある


1.地盤の調査をしていない
 舞洲北側の第1工区をさけて第2工区にスタジアムやプールを建設しようとしていま すが、以下の2〜5の理由で地盤の安定性に疑問があります。しかし、大阪市はボーリ ング調査などの地盤調査を行っていません。委員のみなさんがせっかく協議したにもか かわらず、スタジアムなどの建設は振り出しにもどる可能性があります。


2.内護岸が不等沈下の原因となる
 別紙のコピーのようにスタジアム及び地下鉄駅の予定地の下には、護岸が残っていま す。この護岸は回りの土砂だけの部分とは比重が違うため、護岸撤去後に施設の重みが 載った場合、不等沈下する可能性が高くなります。そのため、このような護岸をはさん で建築物を作った例はどこにもありません。


3.沈下しないはずの基盤層(洪積層)の沈下の例がある
 理想的な埋め立てを行った関西空港でも不等沈下がおきています。これは、普通基盤 層と思われている洪積層が予想に反して沈下したからです。すでに建設が終わっている 舞洲アリーナと違いスタジアムは巨大な建設物ですから、その大面積全体を均等に沈下 させるのは難しく、不等沈下の可能性は高くなります。洪積層の沈下は、神戸ポートア イランドでも発生しており、建物への被害が報告されています。


4.面積の大きい建物は不等沈下の影響を受けやすい
 スタジアムは面積の大きい建物ですから、その大きな面積の一部でも不等沈下をおこ せば、全体に影響する可能性があります。通常影響のでない程度の沈下が大きな影響を 及ぼします。


5.本体部分と仮設部分で不等沈下が生じる
 経費削減のために、スタジアムには仮説部分を設けますが、本体部分よりも軽い構造 になる可能性が大きく、そのために本体部分と沈下速度にずれが生じる懸念があります 。


◆夢洲「選手村」の問題


6.夢洲の埋め立てが遅れていて地下鉄が建設できない
 選手村となる夢洲の埋め立てが遅れることが明らかで、2003年になることが確定 しました。予定通り2000年に建設を始めてもぎりぎりであるにもかかわらず、20 03年になってから地下鉄を建設したのでは、2008年のオリンピックに間に合わな いことは明らかです。


7.選手村のセキュリティに問題がある ー住民との混在ー
 港湾局の説明では、地下鉄の採算のために2007年から夢洲の住宅分譲及び賃貸を 始めるということです。運輸省が地下鉄認可の条件として、夢洲の人口の定着をすみや かに行うことを上げています。そのためには、2007年からの入居を前提に運輸省と 交渉をしているということです。そうしますと、夢洲には選手村だけで外部の人間が入 れないために高いセキュリティが確保できるという、招致局の説明は成り立たなくなり ます。


◆ずさんな輸送計画


8.桜島(JR)からは乗り換えないと舞洲に行けない
 JR桜島線を新しく建設する地下鉄につないで舞洲のスタジアムへの輸送ルートとす ることが、輸送計画の前提となっています。ところが、今のJRの線路は狭軌で幅がせ まいのですが、地下鉄は中央線の延長ですから標準軌道で幅が広く、線路の幅が違いま す。ですから、列車の乗り入れは不可能で乗り換えが必要です。しかし、それでは開催 当日の輸送力は大幅にダウンします。五輪開催中しか必要がない大規模な乗換駅建設も 非現実的です。
 また、線路の幅だけでなく、JRは架線によるパンタグラフで集電しますが、地下鉄 は線路わきの装置(第3軌上)から電気をとります。地下トンネルの断面形状も、車両 の構造も全く違います。ですから、乗り入れはまったく不可能です。


以上