スポーツ演出は「官業」ではない

T.I.(東京都在住)



 拝啓 晩秋の候 益々御健勝の事と思います。
 貴会の網頁内記事「なぜ反対なのか!会員の意見」の投稿を拝読しております。これに関する件に関して申しますが、私は大阪五輪には勿論反対ですが、間近に迫っている西紀2001年東亜大会と2002年世界杯サッカーに対しても、反対運動を展開して欲しいと思います。
 立て続けに訪れる巨大スポーツ演出の中に五輪が存在するわけです。五輪に反対なら、当然の事ながら東亜大会や世界杯サッカーにも反対運動を展開するのは当然ではないでしょうか?
 私は非会員ではありますが、「なぜ反対なのか!」に投稿致します。東亜大会や世界杯サッカーに関するものも含まれていますが、御了承下さい。

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 五輪と言い、世界杯サッカーと言い、進め方が昭和10年代を彷彿させる。権力者がブームに火を付け、ハナから判断する材料も与えずに、御用マスコミを使って権力者に都合の好いイメージだけを垂れ流し、「既成事実だ」と賛成を捏造する。それで反対派を締め出し、誰も反対を言えない環境を作った。斯くして権力者が楽々と居座れる環境を作り、権力者の脚本通りに事を進めているのが真相である。
 昭和10年代に、日本の権力者は「大東亜共栄圏を構築する」と言って国民を騙き、軍国主義の路を突き進んだ。何故、昭和10年代の人たちは「おかしい」と言えなかったのであろうか?五輪、世界杯サッカー、万博、東亜大会と言い、手口も環境も昭和10年代とソックリである。


 とかく日本の権力者は、土建屋が潤う国際イベントを招致して、巨大施設や有料道路を税金で乱造して、「感動」のスペクタクルを演出する事が、とっても好きな状況である。だから日本に於けるスポーツの振興とは、土建屋を潤す為の方便に成り下がっている。例えば、横浜FCを創立した辻野臣保は、自らの網頁に於いて「横浜フリューゲルスを潰すと、世界杯決勝戦を逃してしまう」と高秀秀信横浜市長を諌めた。尤、建設省出身である高秀が決勝戦を招いたのも、「世界杯サッカー」と名が付く巨大土建事業が欲しかった為である。遂には浦和でも、税金で6万人サッカー場を作る愚行に踊り出た。斯様にして、プロスポーツチームの存在自体が、巨大土建事業のダシになっている。
 新体操選手権、東亜大会、世界杯サッカー、五輪と、立て続けに国際スポーツ演出(ショー)を催したがる都市なんて、大阪と横浜以外に無いと思うのだが。更には、五輪、世界杯サッカー、東亜大会などの国際スポーツイベントでは、必と言う程に、「国際親善」やら「経済発展」やら「スポーツ振興」やら「感動」と言う美辞麗句が振り翳される。茨城県庁も、高が鹿島に「サッカー文化」が根付いただけで、世界杯サッカーに躍起になっている。
 しかし、税金で巨大球場を作り、官営のスポーツ演出に明け暮れてまで、「スポーツ文化」を根付かせる必要などない。高が「サーカス」に過ぎない五輪や世界杯サッカーを、「感動」やら「親善」の美辞麗句で祭り上げる有り様が、そもそもおかしいのである。


 スポーツを土建事業のダシに使う手法は、今や民意や国土を蝕み続るだけで有害無益である。仮令株を守っても兎は来ない。五輪、世界杯サッカー、東亜大会や万博の賛成者は、巨大土建事業と「経済効果」を期待しているようである。しかし、最近の土建事業は、日常の市民生活に関る「有用な」土建事業ではなく、土建業界を救う為、経済活性化の為の、「無用な」土建事業と化している。
 今まで「防災策だ、地域活性化だ」として国会議員や地方官吏がばら撒いた土建事業。それがどうだ。1998年8月の北関東・那珂川の水害で、全の失策である事が実証されたではないか。土建事業の実施に際しては、欺騙(インチキ)に満ちた「経済効果」ではなく、事業による自然環境への影響、建設費と財源・借金の内訳、住民が背負う借金、事業実施後の具体的な施策を知らせる事が必要なのである。
 そもそも、巨大イベントのダシとしての土建事業が、住民を利するはずもない。何故ならそれは、「下下」を奴僕として操りたい議員と官吏が命ずるものなのだから。僅1個月のお祭と引き換えに住民が享受する物は、借金の山と、銹に塗れた粗大ゴミでしかない。五輪を招いても景气が悪くなるばかりの長野を教訓とせず、「東亜大会、世界杯サッカー、五輪で活性化」と吐く輩は、守株待兎(しゅしゅたいと)の愚を犯そうとしている。


 そもそも、民衆から吸い上げた税金で大尽遊びに耽り、その債務を民衆に押し付けて居直る権利は、政治家や官吏に無いはずである。況わんや官庁の任務とはスポーツ演出を行う事ではない。大阪も横浜も浦和も鹿島も、今や足りない物は「サーカス」ではなく「パン」である。上下水道の整備すら怠って世界杯決勝戦にのぼせる横浜の何処が、「明るく元気な横浜」なのであろうか?横浜国際競技場の建設費総額1200億円で、横浜市内小中高の30人学級は直に実現できるのに。スポーツ演出に血道を上げ、人の一生を左右する教育や生活環境を軽視する地方官庁の実状を見ると、厭わしくなって来る。
 第一「国民」主権の時代に、「お上」に夢を押し付けられるのは時代錯誤である。我々はお上が言う「夢」なんて欲しくはない。五輪や世界杯サッカーや東亜大会など、国際スポーツイベントを催したいなら、民営で催すべきである。民間のイベント会社とファンで醵出して催せば善い。にも関らず殆の日本国民は、五輪や世界杯サッカーや世界選手権を官営で催す事に、何故異議を唱えないのであろうか?官吏の大尽遊びを默認し、官営の一時的なお祭で大騒ぎするだけの「スポーツ文化」なら、無い方が善い。

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 五輪は元より、東亜大会や世界杯サッカーにも反対して行きましょう!
 私は現在、世界杯サッカーに反対する網頁を持っていますので紹介致します。今後も何卒、宜しくお願い致します。 敬具

  http://www.geocities.co.jp/Athlete-Acropolis/9397/