概説 |
眠りに導くお薬です。けいれんを抑える働きもあります。 |
作用 | 脳の神経の働きを抑える作用があります。 |
特徴 | 持続時間が中間型の熟眠薬です。ただ、不眠症に用いることはほとんどありません。抗けいれん作用があるので、激しいけいれん発作で注射ができないようなときに、直腸に注入することがあります。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 別に薬を飲んでいる場合は、医師に伝えておきましょう。
- 妊娠中の人は、医師にお伝えください。

- 【注意する人】

- 呼吸機能が低下している人、肝臓や腎臓、心臓に病気のある人、子供、高齢の人などは慎重に用いる必要があります。とくに乳幼児や体が弱っている人、高齢の人は過量投与による呼吸抑制にも注意が必要です。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 他の安定剤や抗うつ剤などと併用すると、強く効きすぎたり、副作用がでやすくなるおそれがあります。服用中の薬は必ず医師に伝えておきましょう。
- トリクロホスナトリウム(トリクロリール)は体内で同一物質になりますので、併用により過量になるおそれがあります。
- 飲酒は控えてください。副作用が強まるおそれがあります。
- お茶に含まれるカフェインは、この薬の効果を弱めるかもしれません。寝る前の日本茶、コーヒー、紅茶類は控えたほうがよいでしょう。
 【使用にあたり】
- 医師から指示された用法用量を守りましょう。
- 不眠で用いる場合、寝るすぐ前にお飲みください。飲む前にやるべきことを済ませておきましょう。なお、仮眠の前はよくありません。たとえば、十分な睡眠時間をとらないまま起床して仕事をしなくてはいけないとき、また、夜中に一時的に起きて仕事をする場合は、この薬を飲まないでください。
- 日常的なストレスによる一時的な不眠に安易に用いることには賛成できません。

- 【妊娠・授乳】

- 妊娠中の服用はできるだけ避けることが望ましいです。医師とよく相談されてください。
 【食生活】
- 起床と就寝時間を一定にして、睡眠リズムをとりもどすようにしましょう。
- 眠気やふらつき、注意力の低下をおこすことがあります。車の運転など危険な作業は控えてください。
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効能 |
- 経口..不眠症
- 注腸..静脈注射が困難な痙れん重積状態。
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用法 |
- 経口..通常、成人は抱水クロラールとして1回0.5〜1.0gを就寝前に経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 注腸..通常、小児では抱水クロラールとして30〜50mg/kgを微温湯に溶かし注腸する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
わりと多い副作用は、眠気、ふらつき、めまい感などです。これらはあまり心配いりませんが、ひどい場合は、医師に相談してください。とくに赤ちゃんや小さい子供は、過量投与による呼吸抑制にも注意が必要です。
多めの量を長く飲み続け、体が薬に慣れている状態で急に中止すると、かえって眠れなくなったり、不安やイライラ、吐き気、震えなどの反発的な症状がでることがあります。ただ、このような場合でも、徐々に減量すれば大丈夫です。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 呼吸抑制、無呼吸..呼吸が少ない・弱い、不規則な呼吸、異常なイビキ。
- ショック、アナフィラキシー様症状..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
- 依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある(徐々に減量すれば大丈夫)。
 【その他】
- 眠気、ふらつき、めまい、頭痛。
- 吐き気、嘔吐、下痢。
- 発疹、かゆみ。
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