|  概説 | 子供用の熱を下げる坐薬です。カゼなどによる発熱時に用います。 | 
|  作用 | 作用のおだやかな解熱鎮痛薬です。皮膚の血管を広げて熱を放散させる作用や、脳の痛みの感受性を低下させる作用があります。ただし、対症療法薬ですので、熱や痛みの原因そのものを治すことはできません。 
 発熱時のほか、頭痛や歯痛、耳痛などに広く用いられています。坐薬は、子供や赤ちゃんの解熱によく使われています。炎症(腫れ)をとる作用は弱いので、強い炎症を伴う痛みには向かないかもしれません。
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|  特徴 | 安全性の高いアニリン系の解熱鎮痛薬です。一般的な鎮痛薬(NSAIDs)とは作用機序が異なり、効果はゆるやかで、副作用も比較的少ないです。病院では解熱薬として用いることが多いです。熱や頭痛を伴うカゼやインフルエンザにもよく処方されています。薬剤性の発熱にも適します。
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    |  注意 |  【診察で】
 腎臓や肝臓の悪い人、喘息やアレルギーのある人は医師に報告しておいてください。市販薬も含め、使用中の薬を医師に教えてください。
  【注意する人】
 重い肝臓病のある人は使用できません。血液の病気、肝臓病、腎臓病、心臓病または喘息のある人、感染症を合併してる人、低栄養状態の人などは病状の悪化に注意するなど慎重に用います。アスピリン喘息(鎮痛薬や解熱薬により喘息発作を誘発)の人は、アセトアミノフェンとして1回300mg以下とします。少量なら危険性は低いです。
  【飲み合わせ・食べ合わせ】
 市販のカゼ薬や解熱鎮痛薬の多くにアセトアミノフェンが配合されています。この薬と重複することになりますので、これらとの併用は避けてください。血栓の薬のワルファリン(ワーファリン)の作用を増強するおそれがあります。ほかにも、併用に注意する薬がいくつかあります。使用中の薬がある場合は、必ず医師に伝えておきましょう。
  【使用にあたり】
 肛門から挿入する坐薬です。決められた使用量、使用間隔を守ってください。4〜6時間以上間隔をあける必要があります。できるだけ排便後に使用するとよいでしょう。便がたまっている状態ですと、便意をもよおし排出されてしまうことがあります。太く尖った方から肛門内に深く挿入してください。入れにくいときは、坐薬の先端に少量の水をつけると滑りがよくなります。使用するタイミングは医師の指示に従ってください。一般的には、38.5度以上を目安にします。熱が上昇しているときではなく、上がりきったときに使用するほうが効果的です。保管場所はなるべく涼しい所とします。もし、軟化した場合には、コンテナーのまま先端(とがった方)を下向きに垂直に立て、冷水あるいは冷蔵庫などで冷やし、硬くしてから使用するとよいでしょう。
  
 【検査】
  
長期にわたり使用する場合は、定期的に肝機能検査をおこなうようにします。
  【備考】
 インフルエンザにおいては、他の解熱鎮痛薬よりも、この薬(アセトアミノフェン)のほうが安全です。とくに子供の解熱には、この薬を用いるようにします。カゼやインフルエンザによる発熱は、ばい菌を駆除するための自然な防御システムです。ですから、むやみに熱を下げればよいというものではありません。医師の指示によりますが、たとえ高熱があっても元気そうでしたら、解熱薬は必要ないでしょう。熱でぐったりし、食欲がなかったり、ゆっくりと寝ることもできないときに使うとよいでしょう。
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    |  効能 | 小児科領域における解熱・鎮痛 | 
  
    |  用法 |  
 【用法】
  
通常、乳児、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10〜15mgを直腸内に挿入する。投与間隔は4〜6時間以上とし、1日総量として60mg/kgを限度とする。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、成人の用量を超えない(1回500mg、1日1500mg)。1回投与量の目安は以下。
 
 体重5kg..1回 50〜75mg体重10kg..1回 100〜150mg体重20kg..1回 200〜300mg体重30kg..1回 300〜450mg
  【注意】
 「小児科領域における解熱・鎮痛」の効能・効果に対する1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして500mg、1日あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして1,500mgである。(注:本剤は小児用解熱鎮痛剤である)急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原則として長期投与を避けること(原則として5日以内に限ること)。他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤を併用する場合は、アセトアミノフェンが含まれていないか確認し、含まれている場合は併用を避けること。アスピリン喘息又はその既往歴のある患者に対する1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして300mg以下とすること。
 
    
      
        | ※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
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    |  副作用 | 副作用の少ない安全性の高い解熱薬です。アレルギーを起こすことも少なく、重い副作用はほとんどありません。多量に用いると、肝臓や腎臓をいためることがあります。用法用量を守ることが大切です。 
 
  【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
 ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、胸苦しい、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔のむくみ・腫れ、咳、のどが腫れゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。喘息発作の誘発..咳込む、ぜいぜいする、息をするときヒューヒュー音がする、息切れ、呼吸しにくい。肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。過敏症症候群..発疹、発熱、だるい、吐き気、リンパ節の腫れ、皮膚や白目が黄色くなる。
  【その他】
 下痢、軟便、便意、吐き気、食欲不振。発疹、じんま疹。
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