概説 |
腫れや痛みをやわらげるお薬です。 |
作用 | 
- 【働き】

- 炎症をしずめて、腫れや発赤、痛みなどの症状をおさえます。熱を下げる作用もあります。ただし、対症療法薬ですので、痛みの原因そのものを治すことはできません。

- 【薬理】

- 炎症や発熱を引き起こすプロスタグランジン(PG)という物質の生合成を抑制します。プロスタグランジン(PG)の合成酵素「シクロオキシゲナーゼ(COX)」を阻害することによります。
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特徴 |
- アスピリンとビタミンCの複合薬です。主要な作用はアスピリンによるものです。
- アスピリンは、たいへん歴史の古い薬で、解熱鎮痛薬として長年使われてきました。化学構造的にはサリチル酸の系統に分類されます。名前に“ピリン”が付きますが、いわゆるピリン系の解熱薬ではありません。
- アスピリンの仲間は、作用面から「非ステロイド抗炎症薬(NSAID)」と呼ばれ、いろいろな痛みに広く用いられています。熱やノドの痛みをともなうカゼにも使います。なお、低用量の錠剤は、抗血小板薬として脳梗塞や心筋梗塞の治療に多用されています(バファリン81mg、バイアスピリン等)。
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注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。病気によっては症状を悪化させるおそれがあります。とくに、喘息などアレルギー性の病気のある人、また胃腸の悪い人は忘れずに報告しておきましょう。
- 他の薬と相互作用を起こしやすい性質がありますから、別に薬を飲んでいる場合は必ず医師に教えてください。
- 妊娠中の人は、医師にお伝えください。
- 手術や心臓カテーテル検査、抜歯の予定のある人は、事前に医師と相談しておきましょう。抜歯くらいでしたらそれほど心配ないのですが、出血が止まりにくくなることがありますので注意が必要です。

- 【注意する人】

- 鎮痛薬や解熱薬で喘息を起こしたことのある人は飲んではいけません(アスピリン喘息の人)。子供のインフルエンザには原則的に用いません。胃潰瘍など消化性潰瘍のある人も基本的には避けます(特別な胃薬と併用して用いることがあります)。そのほか、血液の病気や出血傾向のある人、肝臓病、腎臓病、心臓病、喘息などの人も病状により使用できない場合があります。また、副作用の出やすい高齢の人も慎重に用いる必要があります。
- 適さないケース..アスピリン喘息、子供のインフルエンザ(インフルエンザ脳症との関連性が示唆される)、消化性潰瘍のある人、血小板減少症など重い血液の病気、重い肝臓病、重い腎臓病、重い心臓病(心不全)、出産予定日12週以内の女性など。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- ワルファリンなど他の抗血栓薬といっしょに飲むと、出血しやすくなるかもしれません。併用する場合は、用量に注意するなど慎重に用います。そのほか、抗リウマチ薬のメトトレキサート(リウマトレックス)、気分安定薬のリチウム(リーマス)、さらに他の鎮痛薬や糖尿病の薬、利尿薬、抗けいれん薬、抗うつ薬(SSRI)など多くの薬と相互作用を起こすおそれがあります。市販薬も含め、他の薬との飲み合わせには注意が必要です。服用中の薬は忘れずに医師に報告しておきましょう。
- 飲酒は控えめにしてください。多量のアルコールは、胃や肝臓の副作用をでやすくします。
 【使用にあたり】
- 食後すぐに多めの水(コップ1杯)でお飲みください。頓服の場合も、できるだけ食後にあわせて飲んだほうがよいでしょう。もし、空腹時に飲む場合は、軽食をとるか牛乳で飲めば、胃の負担が軽くてすみます。
- カゼでは頓服が原則です。頓服の指示がある場合は、症状のひどいときだけ使用してください。よくなってきたら、早めに中止したほがよいでしょう。
- 肩こりや腰痛、外傷などで使用している場合、漫然と続けず、痛みの程度により、減量や中止を考慮する必要があります。症状がよくなったら、継続の可否についても医師とよく相談してみてください。リウマチなど慢性的な炎症疾患は別として、鎮痛薬の安易な長期服用は好ましくありません。
- 関節リウマチでは、よい効果がでるまでに2〜4週間くらいかかることがあります。指示された期間続けるようにしてください。

- 【妊娠授乳】

- 妊娠中はできるだけ控えます。どうしても必要な場合は、必要最小限の範囲で用います。妊娠末期の長期連用は避けなければなりません。
 【その他】
- 胃の副作用を予防するのに、胃腸薬が処方されることがあります。
- 他の人、とくに子供には代用しないでください。
- カゼなど感染症による発熱やノドの腫れは、ばい菌を殺菌駆除するための自然な防御システムです。これを薬で無理に抑えれば、かえって病気そのものの治りを遅らせてしまうことさえあります。とくにインフルエンザなどウイルス性の病気では、むやみに熱を下げればよいというものではありません。
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効能 |
感冒の解熱、関節リウマチ、リウマチ熱、強直性脊椎炎、変形性関節症、結合織炎、関節痛、腰痛症、症候性神経痛。 |
用法 |
通常成人1回2〜3錠を1日3〜4回経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
もっとも多い副作用は胃腸症状です。重症化することはまれですが、胃潰瘍など消化性潰瘍にも念のため注意が必要です。とくに高齢の人、あるいは服用が長期になるときは気をつけてください。
人によっては発疹ができたり、喘息発作を起こすおそれがあります。アレルギー体質の人や、もともと喘息のある人は注意してください。
そのほか、腎臓や肝臓の働きが悪くなってくることがあります。リウマチなどで長期に服用する場合は、定期的に肝機能や腎臓の検査、また胃の検診を受けるとよいでしょう。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- アナフィラキシー・ショック..じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、冷汗、顔が白くなる、手足のしびれ、脈が弱い、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
- 重い出血(消化管出血、肺出血、脳出血、眼底出血)..出血傾向、血便(赤〜黒いタール状便)、吐血、血痰、息苦しい、頭痛、めまい、吐き気・吐く、片側の麻痺、うまく話せない、意識が薄れる。
- 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
- 喘息発作の誘発..咳き込む、ぜいぜい息をする、息をするときヒューヒュー音がする、息切れ、呼吸しにくい。
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
- 消化管潰瘍・胃腸出血..胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、吐血(コーヒー色のものを吐く)、下血(血液便、黒いタール状の便)。
 【その他】
- 胃痛・腹痛、吐き気、吐く、食欲不振。
- 発疹、じんま疹。
- むくみ、肝臓や腎臓の働きが落ちる。
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