概説 |
片頭痛の痛みをとるお薬です。頭痛発現時に用います。 |
作用 | 片頭痛は慢性頭痛のひとつです。頭の血管が拡張し、ズキンズキンと脈打つような頭痛が起こります。吐き気や嘔吐を伴うことも多いです。人によっては、発作の前に目がチカチカするなど特異な前兆が現れます。
このお薬は、片頭痛の急性期治療薬です。主成分のエルゴタミンは、発作時に血管が拡張してくるのを抑えることで効果を発揮します。カフェインは、その作用を補強するのに配合されています。頭痛発現時に早期服用すると効果的です。 |
特徴 |
- エルゴタミン系の片頭痛治療薬です。ライ麦に寄生する麦角というカビ成分に由来します(麦角製剤)。古くから片頭痛の特効薬として用いられてきましたが、最近はトリプタン系新薬に処方がうつり、昔ほど使われなくなりました。
- 発作の初期段階において効果が高いのが特徴です。頭痛後期で、痛みがひどくなってから飲んでもあまり効きません。したがって、頭痛発現時、もしくはその前ぶれ症状が現れたときに直ちに頓服するようにします。予防目的の長期使用は原則的におこないません。
- 片頭痛のほか、群発頭痛にも応用されます。
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注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 他の薬と相互作用を起こしやすい性質があります。別の薬を飲んでいる場合は、必ず医師に報告してください。
- 妊娠中の人は、必ず医師に伝えてください。
 【注意する人】
- 病気によっては症状を悪化させるおそれがあります。高血圧、心臓病、血管の病気、緑内障、また肝臓や腎臓の悪い人など、症状によっては使用できません。
- 妊婦中は使用してはいけません。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- トリプタン系の片頭痛治療薬と併用すると、血圧が上がったり、血管収縮などの副作用がでやすくなります。最低でも24時間以上間隔をあける必要があります。そのほかにも、エイズの薬、抗生物質、抗真菌薬など、併用により副作用が強まる薬があります。飲み合わせには十分注意してください。
- 飲み合わせの悪い薬..トリプタン系片頭痛治療薬(イミグラン、ゾーミッグ、レルパックス、マクサルト、アマージ)、他の麦角アルカロイド製剤(ジヒデルゴット、メテルギン等)、HIVプロテアーゼ阻害薬(ノービア等)、エファビレンツ(ストックリン)、デラビルジン(レスクリプター)、マクロライド系抗生物質(エリスロシン、ジョサマイシン、クラリシッド、ルリッド等)、アゾール系抗真菌薬(イトリゾール、フロリード、ジフルカン等)
- 飲み合わせに注意..プロプラノロール(インデラル)
- 喫煙..血管収縮や動悸などの副作用を強めますから、喫煙は控えでください。
 【使用にあたり】
- ふつう、頭痛発現時にだけ頓服します。目のチカチカ感など前ぶれを感じたとき、あるいは頭痛が始まったらすぐに飲んでください。発作初期に用いると効果的です。
- 決められた用法用量の範囲内で使用してください。1日6錠までが限度です。飲み過ぎると、いろいろな副作用がでやすくなります。
- 効果のないときは、医師と相談してください。頭痛のタイプを再確認してもらうとよいでしょう。

- 【妊娠授乳】

- おなかの赤ちゃんの血流を悪くしたり、流産の原因にもなりかねません。妊娠中は飲まないでください。授乳中も控えます。
 【食生活】
- めまいを起こすことがあります。車の運転、危険な仕事、高所での作業には十分注意してください。
- 汗が出にくくなるので、高温の場所での作業、激しい運動、また夏の暑さに注意してください。
- 過労を避け、規則正しい生活を守りましょう。
- 飲酒、とくに赤ワインは控えてください。また、チョコレート、コーヒー、チーズ類も発作の引き金になることがあります。これらも、ほどほどにしておきましょう。
- 頭痛発現時は運動や入浴は避け、できるだけ安静にしていましょう。
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効能 |

- 【適用】

- 片頭痛

- 【応用】

- 群発頭痛
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用法 |

- 【用法】

- 最初の症候があらわれたとき、直ちに通常成人1〜2錠を経口服用する。30分以内に効果が認められない場合には、更に1錠を追加服用する。なお、必要があれば1日6錠までの範囲で適宜追加服用する。

- 【注意】

- 原則として、成人の1日の最大服用量は6錠、1週間の最大服用量は10錠を超えないこと。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
頓服薬として正しく用いていれば、副作用の心配はそれほどありません。人によっては、服用後に吐き気がしたり、寝つきが悪くなることがありますが、たいていは一過性です。もし、動悸がひどくなるようでしたら、医師に連絡してください。
大量の服用、もしくは長期に多めの量を飲み続けていると、血管収縮作用による血流障害を起こすことがあります。手足の先がしびれて痛んだり、チアノーゼを起こし血の気がなくなったりします(麦角中毒)。また、急な中止により、反発的な激しい頭痛を生じることがあります(ergotamine-induced-headache)。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 麦角中毒(血管攣縮、動脈内膜炎、チアノーゼ、壊疽、腎障害、脳障害)..手足の冷えやしびれ、ピリピリ痛む、指先や唇が青紫、体の血の気がなくなる(蒼白)、尿が少ない、意識がうすれる、体のまひ。
- 反発的な頭痛..長期連用中の急な中止時に生じる反発的な強い頭痛、不安感、イライラ、ふるえ、吐き気。
- 狭心症、心筋梗塞..胸の痛み・違和感・圧迫感、冷汗、締め付けられるような胸の痛み。
- 線維症(胸膜、後腹膜、心臓弁)..胸や背中の痛み、咳、息苦しい、息切れ、むくみ。
 【その他】
- 吐き気、吐く、下痢、口の渇き
- 不眠、めまい、動悸、汗が出にくい
- 手足の冷え、しびれ感、足のむくみ
- 発疹、かゆみ
- 薬に頼りがちになる、やめにくくなる
- 連用により効き目が悪くなる
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