おくすり110番
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成分(一般名) レボドパ・カルビドパ・エンタカポン
製品例 スタレボ配合錠L50~L100 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 抗パーキンソン剤/配合剤/抗パーキンソン剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 パーキンソン病のお薬です。日内変動を改善し、病状を安定させるのに用います。
作用

【働き】

パーキンソン病では、脳内の運動にかかわる神経伝達物質‘ドパミン’が不足しています。このため、体の動きが悪くなり、手足のふるえ、こわばり、動作緩慢、さらにには歩行困難といった運動障害があらわれます。

このお薬には、3つの成分が含まれています。一つは主要成分のレボドパです。レボドパはドパミンの前駆物質で、脳内でドパミンに変化し運動神経を活性化させることにより体の動きをよくします。

あと二つは、レボドパの効力を高めるカルビドパとエンタカポンです。これらは、脳に入る前のレボドパの分解をおさえ、レボドパの脳内移行量を増やします。そのぶんレボドパの作用時間が長くなり、より安定した効果が得られるのです。

適応となるのは、従来品のレボドパ・カルビドパ配合錠(メネシット、ネオドパストン)の治療効果が低下し、日内変動がみられる場合です。すなわち、効いている時間が短くなり、次の服薬前に症状があらわれてしまう状態、専門的にいうウェアリング・オフ(wearing-off)現象を改善するために用いられます。

【薬理】

レボドパはドパミンの前駆物質です。ドパミンは脳内に移行しないため、化学的に手を加え血液脳関門を通過する薬剤としてレボドパが開発されました。脳内に移行したレボドパは、酵素により代謝されドパミンとしてふるまいます。内因性ドパミンを補う補充療法になります。

レボドパは、脳に入る前に体のあちこちで代謝を受け その多くが分解されてしまいます。カルビドパとエンタカポンの役目は、レボドパを代謝する2つの酵素(DC、COMT)を阻害し、レボドパの脳内移行量を増やすことです。カルビドパはドパ脱炭酸酵素(DC)を阻害し、エンタカポンはカテコール-O-メチル基転移酵素(COMT)を阻害します。

【臨床試験】

従来品のレボドパ・カルビドパの効き目が悪くなりウェアリング・オフ現象があらわれている患者さんを対象に、エンタカポンの併用効果を調べる試験が行われています。その結果、エンタカポンを併用することによりレボドパの血中半減期が1.3倍延びることが分かりました。また、体がよく動く時間(ON時間)については、プラセボ(にせ薬)を飲んだ人達の1日平均0.5時間延長に対し、エンタカポンでは1.4時間延長しました。レボドパ・カルビドパ・エンタカポンの3剤併用により、ウェアリング・オフ現象が改善されることが確かめられたわけです。
特徴
  • 基本薬のレボドパに、その効力を増強させる2成分を加えた新たなレボドパ配合剤です。以前から標準的に用いられているレボドパ・DCI配合剤(レボドパ・カルビドパ)に、さらにCOMT阻害薬のエンタカポンを加えたものです。レボドパの脳内移行量がいっそう増加するので、レボドパ単剤またはレボドパ・DCI配合剤に比べ薬効持続時間が延長し より安定した効果が得られます。
  • 初めから使いません。処方対象は、レボドパ・DCI配合剤だけでは日内変動に対応できない場合、またはレボドパ・DCI配合剤とエンタカポンによる併用療法をすでにおこなっている場合です。レボドパ・DCI配合剤からの変更においては、1日総レボドパ量が600mg以下、ジスキネジー(不随意運動)がないことも条件です。なお、レボドパ・DCI配合剤としては、レボドパ・カルビドパ配合剤(メネシット、ネオドパストン等)を前提とします。別のレボドパ・ベンセラジド配合剤(イーシー・ドパール、マドパー、ネオドパゾール)からの変更は推奨されません。
  • 服薬錠数を減らせるのもメリットです。従来のようにレボドパ・DCI配合剤(メネシット、ネオドパストン等)とCOMT阻害薬(コムタン)を別々に飲む必要がありません。患者さんの服薬管理が楽になり、服薬時の負担も軽減できます。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。病気によっては症状を悪化させるおそれがあります。
  • 別に薬を飲んでいる場合は、医師に伝えておきましょう。
  • ご家族をふくめ、注意事項や副作用について十分説明を受けてください。突発的睡眠や衝動制御障害についてもよく聞いておきましょう。

【注意する人】

悪性症候群または横紋筋融解症を併発している場合、あるいはそれらの既往歴のある人は使用できません。閉塞隅角緑内障がある人も禁止です。

  • 適さないケース..悪性症候群・横紋筋融解症(既往歴を含む)、閉塞隅角緑内障。
  • 注意が必要なケース..肝臓病、腎臓病、褐色細胞腫、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、重い心臓病、喘息など呼吸器系の病気、内分泌系疾患、糖尿病、慢性開放隅角緑内障、精神症状のある人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

カテコールアミン系のアドレナリンやイソプレナリンの作用を増強させる可能性があります。吸入用とする場合を含め、併用する場合は血圧変動、心拍数増加、不整脈の発現に注意が必要です。また、降圧薬との併用により、立ちくらみが起きやすくなるかもしれません。

ハロペリドール(セレネース)などある種の安定剤は、この薬の効力を弱めてしまうおそれがあります。逆に、抗認知症薬のメマンチン(メマリー)は、この薬の作用を増強する可能性があります。貧血の薬の鉄剤と併用する場合は、少なくとも2〜3時間以上あけて服用してください。

  • 飲み合わせに注意..アドレナリン(ボスミン)、イソプレナリン(プロタノール、アスプール、ストメリン、イソメニール等)、セレギリン(エフピー)、ワルファリン(ワーファリン)、イストラデフィリン(ノウリアスト)、高血圧の薬、安定剤(フェノチアジン系、ブチロフェノン系など)、メマンチン(メマリー)、鉄剤、イソニアジド、テトラベナジン(コレアジン)、レセルピン製剤(ベハイドRA)など。

【使用にあたり】
  • 用量・用量は、症状や体質で違います。症状が安定するように、1回服用量、服用回数、服用間隔が調節されますから、医師の指示どおりにしてください。肝臓病がある人や体重40kg未満の人は、少な目で始めることがあります。
  • 通常、1回服用量は1錠または2錠です。服用回数は、日内変動の程度により多めになることがあります。ただし、1日に8回を超えないようにします。
  • レボドパ製剤は、パーキンソン病の初期症状によく効きますが、病気そのものを治すことはできません。ドパミンを補う補充療法になりますので、長期間(生涯)続ける必要があります。
  • 自分の判断で飲むのをやめてはいけません。突然やめると、急激に症状が悪化したり、悪性症候群など思わぬ副作用があらわれるおそれがあります。

【食生活】
  • 手足が勝手に動くなど、不自然な動きをしたり、落ち着きなくいつも動いているといった症状があらわれたら、医師と相談してください。
  • 眠気やめまいを起こしやすいです。まれですが、前兆のない突発的な睡眠発作も報告されています。車の運転をふくめ危険を伴う機械の操作や高所作業は避けてください。
  • 急に立ち上がると、強い立ちくらみを起こすおそれがあります。急な動きはしないで、ゆっくり動作するようにしましょう。とくに飲み始めに注意してください。
  • 衝動が抑制できない衝動制御障害が報告されています。ギャンブルを繰り返す病的賭博、無駄な買物をしてしまう強迫性購買、暴飲暴食、性欲亢進など、自制心に欠ける行動が気になるときは医師と相談してください。

【備考】
  • 症状を完全に押さえ込むというより、長い目でみて7〜8割で良しとする考え方が大勢です。よく効くからとレボドパ製剤を早期から大量に使うと、将来的にかえって病気のコントロールが難しくなるおそれがあるのです。このため、症状の軽いうちは使わないか、ドパミン作動薬など他の治療薬と併用してできるだけ少量にとどめるようにします。ただし、仕事で症状を確実におさえたい場合など、初めからレボドパを用いることがあります。また、発症年齢が高ければ早期からレボドパが処方されるものです。
  • レボドパの長期服用時の問題点は効き目にムラがでることです。効きすぎて勝手に動いてしまう「不随意運動(dyskinesia、dyskinesie)」、逆に作用時間が短くなり 次の服薬前に薬効が切れ動けなくなる「ウェアリング・オフ(wearing-off)現象」、服薬時間とは無関係に 急激な軽快と増悪を繰り返すのが「オン・オフ(on-off)現象」です。このような運動合併症や日内変動に対しては、用法・用量の調節と多剤併用療法で対処します。ウェアリング・オフには、ドパミン作動薬、エンタカポン(コムタン)、セレギリン(エフピー)、ゾニサミド(トレリーフ)またはイストラデフィリン(ノウリアスト)などとの併用が有効です。スタレボ配合錠(この薬)には、はじめからエンタカポンが配合されています。
効能 パーキンソン病〔レボドパ・カルビドパ投与において症状の日内変動(wearing-off現象)が認められる場合〕
  • 注意1:原則として、本剤はレボドパ・カルビドパとエンタカポンの併用投与を行っている患者に対し、既存治療に替えて使用する。
  • 注意2:レボドパ・カルビドパ投与による治療(少なくともレボドパとして1日300mg)においてwearing-off現象が認められる患者への本剤の使用は、1日総レボドパ量が600mg以下であり、ジスキネジーを有しない場合とし、エンタカポンの併用よりも本剤の投与が適切であるか慎重に判断すること。
用法

【用法】

成人は、レボドパ・カルビドパ・エンタカポンとして1回50mg/5mg/100mg〜200mg/20mg/200mgの間で1回1又は2錠を経口服用する。

なお、症状により用量及び服用回数を調節するが、1日総レボドパ量として1,500mg、総カルビドパ量として150mg、総エンタカポン量として1,600mgを超えないこと。また、服用回数は1日8回を超えないこと。

  • 配合錠L50:レボドパ50mg・カルビドパ5mg・エンタカポン100mg
  • 配合錠L100:レボドパ100mg・カルビドパ10mg・エンタカポン100mg

【注意】
<既存治療から本剤への切り替え>
  • (1)レボドパ・カルビドパとエンタカポンの併用投与が行われている場合

    本剤投与へ切り替える際の1回レボドパ用量及びエンタカポン用量は、既存治療における各々の用量と一致させること。本剤2錠への切り替えは、既存治療において1回エンタカポン用量が200mgであり、レボドパ用量が一致する場合にのみ行うこと。

  • (2)レボドパ・カルビドパの投与が行われ、エンタカポンは併用されていない場合

    1)エンタカポンはレボドパの生物学的利用率を高めるため、エンタカポンが併用されていない患者では、本剤の投与開始によりレボドパによるドパミン作動性の副作用(ジスキネジー等)があらわれる場合がある。このため、本剤の投与開始時には患者の状態を十分観察し、ドパミン作動性の副作用がみられた場合は、本剤の用量を調節する又は切り替え前の治療に戻すなど適切な処置を行うこと。

    2)本剤投与へ切り替える際の1回レボドパ用量は、既存治療における用量と一致させること。エンタカポンの通常用量は1回100mgであることから、必ず本剤1回1錠へ切り替えること。
<本剤による治療中>
  • (1)用量の調節が必要な場合には、1回用量を調節するほか、投与間隔や投与回数の変更及び必要に応じてレボドパ製剤とエンタカポンの併用による調節も考慮すること。レボドパ製剤又はエンタカポン単剤を追加する必要がある場合には、本剤との組合せによる治療が適切であるか慎重に検討すること。
  • (2)本剤に他のレボドパ製剤を追加する場合でも、1日総レボドパ量は1,500mgを超えないこと。
  • (3)エンタカポンの1回最大用量は200mgであり、1回あたり本剤2錠を超えて投与しないこと。また、本剤1錠にエンタカポン単剤を追加する場合にもエンタカポンとしての投与量は1回200mgまでとし、1日総エンタカポン量は1,600mgを超えないこと。
  • (4)1回エンタカポン用量を200mgに増量した場合、ジスキネジー等が発現することがあるので、1回200mgへの増量は慎重に検討すること。また、増量した際は観察を十分に行い、これらの症状が発現した場合には症状の程度に応じて1回エンタカポン用量を減量するなど適切な処置を行うこと。
  • (5)肝障害のある患者では、エンタカポンの血中濃度が上昇したとの報告があるので、やむを得ず1回エンタカポン用量を200mgに増量する場合には、観察を十分に行いながら特に慎重に投与すること。
  • (6)体重40kg未満の低体重の患者では、エンタカポンを1回200mg投与した場合、ジスキネジーの発現が増加することがあるので、エンタカポンの1回200mgへの増量は慎重に検討すること。
<本剤中止時>

本剤からエンタカポンを併用しないレボドパ・カルビドパによる治療に切り替える場合には、パーキンソン病症状が十分にコントロールされるよう、必要に応じてレボドパ増量等も考慮すること。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用で比較的多いのは吐き気や嘔吐、食欲不振、便秘などの消化器症状です。吐き気止めまたは便秘薬で対処できますので、つらいときは医師と相談してください。吐き気は続けているうちに軽くなることもあります。ほかにも、めまい、立ちくらみ、動悸、赤褐色の着色尿などがみられます。赤褐色の尿の色は薬の代謝物によるものなので心配いりません。ただし、筋肉痛を伴なう場合は医師に連絡してください。

効きすぎによる運動合併症状もでやすいです。ジスキネジア(ジスキネジー)といって手足や首、顔面などが意志とは関係なく勝手に動いて困ります。このような不随意運動は、薬の効き目が強まる時間帯に発現しやすいです。逆に、薬の効き目が落ちると、首が下がったままになったり、手足がつっぱったりして動きが悪くなります。運動合併症は、用法・用量の調整もしくは治療薬を見直すことで改善できますので、そのような症状があれば医師に話してください。

精神症状として、気分の変調や幻視・幻覚、妄想、不眠あるいは眠気などがみられます。幻視では、たとえば不快な虫が見えたりします。また、まれなケースですが、前兆のない突発的睡眠を起こす可能性があります。さらに最近、衝動制御障害が報告されています。ギャンブルを繰り返すなど度をこした行動が気になるときは医師と相談してください。

めったにありませんが、重い副作用として“悪性症候群”が知られています。とくに、薬剤の中止時や急激な減量時に要注意です。自分だけの判断で急に薬を止めてしまうのも非常に危険です。万一、高熱、ひどい汗、頻脈、体のこわばり、ふるえ、筋肉痛、精神変調、意識の低下などが現れたら、直ちに医師に連絡してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 悪性症候群(Syndrome malin)..動かず黙り込む、体の硬直、飲み込めない、急激な体温上昇、発汗、頻脈、ふるえ、精神変調、意識障害。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・こわばり、脱力、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
  • 突発的睡眠..前兆なく突然に眠ってしまう。
  • 幻覚、妄想、錯乱..本当ではない声や音が聞こえる、実際にいない虫や動物・人が見える、誤った思い込み、非現実な体験、興奮・混乱、取り乱す。
  • 抑うつ..憂うつ、気分が落ち込む、やる気がでない、考えがまとまらない、悲観的、不安感、不眠。
  • 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 消化管潰瘍..胃痛、腹痛、下血(黒いタール状の血液便)、吐血(コーヒー色のものを吐く)。
  • 溶血性貧血、血小板減少..息切れ、動悸、黄疸、鼻血、歯肉出血、皮下出血。
  • 緑内障..目が痛い、充血、見えにくい、かすむ、光の回りに虹の輪、頭痛、吐き気。

【その他】
  • 不随意運動..手足や体が勝手に動く、同じ動作を繰り返す、首がつっぱる、口周辺がひきつる、口をすぼめたりモグモグさせる、舌の異常運動。
  • 吐き気、食欲不振、便秘、口の乾き
  • 不安、焦燥感、興奮、不眠、眠気、悪夢、妄想
  • 衝動制御障害(病的賭博、強迫性購買、暴飲暴食、性欲亢進)、ドパミン調節障害症候群(レボドパを過剰に求める)
  • 立ちくらみ、血圧低下、動悸
  • 尿、汗、唾液、痰が赤褐色〜黒色に着色(薬の代謝物による)
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye