概説 |
精神活動をよくするお薬です。うつ病やナルコレプシー(過眠症)の治療に用います。 |
作用 | 脳の神経を活性化させ、精神活動を高めます。ふつう、うつ病に対し 他の抗うつ薬の効き目が悪いときに用います。また、ナルコレプシー(病的過眠症・睡眠発作)の治療にも使います。 |
注意 |
【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。病気によっては症状を悪化させるおそれがあります。
- 別に薬を飲んでいる場合は、医師に伝えておきましょう。
- 【注意する人】
- 強い不安や緊張感、興奮状態にある人には向きません。かえって病状を悪化させるおそれがあります。閉塞隅角緑内障のある人も禁止されています。眼圧を上昇させるおそれがあるためです。そのほか、甲状腺機能亢進症、心臓病、てんかん、高血圧症の人も使用できないことがあります。
- 適さないケース..過度の不安・緊張・興奮状態にある人、甲状腺機能亢進症、心臓病(不整脈、狭心症)、重い肝臓病、閉塞隅角緑内障、てんかんのある人など。
- 注意が必要なケース..肝臓や腎臓の悪い人、高血圧症の人、開放隅角緑内障のある人など。
- 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 昇圧剤など飲み合わせに注意する薬があります。服用中の薬は医師に報告しておいてください。
- 飲み合わせに注意..昇圧剤(メトリジン、リズミック、ドプスなど)、MAO阻害薬(エフピー錠)など。
- 飲酒は控えてください。精神的な副作用がでやすくなります。
【使用にあたり】
- 決められた飲み方を必ずお守りください。
- 夕刻以後の服用は原則として避けてください。夜に飲むと、眠れなくなってしまいます。
- 長期服用中に、急に飲むのを中止すると反動で重い症状を起こすおそれがあります。中止する際は、医師の判断で徐々に減量しなければなりません。
- 【検査】
- 定期的に肝機能検査を受ける必要があります。
【食生活】
- 服用後15〜30分で、一時的に眠気を生じることがあるかもしれません。また、緊張感や慎重さが欠如し、注意集中力が低下することもあります。車の運転、危険な仕事、高所での作業には十分注意してください。
- 口が乾いて不快なときは、冷たい水で口をすすいだり、小さな氷を口に含むとよいでしょう。
- 唾液の分泌が減り、虫歯になりやすくなります。歯磨きをよくしてください。
- この薬は目先の症状によく効きますが、うつ病の原因そのものは治せません。落ち着いてきたら、生活や職場の環境調整、さらに認知療法などを合わせておこなうとよいでしょう。今はつらいかもしれませんが、あせらずに、ゆっくりと治療なさってください。
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効能 |
【10mg】
- 軽症うつ病、抑うつ神経症。
- 次の疾患に伴う睡眠発作、傾眠傾向、精神的弛緩の改善//ナルコレプシー、ナルコレプシーの近縁傾眠疾患。
【25mg、50mg】
- 次の疾患に伴う睡眠発作、傾眠傾向、精神的弛緩の改善//ナルコレプシー、ナルコレプシーの近縁傾眠疾患。
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用法 |
【10mg】
- 軽症うつ病、抑うつ神経症にはペモリンとして通常成人1日10〜30mgを朝食後経口服用する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
- ナルコレプシー、ナルコレプシーの近縁傾眠疾患にはペモリンとして通常成人1日20〜200mgを朝食後、昼食後の2回に分割経口服用する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
【25mg、50mg】
- ナルコレプシー、ナルコレプシーの近縁傾眠疾患にはペモリンとして通常成人1日20〜200mgを朝食後、昼食後の2回に分割経口服用する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用でわりと多いのは、口の渇き、食欲不振、吐き気、便秘、不眠、頭痛、動悸などです。これらは、それほど心配いりませんが、ひどいときは早めに受診してください。
重い副作用として、念のため注意が必要なのが肝障害です。万一のことですが、服用中は定期的に血液検査をおこない、肝臓に異常がないか調べてもらいましょう。
むやみに量を増やしますと、薬に頼りがちになり、やめにくくなってしまいます。決められた用量をきちんと守ることが大切です。また、定期服用中に急にやめると反発的な重い症状が出るおそれがあります。自分だけの判断で止めないで、医師の管理のもと徐々に減量すれば大丈夫です。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
- 依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある(徐々に減量すれば大丈夫)。
【その他】
- 口の渇き、食欲不振、便秘。
- 不眠、頭痛、注意集中困難、神経過敏、一時的な眠気。
- 動悸、発汗。
- 不安、興奮、幻覚、妄想。
- 長期連用で効き目が悪くなる。
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