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成分(一般名) フルボキサミン マレイン酸塩
製品例 ルボックス錠25~50~75、デプロメール錠25~50~75 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 神経系用剤(含む別用途)/抗うつ剤(SSRI)/選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 憂うつな気分をやわらげ、意欲を高めるお薬です。うつ病やうつ状態、強迫性障害、社会不安障害の治療に用います。
作用

【働き】

気分が晴れずに落ち込んだり、悲観的になったり、やる気がでない、集中できない、眠れない・・そんなこじれた心の症状を改善し、気持ちが前向きになるのを助けます。また、不安や緊張した気分をほぐして、気持ちを楽にします。うつ病のほか、いろいろな心の不具合に応用されます。

【薬理】

セロトニンは、気分にかかわる神経伝達物質です。このお薬は、セロトニンを再取り込みするセロトニントランスポーターの働きを阻害します。これにより、脳内シナプス間隙のセロトニン濃度が高まり、神経の伝達がよくなります。結果として、うつ状態が改善され、気分が楽になると考えられます。セロトニントランスポーターにだけ結合し、その他の受容体にはほとんど作用しないので、抗うつ薬特有の副作用も少ないです。このような作用特性から、「選択的セロトニン再取込阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)」と呼ばれ、SSRIと略称されています。

【臨床試験】
  • うつ病を対象に、従来の三環系抗うつ薬のアミトリプチリンを対照薬とした二重盲検比較試験がおこなわれています。改善率(中等度改善以上)は、この薬を飲んでいた人で55%(57人/104人)、アミトリプチリンで54%(59人/110人)で差はありませんでした。副作用発現率は、それぞれ51%、58%で、この薬のほうが少ない傾向がありました(統計学的に有意差は認められない)。口の渇きの副作用に限ると14%対29%となり、この薬のほうが少ないことが示されました。
  • 強迫性障害については、プラセボ(にせ薬)を対照とした二重盲検比較試験がおこなわれています。改善率(中等度改善以上)は、この薬で49%(17人/35人)、プラセボで18%(6人/33人)でした。
特徴
  • 国内初の選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)。セロトニン系の神経にだけ選択的に働くのが特徴です。この特性により、従来の抗うつ薬に多い口の乾きや便秘、心毒性などの副作用が軽減されます。従来品とは違う新しいタイプなので、第3世代の抗うつ薬とされます。うつ病の主要薬として広く処方されるようになりました。
  • 抗うつ作用のほか、抗不安作用をあわせ持ちます。そのため、うつ病に加え、強迫性障害と社会不安障害にも適応します。同系のなかでは、比較的マイルドで、安全性の高い薬剤です。性機能異常や退薬症状も少ないとされます。なお、欧米では小児強迫性障害に対する適応も認められています。
  • まれな例ですが、人によっては精神的変調をきたすとの報告があります。衝動的になったり攻撃性があらわれ、かえって悪い結果をまねくおそれがあるのです。また、退薬症状(離脱症状)を起こすことがあるので、中止のさいは徐々に減量するなど注意が必要です。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。病気によっては症状を悪化させるおそれがあります。
  • 飲み合わせの悪い薬があります。2週間前から今現在までに飲んでいた薬を、医師に報告しておいてください。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人は、医師に申し出てください。
  • 服用後の注意事項や副作用について、ご本人、できたらご家族も含め、事前によく説明を受けておきましょう。

【注意する人】

肝臓や腎臓の悪い人、躁うつ病、躁病の既往歴のある人、出血性疾患、てんかん、緑内障、心臓病のある人などは、病状の悪化に注意するなど慎重に用いるようにします。とくに躁うつ病においては、逆効果になることがありますので、一般的なうつ病との見極めが重要です。

子供での有効性は未確認なうえ、有益性を否定する報告もあります(小児強迫性障害に対する臨床試験が開始されています)。子供への処方は最後の選択肢とし、優先すべきは心理社会的支援や環境調整です。また、若い人に用いる場合は、治療上の不利益について考慮する必要があります。症状によっては処方を控えなければなりません。複数の抗うつ薬の臨床試験を分析したところ、24歳以下では かえって悪い衝動を引き起こすおそれがあるとの報告があるためです。

高齢の人ではそのようなリスクが少ない反面、薬の代謝が遅れ血中濃度が上がりがち。眠気や出血傾向などの副作用もでやすいです。そのため、少量で開始し慎重に増量するなど、服用量については特段の配慮が必要です。

  • 注意が必要なケース..肝臓病、腎臓病、躁うつ病、躁病の既往歴、脳の器質的障害、統合失調症の素因、衝動性が高い精神症状をともなう人、てんかん、緑内障、心臓病、出血性疾患、妊娠中、子供、24歳以下、高齢、いのちを絶ちたいという思いのある人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

パーキンソン病の治療に用いるセレギリン(エフピー)との併用は禁止されており、一定期間の間隔をあける必要があります。両方の作用がだぶり「セロトニン症候群」という重い副作用を起こすおそれがあるためです。また、安定剤のピモジド(オーラップ)と飲み合わせると、重い不整脈を起こす危険性があります。さらに、筋緊張緩和薬のチザニジン(テルネリン)との併用により、血圧がひどく低下するとの報告があるので、これらについても禁止です。ほかにも飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。今現在、および最近まで飲んでいた薬を必ず医師に伝えてください。

  • 飲み合わせの悪い薬..セレギリン(エフピー)、ピモジド(オーラップ)、チザニジン(テルネリン)、ラメルテオン(ロゼレム)。
  • 飲み合わせに注意..炭酸リチウム(リーマス)、トリプタン系片頭痛治療薬(イミグラン等)、L-トリプトファン含有製剤(アミノ酸製剤、経腸成分栄養剤等)、トラマドール(トラマール)、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、安定剤、三環系抗うつ剤、β遮断剤、テオフィリン(テオドール)、フェニトイン、シクロスポリン、ワルファリン、メキシレチン(メキシチール)、シルデナフィル(バイアグラ、レバチオ)、ゾルピデム(マイスリー)、出血傾向が増強する薬剤など。
  • アルコールといっしょに飲むと副作用がでやすくなります。飲酒はできるだけ控えましょう。

【使用にあたり】
  • 服用量は個人差が大きいです。ふつう、少量より開始し、よい効果のでる量まで徐々に増やしていきます。とくに、肝臓や腎臓の悪い人、若い人、高齢の人は慎重に増量します。なお、よく効いてくるまでに、2〜3週間以上かかることがあります。
  • 飲み始めの吐き気は、たいてい2週間くらいで軽くなってきます。ひどいときは医師に相談してみてください。吐き気止めなどで対応可能です。
  • 飲み始めや増量時に、かえって気分が不安定になるときは、医師と連絡をとってください。できましたら、ご家族など付き添いの方も、行動の変化や不穏な行為に注意するなど、服用後の様子を注意深く見守りましょう。因果関係ははっきりしませんが、敵意や攻撃性、衝動性にもとづく事故や犯罪事例も報告されているようです。
  • 自分だけの判断でやめてはいけません。急に飲むのを中止すると反動で症状が悪化したり、体の具合が悪くなることがあります。中止する際は、医師の判断で徐々に減量しなければなりません。飲み忘れにも注意しましょう。
  • うつ病では、症状がよくなってからも、しばらく少量を続けることが多いです。いわゆる「揺りもどし」による再発を防ぐためです。症状や環境にもよりますが、半年〜2年くらいは続けることになると思います。再発を繰り返しているときは、更に長期の服用となります。指示された期間、続けるようにしてください。

【妊娠・授乳】

妊娠中は、治療上の有益性を十分考慮するなど、慎重に適用しなければなりません。もし、服用中に妊娠した場合には、継続の可否について医師とよく相談してください。自分だけの判断で急に止めてはいけません。

【食生活】
  • 眠くなったり、ボーッとすることがあります。車の運転や危険な作業は避けてください。
  • うつ病は、ストレスなど脳の疲れのサイン。まずは、がんばらないでゆっくり休養することが第一です。脳の疲れがとれてくれば、少しずつ良くなってきます。すぐに治らないからと悲観することはないでしょう。長引くことがあっても、いつかきっと時間が解決してくれると思います。
  • 抗うつ薬は、症状の回復を早めますが、うつ病の原因そのものは治せません。落ち着いてきたら、生活や職場の環境調整、さらに認知療法などを合わせておこなうとよいでしょう。今はつらいかもしれませんが、あせらずに、ゆっくりと治療なさってください。
効能

【適用】

うつ病及びうつ状態、強迫性障害、社会不安障害。

【応用】

摂食障害、過食嘔吐、月経前不快気分障害、パニック障害、外傷後ストレス障害など、いろいろな心の不具合に応用されることがあります。
用法 通常、成人はフルボキサミンマレイン酸塩として、1日50mgを初期用量とし、1日150mgまで増量し、1日2回に分割して経口服用する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 比較的安全性の高い抗うつ薬です。従来の薬に多くみられる口の乾きや便秘などの不快な副作用も少なくなっています。飲み始めの吐き気はたいてい2週間くらいで軽くなりますが、ひどいときは医師に相談して対策を考えてもらうとよいでしょう。その後の副作用はわりと少なく、長期の維持療法にも適します。

多くはありませんが、人によってはかえって神経過敏になり、不安感を生じたりイライラ・そわそわ落ち着かない気分になることがあります。さらに衝動的な行動につながるおそれもあるようです。このような精神的変調も服用開始時に多くみられる症状ですので、あまり心配せず医師とよく相談してください。

重い副作用は頻度的にほとんどありませんが、この系統(SSRI)の特異な副作用として「セロトニン症候群」があります。万一のことですが、念のため頭に入れておいたほうがよいでしょう。混乱状態、発汗、体のぴくつき、ふるえ、けいれん、発熱といった症状があらわれます。なにか普段と違う「おかしいな」と感じたら、すぐに医師に連絡してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • セロトニン症候群..落ち着かない、不安、興奮・混乱、体の震え・ぴくつき、発熱、発汗、頻脈、下痢。
  • 幻覚、せん妄、錯乱、けいれん..本当ではない声や音が聞こえる、実際にいない虫や動物・人が見える、非現実な体験、もうろう状態、混乱・興奮、取り乱す、けいれん
  • 意識障害..ボーッとする、もうろう状態、意識がなくなる。
  • 悪性症候群(Syndrome malin)..急激な体温上昇、筋肉のこわばり、体の硬直、飲み込みにくい、発汗、ふるえ、意識がはっきりしない。
  • ショック、アナフィラキシー様症状..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や歯肉出血など出血傾向。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)..だるい、のどが渇く、頭痛、吐き気、けいれん、意識もうろう、気を失う。

【その他】
  • 吐き気、食欲不振、口の渇き、便秘、下痢
  • 眠気、不安感、イライラ感、めまい、頭痛、だるい、ふるえ
  • 性機能異常、性欲低下
  • 尿が出にくい、動悸、目がまぶしい、出血傾向
  • 発疹、発赤、かゆみ
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用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye