おくすり110番
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成分(一般名) ブロナンセリン
製品例 ロナセン錠2mg~4mg~8mg、ロナセン散2% ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 神経系用剤(含む別用途)/非定型抗精神病薬(SDA)/抗精神病剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 心の不具合を調整し、気持ちをおだやかにするお薬です。心の病気の治療に用います。
作用

【働き-1】

気持ちの高ぶりや不安感をしずめるほか、停滞した心身の活動を改善する作用があります。そのような作用から、統合失調症にかぎらず、強い不安感や緊張感、抑うつ、そう状態などいろいろな精神症状に応用することがあります。

【働き-2】

心の病気の一つ「統合失調症」は、脳の情報伝達系に不調を生じる病気です。現実を正しく認識できなくなったり、思考や感情のコントロールが上手にできなくなります。幻聴など幻覚、妄想を生じることも多いです。

このお薬は、そのような脳内の情報伝達系の混乱を改善します。おもな作用は、ドーパミンとセロトニンという2つの神経伝達物質をおさえることです。2つをおさえることで、統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想、興奮)と陰性症状(無感情、意欲低下、自閉)の両方によい効果を発揮します。

統合失調症はめずらしくなく、100人に1人くらいかかる一般的な病気です。特別視することはありません。この薬をはじめ、よい薬がいろいろとあります。薬物療法を中心に きちんと治療を続ければ、普通の社会生活が送れます。

【薬理】

脳内のドパミン2(D2)受容体を遮断することで、ドーパミン神経系の機能亢進により起こる陽性症状をおさえます。また、セロトニン2(5-HT2)受容体を遮断することで、ドーパミン神経系の働きがよくなり、陰性症状が改善します。このような作用メカニズムからから、セロトニン・ドーパミン拮抗薬(SDA:Serotonin-Dopamine Antagonist)とか5-HT2/D2拮抗薬などと呼ばれています。
特徴
  • 抗セロトニン作用と抗ドーパミン作用をあわせもつ新しいタイプの非定型抗精神病薬(第2世代抗精神病薬)です。抗ドーパミン作用を主とする旧来の定型抗精神病薬に比べ、錐体外路系副作用が軽減され、また陽性症状に加え陰性症状に対してもよい効果が期待できます。
  • この薬の一つの特徴として、セロトニン受容体より、ドーパミン受容体に対する遮断作用が強い点があげられます。 また、脂溶性が高いため脳内に浸透しやすく、同系としては陽性症状にかなりよい効果を示します。統合失調症の急性増悪例においても改善効果が認められているようです。
  • 受容体選択性が高いため、錐体外路症状(ふるえ、こわばり)や、起立性低血圧(立ちくらみ)、高プロラクチン血症(生理不順、乳汁分泌)、体重増加などの副作用が比較的少ないです。
  • 小児適応を持つ日本初の非定型抗精神病薬です。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 他の薬と相互作用を起こしやすい性質があります。別に薬を飲んでいる場合は、必ず医師に伝えておきましょう。
  • 副作用について、ご本人、できたらご家族も含め、よく説明を受けておきましょう。

【注意する人】
  • 糖尿病のある人は、血糖値の上昇に注意するなど、慎重に用いる必要があります。糖尿病の既往歴や家族歴、高血糖や肥満などで糖尿病発症リスクの高い人も要注意です。
  • 肝臓の悪い人、心臓病、低血圧、パーキンソン病、レビー小体型認知症、てんかん、高齢の人、自分のいのちを絶ちたいという思いが強い人なども、慎重に使用するようにします。
  • 寝たきり、または手術後などで長時間体を動かせない人、脱水状態の人、あるいは肥満のある人は血栓塞栓症の発現に念のため注意が必要です。
  • 認知症関連の精神症状に対する同類薬の適応外使用例において、死亡率が1.6〜1.7倍高かったという研究報告があります。認知症における安易な使用は控えるべきでしょう。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

水虫などの治療に用いるアゾール系抗真菌や抗エイズウイルス薬のプロテアーゼ阻害薬とはいっしょに飲めません。この薬(ブロナンセリン)の血中濃度が著しく上昇し副作用が強まるおそれがあるためです。同じ理由で、エリスロマイシン(エリスロシン)などマクロライド系抗生物質も要注意です。降圧薬との併用では、めまいや立ちくらみが起こりやすくなります。アルコール類とグレープフルーツジュースはできるだけ控えましょう。

  • 飲み合わせの悪い薬..アドレナリン(ボスミン)、アゾール系抗真菌(イトリゾール、ブイフェンド、フロリード、ジフルカン等)、HIVプロテアーゼ阻害薬(ノービア、カレトラ、プリジスタ、レイアタッツ、レクシヴァ等)、コビシスタット(スタリビルド)、テラプレビル(テラビック)。
  • 飲み合わせに注意..安定剤、降圧薬、抗パーキンソン病薬(レボドパ製剤等)、マクロライド系抗生物質(エリスロシン、クラリス、クラリシッド等)、シクロスポリン(ネオーラル等)、ジルチアゼム(ヘルベッサー等)、抗てんかん薬(フェノバール、アレビアチン、テグレトール等)、リファンピシン(リファジン)、アルコール、グレープフルーツジュースなど。

【使用にあたり】
  • 指示された用法用量どおりに正しくお飲みください。少量より開始し、効果や副作用に注意しながら段階的に増量していくのが一般的です。すぐに効果がでなくても、決められた期間、きちんと続けることが大切です。
  • ふつう、1日2回食後に飲みます。空腹時は吸収がよくありませんので避けてください。
  • のどが異常に渇き、水をガブ飲みしてしまうときは、すぐに受診してください。血糖値が高くなっているかもしれません。
  • 急に飲むのを中止すると反動で具合が悪くなることがあります。自分だけの判断で、急に中止したり、飲む量を変えてはいけません。

【検査】

血糖値の測定を行うことがあります。

【食生活】

眠気がしたり、注意力や反射運動能力が低下することがあります。また、立ちくらみやめまいを起こすおそれがあります。車の運転など危険を伴う機械の操作、高所での危険な作業は避けましょう。
効能 統合失調症
  • 注意:本剤は、原則として12歳以上の患者に使用すること。
用法 通常、成人はブロナンセリンとして1回4mg、1日2回食後経口服用より開始し、徐々に増量する。維持量として1日8〜16mgを2回に分けて食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は24mgを超えないこと。

通常、小児はブロナンセリンとして1回2mg、1日2回食後経口服用より開始し、徐々に増量する。維持量として1日8〜16mgを2回に分けて食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は16mgを超えないこと。
  • [注意1]小児において増量する場合には、1週間以上の間隔をあけて行うこと。1週間未満で増量した場合の安全性は確立していない。(使用経験が少ない。)
  • [注意2]成人において、ブロナンセリン経皮吸収型製剤から本剤へ切り替える場合には、本剤の用法・用量に従って、1回4mg、1日2回食後経口投与より開始し、徐々に増量すること。本剤からブロナンセリン経皮吸収型製剤へ切り替える場合には、次の投与予定時刻に切り替え可能であるが、患者の状態を十分観察すること。切り替えに際しては、ブロナンセリン経皮吸収型製剤の「臨床成績」の項を参考に用量を選択すること。なお、本剤とブロナンセリン経皮吸収型製剤を同時期に投与することにより過量投与にならないよう注意すること。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 比較的多いのは、立ちくらみ、めまい、眠気、口の渇き、便秘、尿が出にくい、動悸、体重増加などです。とくに飲み始めの強い「立ちくらみ」には十分注意してください。女性では、高プロラクチン血症にともなう生理不順や乳汁分泌が現れることがあります。

従来の定型抗精神病薬に比べ、錐体外路系の副作用(下記)は少ないのですが、やはり服用量が多くなると、手のふるえ、こわばり、じっとできないといったパーキンソン病のような症状がでやすくなります。また、長期服用時は「遅発性ジスキネジア」にも注意が必要です。

そのほか、著しい高血糖による昏睡の報告があります。のどが異常に渇き水をガブ飲みしたり、多尿や頻尿があらわれたら、服薬をやめ直ちに受診してください。もともと血糖値が高めの人や太りぎみの人は、定期的に血糖値の検査を受けましょう。

めったにありませんが、抗精神病薬には「悪性症候群」という注意を要する副作用があります。体が硬直して動かなくなり、高熱がでてきたら、すぐに医師に連絡してください。とくに、高齢の人、体の弱っている人、薬の量を増やしたときなどに出現しやすいものです。ご家族や周囲の方も注意してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 悪性症候群(Syndrome malin)..動かず黙り込む、体の硬直、飲み込めない、急激な体温上昇、発汗、頻脈、ふるえ、精神変調、意識障害。
  • 遅発性ジスキネジア..頻回なまばたき、口の周辺がピクピクけいれん、口をすぼめる、口をモグモグさせる、舌のふるえ。
  • 麻痺性イレウス..食欲不振、吐き気、吐く、激しい腹痛、ひどい便秘、お腹がふくれる。
  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)..だるい、のどが渇く、頭痛、吐き気、けいれん、意識もうろう、気を失う。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・こわばり、脱力、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
  • 無顆粒球症..発熱、のどの痛み、口内炎、咳、だるい。
  • 静脈血栓症、肺塞栓症..手足(特にふくらはぎ)の痛み・はれ・むくみ・しびれ、爪の色が紫、突然の息切れ・息苦しい、深呼吸で胸が痛い、急な視力低下、視野が欠ける、目が痛む。
  • 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 高血糖、糖尿病性昏睡..異常にのどが渇く、多飲、多尿、食欲亢進、多食、脱力感、もうろう、意識がうすれる。

【その他】
  • 錐体外路症状..指や手足のふるえ、体のこわばり・つっぱり、ひきつけ、体が勝手に動く、じっとできない、そわそわ感、動作がにぶい、無表情、よだれが多い、目の異常運動(正面を向かない、上転)、舌のもつれ、うまく歩けない。
  • 眠気、不眠、頭痛、めまい
  • 吐き気、食欲不振、食欲亢進
  • 口が渇く、便秘、尿が出にくい、目のかすみ
  • 立ちくらみ、動悸、不整脈
  • 高プロラクチン血症、生理不順、乳汁分泌、男性の乳房がふくらむ
  • 体重増加、高血糖
  • 発疹
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye