おくすり110番
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成分(一般名) アトモキセチン塩酸塩
製品例 ストラテラカプセル5mg~10mg~25mg~40mg、ストラテラ内用液0.4% ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 神経系用剤(含む別用途)/その他/注意欠陥・多動性障害治療剤(選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 注意力を高め、落ち着きをとりもどすお薬です。注意欠陥・多動性障害(AD・HD)の治療に用います。
作用

【働き】

注意欠陥・多動性障害(AD・HD)は、学齢期の子供に多くみられる精神的な発達障害の一つです。集中力や注意力が欠如し、また多動性・衝動性が顕著にあらわれ、学校での集団生活や学業に支障となります。年とともによくなりますが、半数くらいは成人期にもなお持続します。

このお薬は、そのような注意欠陥・多動性障害に有効です。詳しい作用機序はよく分かっていませんが、脳の神経で働いている神経伝達物質のノルアドレナリンの増加が、集中力や注意力を高めるなど諸症状の改善に関係していると考えられています。

【薬理】

脳の前頭前野の神経終末にあるノルアドレナリントランスポーターを選択的に阻害し、ノルアドレナリンあるいはドパミンの再取り込みを阻止することで、これらの神経伝達物質の濃度を上昇させます。なお、線条体と依存形成にかかわる側座核ではドパミン濃度は上昇せず、依存・乱用につながる危険性は極めて低いとされます。

ノルアドレナリントランスポーターにだけ結合し、その他の受容体にはほとんど作用しないので、副作用も比較的少ないと考えられます。このような作用特性から、「選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(Selective NorAdrenalin Reuptake Inhibitors)」と呼ばれています。

なお、これをSNRIと略称できますが、別分類のセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬と混乱しますので、単にNRI(またはNSRI)とするか、あるいは後者をDMRI(Dual Monoamine Reuptake Inhibitors)として区別しようとの提言もあるようです。

【臨床試験-1】

注意欠陥・多動性障害をもつ子供を対象とした臨床試験がおこなわれています。58人はこの薬を少な目(1.2mg/kg)に、別の60人は多め目(1.8mg/kg)に服用し、また別の61人はプラセボ(にせ薬)を服用してもらい、それぞれの効果を比較する試験です。効果の判定は、学校生活での不注意や多動・衝動性に関する行動を18項目ごとに4段階(0点〜3点)で評価し、その合計点の変化量で比較します。

服薬2ヶ月後の試験結果は、この薬を少な目に飲んでいた子供達は平均11点低下(33点→22点)、多めに飲んでいた子供達は平均12点低下(32点→20点)、プラセボの子供達は8点低下(32点→24点)しました。期待ほどの差はでませんでしたが、この薬のほうが下げ幅が大きく、プラセボよりも症状が軽くなる傾向が示されたわけです(少な目の服用量では統計学的な有意差は認めらませんでした)。なお、海外の臨床試験ではもう少しよい結果がでているようです。

【臨床試験-2】

大人を対象とした別の臨床試験もおこなわれています。注意欠陥・多動性障害の患者さん386人を2つのグループに分け、この薬とプラセボ(にせ薬)の効果を比較する試験です。有効性の判定は、不注意や多動・衝動性に関する行動を各項目ごとに点数化し、その合計点の変化量で比較します。

その結果、この薬を飲んでいた191人は平均14点低下(33点→19点)したのに対し、プラセボを飲んでいた195人の下げ幅は9点(34点→25点)にとどまりました。この薬のほうが明らかに下げ幅が大きく、プラセボよりも症状が軽くなることが証明できたわけです。
特徴
  • メチルフェニデート(コンサータ)に続く、国内2番目の「注意欠陥・多動性障害治療薬」です。薬理作用からは「選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬」に分類されます。メチルフェニデートとは効き方が違うので、治療の選択肢がさらに広がると期待できます。
  • メチルフェニデートが中枢神経刺激薬であるのに対し、この薬はそれとは違う非中枢神経刺激薬になります。そのため、依存・乱用のリスクがほとんどなく、またメチルフェニデートで禁忌とされる過度の不安・緊張などの併存障害をもつ人にも使用可能です。副作用も比較的少ないです。
  • 速効性はありません。効き方はメチルフェニデートよりゆるやかです。服用開始2週間くらいから徐々に効き始め、6〜8週目で効果が安定してきます。そして、一日をとおし途切れることなく効果が持続します。
  • もともとは、6歳以上18歳未満を対象に小児用製剤として開発されましたが、2012年に適応が拡大され成人期においても使用できるようになりました。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。病気によっては症状を悪化させるおそれがあります。
  • 飲み合わせの悪い薬があります。2週間前から今現在までに飲んでいた薬を、医師に報告しておいてください。
  • 服用方法や注意事項、副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、納得のうえで治療にあたりましょう。

【注意する人】

重い心臓病や閉塞隅角緑内障のある人は使用できません。この薬の影響で症状が悪化するおそれがあるためです。肝機能が落ちている場合は、減量するなど服用量に配慮が必要です。そのほか、腎臓病、てんかん、高血圧、精神系疾患、排尿困難のある人なども、病状の悪化に注意するなど慎重に用いるようにします。

  • 適さないケース..重い心臓病、閉塞隅角緑内障。
  • 注意が必要なケース..肝臓病、腎臓病、心臓病、てんかん、高血圧、脳血管障害、精神系疾患、排尿困難のある人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • パーキンソン病の治療に用いるセレギリン(エフピー)との併用は禁止されており、一定期間の間隔をあける必要があります。両方の作用がだぶり「セロトニン症候群」という重い副作用を起こすおそれがあるためです。
  • 作用が重複するメチルフェニデート(コンサータ)あるいは抗うつ薬と飲み合わせると相互に作用が強まります。また、パロキセチン(パキシル)は、この薬の血中濃度を上昇させる可能性があります。
  • 喘息などに用いる気管支拡張薬(β刺激薬)と併用すると、動悸など心血管系の副作用が強まるおそれがあります。ほかにも、飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。今現在、および最近まで飲んでいた薬を必ず医師に伝えてください。

【使用にあたり】
  • 少量より開始し、1週間以上の間隔をあけて徐々に増やしていきます。とくに、肝臓の悪い人は慎重に増量する必要があります。よく効いてくるまでに1〜2ヶ月かかりますので、途中でやめず指示通りに続けましょう。
  • カプセルは多めの水でそのまま服用してください。カプセルを開けて飲んではいけません。
  • 液剤は決められた量を添付のピペットで正確にとり、原液のまま服用してください。水で希釈したり、飲食物と混ぜて飲んではいけません。
  • この薬には刺激性があります。万一、液剤またはカプセルの内容物が目に付着した場合は直ちに水で洗浄し、医師に相談してください。また、手や体の一部に付着した場合は、その部分をすぐ水で洗い流してください。
  • 子供のご両親など付き添いの方は、服用後の様子を注意深く見守りましょう。かえって怒りっぽくなったり、悲観的になる、不穏な行動をとるなど、いつもと違う精神的変調がみられるときは、医師と連絡をとってください。
  • 自分だけの判断でやめてはいけません。急に飲むのを中止すると反動で症状が悪化したり、体の具合が悪くなるおそれがあります。飲み忘れにも注意しましょう。
  • 長期服用にさいし、身長や体重の増加が思わしくないなど、子供の成長が気になるときは医師とよく相談してみましょう。

【検査】

事前に心拍数と血圧の測定を実施します。飲み始めてからも、心臓や血圧に対する影響を調べるため、定期的にそれらの測定をおこなう必要があります。

【食生活】

眠気やめまいを起こすことがあります。車の運転をふくめ危険をともなう機械の操作や高所での作業は避けてください。
効能 注意欠陥・多動性障害(AD・HD)
用法
【錠剤】
<18歳未満>

通常、18歳未満の患者には、アトモキセチンとして1日0.5mg/kgより開始し、その後1日0.8mg/kgとし、さらに1日1.2mg/kgまで増量した後、1日1.2〜1.8mg/kgで維持する。ただし、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの服用量においても1日2回に分けて経口服用する。なお、症状により適宜増減するが、1日量は1.8mg/kg又は120mgのいずれか少ない量を超えないこと。
<18歳以上>

通常、18歳以上の患者には、アトモキセチンとして1日40mgより開始し、その後1日80mgまで増量した後、1日80〜120mgで維持する。ただし、1日80mgまでの増量は1週間以上、その後の増量は2週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの服用量においても1日1回又は1日2回に分けて経口服用する。なお、症状により適宜増減するが、1日量は120mgを超えないこと。

【液】
<18歳未満>

通常、18歳未満の患者には、アトモキセチンとして1日0.5mg/kg(0.125mL/kg)より開始し、その後1日0.8mg/kg(0.2mL/kg)とし、さらに1日1.2mg/kg(0.3mL/kg)まで増量した後、1日1.2〜1.8mg/kg(0.3〜0.45mL/kg)で維持する。ただし、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの服用量においても1日2回に分けて経口服用する。なお、症状により適宜増減するが、1日量は1.8mg/kg(0.45mL/kg)又は120mg(30mL)のいずれか少ない量を超えないこと。
<18歳以上>

通常、18歳以上の患者には、アトモキセチンとして1日40mg(10mL)より開始し、その後1日80mg(20mL)まで増量した後、1日80〜120mg(20〜30mL)で維持する。ただし、1日80mg(20mL)までの増量は1週間以上、その後の増量は2週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの服用量においても1日1回又は1日2回に分けて経口服用する。なお、症状により適宜増減するが、1日量は120mg(30mL)を超えないこと。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 おもな副作用は、食欲不振や吐き気、腹痛などの胃腸症状です。頭痛や眠気も多いほうです。これらは、飲み始めや増量時に多くみられ、続けているうちに軽減することもあります。つらいときは、早めに受診しましょう。

人によっては、動悸や頻脈、血圧上昇など、循環器系に異常があらわれることがあります。また、重い副作用として肝障害が報告されているようです。肝障害の発現頻度はきわめてまれですが、皮膚や白目が黄色くなるなど下記のような初期症状に念のため注意してください。

攻撃的行動や敵意の発現、あるいは悪い衝動にかられるなど、かえって、いつもと違う精神的変調がみられるときは、医師と連絡をとり指示をあおいでください。とくに、服用開始時や増量時に注意が必要です。

はっきりした因果関係は分かりませんが、服用初期に体重増加の抑制や成長の遅延が報告されています。身長や体重の増加が思わしくないなど、子供の成長が気になるときは、医師とよく相談してみましょう。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • アナフィラキシー..発疹、じんま疹、全身発赤、顔や口・喉や舌の腫れ、咳き込む、ゼーゼー息苦しい。

【その他】
  • 食欲不振、吐き気、吐く、腹痛、下痢、口渇
  • 頭痛、眠気、不眠、立ちくらみ、めまい
  • 怒りっぽい、攻撃的、敵意の発現または悪化
  • 動悸、頻脈、心拍数増加、血圧上昇
  • 排尿困難、勃起不全、多汗症、味覚異常
  • 体重減少、成長遅延
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye