おくすり110番
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成分(一般名) ミルタザピン
製品例 レメロン錠15mg~30mg、リフレックス錠15mg~30mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 神経系用剤(含む別用途)/抗うつ剤(NaSSA)/ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 憂うつな気分をやわらげ、意欲を高めるお薬です。うつ病やうつ状態の治療に用います。
作用

【働き】

気分が晴れずに落ち込んだり、悲観的になったり、やる気がでない、集中できない、眠れない・・そんなこじれた心の症状を改善し、気持ちが前向きになるのを助けます。また、不安や緊張した気分をほぐして、気持ちを楽にします。うつ病のほか、いろいろな心の不具合に応用されます。

【薬理】

脳内神経のα2受容体を遮断するなどして、ノルアドレナリン神経とセロトニン神経の活動を高め、それぞれの神経伝達物質の放出を促進します。結果として、両方の神経伝達が増強し、抗うつ効果が得られるのです。セロトニンの増加は不安をやわらげ、ノルアドレナリンの増加は意欲を高めるといわれます。このような作用機序から、「ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant)」と呼ばれています。通称NaSSAです。

【臨床試験-1】

この薬の効果をプラセボ(にせ薬)と比較する試験がおこなわれています。参加したのは、うつ病の患者さん270人です。そして、4つのグループに分かれ、第1のグループは低用量(15mg)を服用、第2のグループは中用量(30mg)、第3のグループは高用量(45mg)、第4のグループはプラセボを服用します。ここで大事なのは、グループ分けはくじ引きでおこない、薬の中身を患者さんにも医師にも伝えないことです(プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験)。

効果の判定は、抑うつ気分にくわえ、不安や焦燥、睡眠の状況、社会活動性、不安に伴う身体症状、食欲の程度など17項目ごとに医師が点数化(0〜4点)し、その合計点(0〜53点)でおこないます。点数が低ければ軽症(8〜13点)、高いほど重症(20点以上)です。試験に参加した患者さんの服薬前の合計点の平均は22点くらいでした。そして、服用6週後の各グループの平均合計点数の低下幅を比較するのです。

その結果、この薬を低用量飲んでいた人達は平均13.3点低下(23.2点→9.9点)、中用量の人達は13.8点低下(22.5点→8.8点)、高用量の人達は11.9点低下(22.1点→10.2点)、プラセボの人達は10.4点低下(22.5点→12.1点)しました。この薬のほうがプラセボより1.6点〜2.8点ほど下げ幅が大きく、プラセボを上回る有効性が示されたわけです。なお、高用量で下げ幅が小さかった原因として、他のグループに比べ早期中止例が多かったことが影響しているものと推察されています。

【臨床試験-2】

別系統のパロキセチン(パキシル)との比較試験もおこなわれています。パロキセチンは選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)に分類される代表的な抗うつ薬です。参加したのは約200人のうつ病の患者さんで、この薬を飲む人とパロキセチンを飲む人に分かれ、服薬6週後の効果を比較します。効果の判定は、上記のプラセボ対照比較試験と同様に、抑うつ気分や社会活動性など17項目ごとに医師が点数化(0〜4点)し、その合計点(0〜53点)の変化量でおこないます。その結果、この薬を飲んでいた人達は平均13.8点低下、パロキセチンの人達は11.7点低下しました。この薬のほうが低下幅がやや大きく、少なくともパロキセチンに劣らない同等以上の有効性が示されたわけです。
特徴
  • NaSSAという新しいカテゴリーに分類される抗うつ薬です。ただ、化学構造的にみると、古くからある4環系抗うつ薬のミアンセリン(テトラミド)を一部改良した構造をしています。ノルアドレナリン遊離促進など作用面においても、また効果発現が早いこと、眠気の副作用が出やすい点なども4環系にみられる特徴です。
  • 日本でおこなわれた「プラセボ対照比較試験」で有効性が認められた初めての抗うつ薬です。服用開始1週目から有意な改善効果が得られ、さらに長期投与試験においても1年間にわたり抗うつ効果が維持されました。
  • 他の新規抗うつ薬(SSRI、SNRI)と同様に、軽症から中等症のうつ病に第1選択されるようになりました。有効性はそれほど変わりませんが、他の抗うつ薬と比べより早い治療効果が期待できます。安全性については、眠気や倦怠感が多くみられるものの、吐き気や下痢など消化器症状はSSRIよりも少ないようです。持続性があるので、1日1回就寝前の服用で済むのも利点です。寝つきが悪いなど不眠をともなうときに用いるとよいかもしれません。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。病気によっては症状を悪化させるおそれがあります。
  • 飲み合わせの悪い薬があります。2週間前から今現在までに飲んでいた薬を、医師に報告しておいてください。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人は、医師に申し出てください。
  • 服用後の注意事項や副作用について、ご本人、できたらご家族も含め、よく説明を受けておきましょう。

【注意する人】

肝臓病、心臓病、緑内障、前立腺肥大で尿の出の悪い人、てんかん、躁うつ病、躁病の既往歴のある人などは、病状を悪化させるおそれがありますので慎重に用いるようにします。緑内障の人は定期的に眼圧検査を受けるようにましょう。また、躁うつ病においては、逆効果になることがありますので、一般的なうつ病との見極めが重要です。

子供での有効性は未確認なうえ、有益性を否定する報告もあります。子供への処方は最後の選択肢とし、優先すべきは心理社会的支援や環境調整です。また、若い人に用いる場合は、治療上の不利益について考慮する必要があります。症状によっては処方を控えなければなりません。複数の抗うつ薬の臨床試験を分析したところ、24歳以下では かえって悪い衝動を引き起こし危険な行為に及ぶおそれがあるとの報告があるためです。

高齢の人ではそのような行為にいたるリスクが少ない反面、薬の代謝が遅れ血中濃度が上がりがちです。必要最小限となるよう服用量に留意するとともに、傾眠、めまい、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群などの副作用に十分注意する必要があります。

  • 注意が必要なケース..緑内障、尿の出にくい人(前立腺肥大症)、心臓病、不整脈、低カリウム血症、肝臓病、腎臓病、てんかん、躁うつ病、統合失調症の素因、衝動性が高い精神症状をともなう人、肝臓や腎臓の悪い人、子供、24歳以下、高齢、いのちを絶ちたいという思いのある人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

パーキンソン病の治療に用いるセレギリン(エフピー)との併用は禁止されており、一定期間の間隔をあける必要があります。両方の作用がだぶり「セロトニン症候群」という重い副作用を起こすおそれがあるためです。ほかにも飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。今現在、および最近まで飲んでいた薬を必ず医師に伝えてください。

  • 飲み合わせの悪い薬..セレギリン(エフピー)。
  • 飲み合わせに注意..エイズの薬のHIVプロテアーゼ阻害薬(リトナビル、その他)、アゾール系抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)、マクロライド系抗生物質のクラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)やエリスロマイシン(エリスロシン)、抗てんかん薬(アレビアチン、ヒダントール、テグレトール、フェノバール)、結核の薬のリファンピシン(リファジン)、炭酸リチウム(リーマス等)、トリプタン系片頭痛治療薬(イミグラン等)、L-トリプトファン含有製剤(アミノ酸製剤、経腸成分栄養剤等)、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、他の抗うつ薬、安定薬、抗血栓薬のワルファリン(ワーファリン)など。

【使用にあたり】
  • ふつう、1日1回就寝前に1錠から始めます。効果不十分な場合は、1週間以上の間隔をあけて増量することがあります。
  • よく効いてくるまでに、1週間以上かかるかもしれません。医師の指示どおりに服薬を続けましょう。
  • 飲み始めや増量時に、かえって気分が不安定になるときは、早めに医師と相談してください。できましたら、ご家族など付き添いの方も、行動の変化や不穏な行為に注意するなど、服用後の様子を注意深く見守りましょう。因果関係ははっきりしませんが、敵意や攻撃性、衝動性にもとづく事故や犯罪事例も報告されているようです。
  • 急に飲むのを中止すると反動で症状が悪化したり、体の具合が悪くなることがあります。中止する際は、医師の判断で徐々に減量しなければなりません。
  • うつ病では、症状がよくなってからも、しばらく少量を続けることが多いです。いわゆる「揺りもどし」による再発を防ぐためです。症状や環境にもよりますが、半年〜2年くらいは続けることになると思います。再発を繰り返しているときは、更に長期の服用となります。指示された期間、続けるようにしてください。

【食生活】
  • アルコールといっしょに飲むと、いろいろな副作用がでやすくなります。飲酒はできるだけ控えましょう。
  • 健康食品やハーブティーとして販売されているセイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)の飲食は避けたほうが無難です。併用により副作用が増強するおそれがあります。
  • 眠気やめまいを起こすことがあります。車の運転をふくめ危険を伴う機械の操作や作業は行なわないでください。
  • まずは、がんばらないで休養することが第一です。脳の疲れがとれてくれば、自然に治ってきます。
  • 抗うつ薬は、症状の回復を早めますが、うつ病の原因そのものは治せません。落ち着いてきたら、生活や職場の環境調整、さらに認知療法などを合わせておこなうとよいでしょう。今はつらいかもしれませんが、あせらずに、ゆっくりと治療なさってください。
効能 うつ病・うつ状態
用法 通常、成人はミルタザピンとして1日15mgを初期用量とし、15〜30mgを1日1回就寝前に経口服用する。なお、年齢、症状に応じ1日45mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として15mgずつ行うこと。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 一番多いのは眠気です。半分くらいの人にあらわれます。その次が、口の渇き、けん怠感、便秘、めまいなどです。これらは軽ければそれほど心配ないと思います。ひどいときは早めに受診してください。そのほか、頭痛や動悸、手のふるえ、体重増加などもときどきみられます。

もし、普通でない不安感や焦燥感、イライラ落ち着かない、気持ちの高ぶり、悪い衝動にかられるなど、精神的な変調が気になるときは、医師と連絡をとり指示をあおいでください。このような気分障害は、とくに飲み始めや薬の量を増やしたときに現れやすいものです。

この系統の特異な副作用として「セロトニン症候群」を起こすことがあります。とくに、他の抗うつ薬との併用時は要注意。発現頻度はきわめてまれですが、下記のような初期症状をふまえ、なにか普段と違う「おかしいな」と感じたら、すぐ医師に連絡してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • セロトニン症候群..落ち着かない、不安、興奮・混乱、不眠、体の震え・ぴくつき、めまい、発熱、発汗、頻脈、下痢、血圧上昇。
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • けいれん..筋肉のぴくつき、ふるえ、白目、硬直、全身けいれん、意識低下・消失。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)..だるい、のどが渇く、頭痛、吐き気、けいれん、意識もうろう、気を失う。
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 不整脈(QT延長、心室頻拍)..動悸、脈が遅い、脈が速い、脈の乱れ、胸の痛みや違和感、めまい、立ちくらみ、失神。

【その他】
  • 眠気、傾眠、倦怠感、めまい、頭痛
  • 口の渇き、便秘、吐き気、腹痛、下痢
  • 手のふるえ、頻尿
  • 食欲亢進、体重増加
  • 動悸、血圧上昇
  • 肝酵素値の上昇
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye