おくすり110番
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成分(一般名) リスデキサンフェタミン メシル酸塩
製品例 ビバンセカプセル20mg~30mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 神経系用剤(含む別用途)/精神刺激剤/中枢神経刺激剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 注意力を高め、落ち着きをとりもどすお薬です。子どもの注意欠陥・多動性障害(AD・HD)の治療に用います。
作用

【働き】

注意欠陥・多動性障害、略称‘AD・HD’は、学齢期の子供に多くみられる精神的な発達障害の一つです。集中力や注意力が欠如し、また多動性・衝動性が顕著にあらわれ、学校での集団生活や学業にも支障となってきます。成長とともによくなりますが、大人になっても症状が残ることがあります。

このお薬は、そのような注意欠陥・多動性障害に有効です。詳しい作用機序は分かっていませんが、神経伝達物質のドパミンやノルアドレナリンの活性化が、諸症状の改善につながると考えられています。通常、6歳以上18歳未満の小児期に用いられます。18歳に至り、なお必要性が高いのなら 継続も可能です。

【臨床試験】

注意欠陥・多動性障害がある子供の患者さん76人による臨床試験が行われています。このうち19人はこの薬を30mg、18人は50mg、20人は70mgを、残りの19人はプラセボ(にせ薬)を服用し、各グループの効果を比較する試験です。もちろん、実薬かプラセボか患者さんにも医師にも伝えません(プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験)。効き目の比較は、学校生活での不注意や多動・衝動性にかかわる行動を18項目ごとに4段階(0点〜3点)で評価し、その合計点の変化量(低下幅)で行います。ちなみに、試験に参加した患者さんの服薬前の合計点数は平均で37点くらいでした。

その結果、服薬1カ月後の変化量は、この薬を30mg飲んだグループで平均16.4点低下(38.1点→19.8点)、50mgのグループは18.1点低下(37.1点→17.4点)、70mgのグループは16.5点低下(37.2点→20.5点)しました。一方、プラセボでは2.8点の低下(38.0点→34.7点)にとどまりました。この薬の下げ幅はいずれの用量でもプラセボを大きく上回り、統計学的な有意差が認められました。薬としての有効性が証明されたわけです。副作用として、食欲減退、不眠、頭痛、脈拍数増加がプラセボに比べ多くみられましたが、安全性に大きな問題はないとされました。
特徴
  • 中枢神経刺激薬に分類されるAD・HD治療薬です。薬理学的にドパミン・ノルアドレナリン再取り込み阻害・遊離促進薬とされることがあります。
  • 主成分のリスデキサンフェタミンは、体内で活性体のd-アンフェタミンに加水分解されてから薬効を発揮します(プロドラッグ)。d-アンフェタミンの急激な血中濃度上昇が抑制されるため、血中濃度の維持とともに、効果の持続性が期待できます。
  • 中枢刺激薬は、非中枢刺激薬とともにAD・HDに対する第一選択として位置付けられます。ただし、この薬は発売後まもないため、使用経験が蓄積されるまでの間は、他の治療薬が効果不十分な場合に限り使用されることになります。
  • 対応が求められるのが依存性の問題です。不適切な使用により、依存を生じる可能性があるのです。このため、流通管理が徹底されます。処方や調剤ができるのは、一定の基準を満たす登録済みの医療機関や薬局に限られます。患者さんに対しても 所定の文書が示され、これに同意しなければ使用できません。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えてください。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は申し出てください。
  • 使用中の薬を医師に教えてください。
  • 保護者をふくめ、注意事項、依存性や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、同意のうえで治療にあたりましょう。

【注意する人】

不整脈や心不全など心臓病のある人は、使用できないことがあります。強い不安や緊張感、興奮状態にある人も向きません。それらの症状を悪化させるおそれがあるためです。そのほか、甲状腺機能亢進症、運動性チック、閉塞隅角緑内障のある人も控えます。

  • 適さないケース..重い心血管障害、甲状腺機能亢進、過度の不安・緊張・興奮状態、運動性チック、閉塞隅角緑内障、褐色細胞腫のある人、薬物乱用の既往歴のある人。
  • 注意が必要なケース..重い腎臓病、高血圧、不整脈、てんかん、脳卒中など脳血管障害、双極性障害など精神系疾患のある人。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

パーキンソン病治療薬のセレギリンおよびラサギリンとの併用は禁止されており、一定期間の間隔をあける必要があります。両方の作用がだぶり重い副作用を起こすおそれがあるためです。ほかにも飲み合わせに注意する薬があります。今現在、および最近まで飲んでいた薬を必ず医師に伝えてください。

  • 飲み合わせの悪い薬..セレギリン(エフピー)、ラサギリン(アジレクト)。
  • 飲み合わせに注意..炭酸水素ナトリウム(重曹)、アスコルビン酸(ビタミンC)、抗うつ薬(SSRI、SNRI、三環系)など。

【使用にあたり】
  • 通常、1日1回朝に30mg(1カプセル)を服用します。朝食の前でも後でもかまいませんが、忘れないよう どちらかに決めておきましょう(指示通りに)。眠れなくなるので、午後の服用は避けます。
  • 医師の判断で最大70mgまで増量可能です。この場合、1週間以上の間隔をあけて1日用量として20mgを超えない範囲で行います。慎重に増量し、必要最小量とすることが大事です。
  • 飲み忘れた場合は医師または薬剤師に相談してください。夕刻以後に気付いた場合は抜かしたほうがよいでしょう。翌日に2回分を一度に飲んではいけません。
  • 長期間服用している場合、この薬の有効性や安全性を評価するため、一定期間休薬し様子をみることがあります。有用と判断されれば更に継続することになります。逆に有用性がない、あるいはこの薬がなくても大丈夫そうなら中止を検討します。

【検査】
  • 心血管系に対する影響をみるため、定期的に心拍数と血圧の測定を行います。心臓病があれば、必要に応じ心電図検査を実施します。
  • 身長や体重測定をおこない、順調に成長しているか調べます。

【妊娠・授乳】
  • 妊娠中の服用については、医師とよく相談してください。
  • 薬の母乳中への移行が報告されています。服用中は授乳を避ける必要があります。

【食生活】
  • めまい、眠気、視覚障害を起こすことがあります。車の運転をふくめ、危険を伴う機械の操作は行わないでください。
  • 体重や身長の変化に留意しましょう。背が伸びない、体重減少または体重が増えないなど成長の遅れが気になるときは、医師と相談してください。
効能 小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)
用法 通常、小児はリスデキサンフェタミンメシル酸塩として30mgを1日1回朝経口服用する。症状により、1日70mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として20mgを超えない範囲で行うこと。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 飲み始めに、食欲不振、吐き気、不眠や頭痛が起きやすいです。多くはしだいに軽減しますが、つらいときは早めに受診してください。食欲不振が続くと体重減少や成長遅延につながるおそれがあります。

血圧上昇や頻脈など循環器系の副作用もみられます。心拍数の増加は心臓に負担をかけますから、とくに心臓病のある人など要注意です。動悸、息切れ、胸の痛み、めまい、気が遠くなる といった症状があらわれたら医師に連絡してください。

人によっては、かえって怒りっぽくなったり、攻撃的になることがあります。さらに、幻覚、妄想、そう症状、命を絶つ思いにかられるなど 精神的変調があらわれる可能性もあります。このような場合は、すぐに医師に連絡してください。

治療用量であれば問題ないのですが、大量使用あるいは不適切な使用により 依存を生じるおそれがあります。薬に頼りがちになり、やめにくくなってしまうのです。決められた用法・用量を守ることが大事です。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、胸苦しい、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔のむくみ・腫れ、のどが腫れゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 心筋症..胸の痛み、動悸、息苦しい、息切れ、疲れやすい、むくみ、体重増加。
  • 依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある(徐々に減量すれば大丈夫)。

【その他】
  • 食欲不振、吐き気、吐く、便秘、下痢
  • 不眠、眠気、頭痛、めまい
  • 神経過敏、チック、怒りっぽい、かんしゃく
  • 動悸、頻脈、血圧上昇
  • かすみ目、まぶしい、見えにくい
  • 体重減少、成長遅延
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用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye