概説 |
表面麻酔をするお薬です。さまざまな部位の局所麻酔に使用します。 |
作用 | 有効成分のリドカインは、速効性で強力な局所麻酔薬です。神経を一時的に麻痺させ、痛みを感じなくします。知覚神経のほか運動神経を遮断する作用をもちます。尿道麻酔や気管内挿管をはじめ、局所麻酔を必要とする処置や検査に汎用されています。 |
特徴 |
- 作用発現が早く、いろいろな部位に使用可能です。このため、古くから局所麻酔薬として各科領域で広く使われています。
- 液剤、ゼリー、点眼液などがあり、使用部位により使い分ける必要があります。粘滑性のゼリーは尿道麻酔や気管内挿管に適します。
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注意 |
【診察で】
- アレルギーのある人は医師に報告してください。
- 心臓病など持病のある人も医師に伝えておいてください。
- 【注意する人】
- 同系の局所麻酔薬で、重いアレルギーを起こしたことのある人は使用できません。心臓病のある人や体が弱っている人、高齢の人、子どもに対しては、過量にならないように慎重に用います。
【飲み合わせ・食べ合わせ】
- オピオイド系の鎮静・鎮痛薬による意識障害や呼吸抑制の副作用を強める可能性があります。広範に多量を使用する場合、注意が必要です。
- アミオダロン(アンカロン)など抗不整脈薬の作用を増強するおそれがあります。
【使用にあたり】
- ふつう、病院で処置や検査に先立ち使用します。麻酔部位に応じ、できるだけ必要最少量とします。
- 万一、気分が悪くなってきたら、医師や看護師に伝えてください。
- 外来での処方はほとんどありませんが、もし処方されましたら医師の指示どおりに使用してください。
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効能 |
- 【ゼリー】
- 表面麻酔
- 【液】
- 表面麻酔
- 【点眼液】
- 眼科領域における表面麻酔
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用法 |
- 【ゼリー】
- リドカイン塩酸塩として、尿道麻酔には通常成人では男子は200〜300mg(10〜15mL)、女子は60〜100mg(3〜5mL)を使用する。気管内挿管には適当量を使用する。なお、年齢、麻酔領域、部位、組織、体質により適宜増減する。
- 【液】
- リドカイン塩酸塩として、通常成人では80〜200mg(2〜5mL)を使用する。なお、年齢、麻酔領域、部位、組織、体質により適宜増減する。
- 耳鼻咽喉科領域/鼻腔内、咽喉に刺激性薬物を塗布する前処置、耳管カテーテル挿入、下甲介切除、鼻中隔矯正、扁桃剔出、咽喉頭鏡検査等の場合、本剤の適量(一時に5mL〈リドカイン塩酸塩として200mg〉以内)を塗布又は噴霧する。
- 泌尿器科領域/膀胱鏡検査、尿管カテーテル挿入、逆行性腎盂撮影法、凝血除去、結石処置、経尿道式尿道乳頭腫剔除等の場合、本剤を倍量に希釈し、その約10mL(リドカイン塩酸塩として200mg)を尿道内に注入し、男子では陰茎を箝搾子ではさみ、女子には綿栓を施して5〜10分間、液を尿道内に貯留させる。
- 気管支鏡検査/全身麻酔時の挿管には本剤を倍量に希釈し、その適量(10mL〈リドカイン塩酸塩として200mg〉以内)を噴霧する。
- 【点眼液】
- 通常、成人では1〜5滴を点眼する。なお、年齢、体質により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はほとんどありません。きわめてまれに、強いアレルギー反応(ショック)を起こすことがあります。もし、吐き気や動悸がするなど、気分が悪くなってきたら、医師や看護師に伝えてください。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- ショック..気持ち悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、耳鳴り、息苦しい、胸苦しさ、めまい、脈が速い・弱い、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
- 中毒症状..眠気、意識が薄れる、ふるえ、けいれん
【その他】
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