概説 |
筋肉の収縮を助けるお薬です。重症筋無力症の治療に用います。 |
作用 | 重症筋無力症は、筋肉の力が弱くなる病気です。まぶたが垂れ下がったり、飲み込みにくくなったり、手足に力が入らなくなってきます。このような症状が起こるのは、筋肉の神経の受容体が自己免疫により障害を受けるためです。
このお薬は、筋肉を収縮させるアセチルコリンという神経伝達物質を増やします。そうすることで、筋肉の神経の働きをよくし、筋力を回復させます。ただし、対症療法薬ですので、病気そのものの原因を治すことはできません。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 別に薬を飲んでいる場合は、医師に伝えておきましょう。
- この薬の副作用や注意事項について説明を受けておいてください。

- 【注意する人】

- 尿路が閉塞している場合や、腸に通過障害のある病気では使用できません。喘息や腎臓病、心臓病、胃潰瘍、てんかん、パーキンソン症状のある人なども慎重に用います。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 一部の胃腸薬など抗コリン作用のある薬は、この薬の作用を弱めます。逆に、コリン作用を強める認知症治療薬のドネペジル(アリセプト)や、副交感神経亢進薬のベタネコール(ベサコリン)は、お互いの副作用を強めるおそれがあります。市販薬を含め、服用中の薬は必ず医師に伝えておきましょう。
- 飲み合わせの悪い薬..スキサメトニウム(レラキシン注)など。
- 飲み合わせに注意..ドネペジル(アリセプト)、ガランタミン(レミニール)、リバスチグミン(イクセロンパッチ、リバスタッチパッチ)、ベタネコール(ベサコリン)など。
 【使用にあたり】
- ふつう、少量から開始し、医師が効果や副作用をチェックしながら増量していきます。
- 決められた服用量を守ることが大切です。多く飲みすぎると中毒(腹痛、下痢、発汗、よだれ、縮瞳、けいれん、徐脈)を起こしますし、少ないと病状が悪化(脱力、呼吸困難、唾液排出困難)します。

- 【その他】

- この薬は対症療法薬です。根治療法として、胸腺の摘出手術もおこなわれます。
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効能 |
重症筋無力症。 |
用法 |
通常、成人1日3錠を3回に分けて経口服用する。ただし、医師の監督下に、症状に応じて、適宜、用量及び服用回数を増減することができる。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用で多いのは、腹痛、下痢、発汗、だ液の増加などです。症状のひどいときは、すぐに医師に連絡してください。用量を調節する必要があるかもしれません。量が多すぎると、「コリン作動性クリーゼ」と呼ばれる重い急性中毒を起こすおそれがあります。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- コリン作動性クリーゼ(急性中毒)..腹痛、下痢、発汗、だ液分泌過多、視界が暗くなる、筋肉のぴくつき、徐脈。
 【副作用】
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