概説 |
筋肉をほぐし、痛みをやわらげるお薬です。痙性麻痺など筋肉がこわばる病気や、脳卒中の後遺症の治療に用います。 |
作用 |
- 筋肉を緊張させている神経をしずめる作用があります。そのほか、筋肉の血流改善効果もあります。体のこわばり感やつっぱり感をやわらげ、動作や歩行の回復を助けます。
- 病気の原因そのものを治すことはできません。
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特徴 | 同類薬のなかでは、効き目が強いほうです。反面、副作用が少しでやすいので注意します。 |
注意 |
【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 妊娠中、もしくはその可能性のある人は医師に伝えてださい。
- 別に薬を飲んでいる場合は、医師に伝えておきましょう。
- 【注意する人】
- 病気によっては、病状を悪化させるおそれがあります。持病のある人は、医師に伝えておいてください。腎臓の悪い人は、少量より開始するなど慎重に用いる必要があります。
- 注意が必要なケース..てんかん、精神症状、消化性潰瘍、呼吸器の病気、肝臓や腎臓に病気のある人、妊娠中、子供、高齢の人など。
【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 安定薬や睡眠薬など脳に働きかける薬と併用すると、副作用がでやすくなります。また、高血圧の薬と併用すると、降圧作用が強まることがあります。服用中の薬は、医師に伝えておきましょう。
- 飲酒は控えてください。副作用が強まるおそれがあります。
【使用にあたり】
- 服用量は個人差が大きいです。ふつう、少量より開始し、よい効果のでる量まで徐々に増やしていきます。決められた飲み方を守りましょう。
- 長期服用中に、自分だけの判断で中止してはいけません。急にやめると、反発的な症状がでるおそれがあります。中止するときは、医師の判断で徐々に減量するようにします。
- 【妊娠・授乳】
- 生まれた赤ちゃんに、薬の影響が疑われるけいれんがみられたとの報告があります。妊娠中の服用は、薬の有益性が そのようなリスクを上回ると判断される場合に限ります。
- 【食生活】
- 眠気がしたり、ふらついたりすることがあります。車の運転など危険な作業は控えてください。
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効能 |
下記疾患による痙性麻痺
- 脳血管障害、脳性(小児)麻痺、痙性脊髄麻痺、脊髄血管障害。
- 頸部脊椎症、後縦靱帯骨化症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症。
- 脊髄小脳変性症、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、術後後遺症(脳・脊髄腫瘍を含む)。
- その他の脳性疾患、その他のミエロパチー。
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用法 |
- 成人..通常、成人は初回量として1日バクロフェン5〜15mgを1〜3回に分け食後経口服用し、以後患者の症状を観察しながら標準用量に達するまで2〜3日毎に1日5〜10mgずつ増量する。標準用量は1日30mgであるが患者の本剤に対する反応には個人差があるため、年齢、症状に応じて適宜増減する。
- 小児..小児は、初回量として1日バクロフェン5mgを1〜2回に分け食後に経口服用し、以後患者の症状を観察しながら、標準用量に達するまで2〜3日毎に1日5mgずつ増量する。なお、症状、体重に応じて適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用でわりと多いのは、眠気、吐き気、食欲不振、脱力感、ふらつきなどです。服用量が多い場合、または急な中止により、幻覚や混乱、興奮、うつ状態、さらには けいれんなど精神・神経症状が発現するおそれがあります。なにか普段と違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診するようにしましょう。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 意識障害・呼吸抑制..もうろう、意識がはっきりしない、呼吸が少ない・弱い、不規則な呼吸。
- 依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある(徐々に減量すれば大丈夫)。
【その他】
- 眠気、頭痛、抑うつ、しびれ、けいれん。
- ふらつき、脱力感、筋力低下、だるい。
- 食欲不振、吐き気、下痢、便秘。
- 尿失禁、尿が出にくい。
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