概説 |
目の炎症をおさえるお薬です。 |
作用 | ステロイドの目薬です。ステロイドには炎症をとる強い作用があります。炎症による腫れや赤みをおさえ、かゆみや痛みをやわらげます。炎症性の目の病気、たとえば結膜炎、角膜炎、ブドウ膜炎、手術後の炎症などに広く使われています。花粉症のアレルギー結膜炎にも用いられます。
ふつう、症状の強いときや視力障害のおそれのあるような重症例に用います。そのような場合には、欠かせない薬です。ただし、対症療法薬ですので、病気の原因そのものを治すことはできません。効果と副作用のバランスが考慮され、専門医により慎重に使用されます。 |
特徴 |
- 懸濁液なので、目の表面に長くとどまる利点があります。ステロイドとしては作用がおだやかなほうで、眼内への移行が少なく、眼圧上昇などの副作用も少ないと考えられています。
- フルメトロンには濃度が異なる2種類の製剤があり、適時使い分けるようにします。軽い場合には低濃度製剤(0.02%)でもよいのですが、春季カタルなどで症状が激しいときや、角膜の障害で視力障害のおそれのあるような場合には、炎症の火消し役として高濃度製剤(0.1%)が用いられます。
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注意 |

- 【診察で】

- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。

- 【注意する人】

- 角膜上皮はく離や角膜潰瘍のある場合、またウイルスや結核、真菌(カビ)などによる目の感染症には原則的に用いません。かえって、病状を悪化させるおそれがあるためです。とくに必要な場合は、慎重に用いなければなりません。
 【使用にあたり】
- よく振りまぜてから点眼します。そのほか、点眼方法や点眼回数は、説明書に従ってください。
- できるだけ仰向けの状態で点眼するようにします。1滴点眼したあと、ゆっくりと目を閉じ、まばたきをしないで1〜5分間そのまま閉じていてください。このとき、目頭を指で押さえておくと鼻や口に薬液が回らず苦い思いをしなくて済みますし、全身性の副作用の予防になります。
- 特別な指示がなければ1滴で十分です。うまく命中しなかったときだけ、もう1滴さすようにすればよいでしょう。
- 点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意しましょう(薬液汚染防止のため)
- 他の点眼薬と併用しているときは、点眼間隔を十分にあけてください。
- 点眼液が目の回りに付いたり、目からあふれ出たときは、すぐ拭き取るようにしてください(皮膚がかぶれることがあります)。
- 保管は上向きに立てておいてください(横にしたり、逆さにしないこと)。
 【備考】
- ブドウ膜炎や手術後には、まず高濃度の強いステロイドで炎症を抑え込みます。よくなってきたら、濃度の低い弱い製剤にきりかえ、その後、減量中止するようにします。
- 花粉症にも用いますが、春季カタルなどで症状が激しいときや、角膜の障害で視力障害のおそれのあるような場合に適応します。安易な長期使用は好ましくありません。
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効能 |
- 0.02%点眼液..外眼部の炎症性疾患(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎等)
- 0.05%点眼液..外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症)
- 0.1%点眼液..外眼部および前眼部の炎症性疾患(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、虹彩炎、虹彩毛様体炎、ブドウ膜炎、術後炎症等)。
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用法 |
- 0.02%点眼液..用時よく振り混ぜた後、通常、1回1〜2滴、1日2〜4回点眼する。年齢、症状に応じ、適宜増減する。
- 0.05%点眼液..用時よく振り混ぜた後、通常、1回1〜2滴、1日3〜5回点眼する。なお、症状により適宜増減する。
- 0.1%点眼液..用時よく振り混ぜた後、通常、1回1〜2滴、1日2〜4回点眼する。年齢、症状に応じ、適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
低濃度のステロイド点眼薬を数日使う程度でしたら、副作用の心配はまずありません。けれど、長く続けていると、いろいろな副作用がでやすくなります。とくに、目の感染症、眼圧上昇、緑内障、白内障などに注意が必要です。目に異常を感じたら、早めに受診するようにしてください。また、長期に使用する場合は、定期的に眼圧測定などの検査を受けるようにしてください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 緑内障..目が痛い、充血、見えにくい、かすむ、光の回りに虹の輪、頭痛、吐き気。
- 角膜穿孔、目の感染症(角膜ヘルペス、角膜真菌症、緑膿菌感染症など)..見えにくい、目の痛み、異物感、充血、腫れ、涙が出る、目やに
- 白内障..かすんで見える、まぶしい、視力低下。
 【副作用】
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