概説 |
眼圧を下げる目薬です。緑内障、高眼圧症の治療に用います。 |
作用 | 目の中では、房水と呼ばれる水分が循環しています。その役目は、目に栄養分を供給し、また眼圧を一定に保つことです。ところが、房水が充満しすぎると、眼圧が上がり視神経を圧迫してきます(高眼圧症)。そのままでいると視神経が弱り、視野が狭くなったり視力が落ちたりします。このような状態が「緑内障」です。
緑内障はその成因から大きく2つのタイプに分かれます。「閉塞隅角緑内障」と「開放隅角緑内障」です。閉塞隅角緑内障は、房水の排水路である隅角が虹彩でふさがれてしまうタイプです。その多くは慢性型ですが、ときに眼圧が急上昇し激しい眼痛や頭痛、充血や視覚異常などをともなう緑内障発作を起こします。一方、開放隅角緑内障は、隅角とは関係なく、房水の排水口が目詰まりするタイプです。慢性に推移し、自覚症状が乏しく、視野異常にも気づきにくいので、自覚したときには相当に進行していることが多いです。
緑内障の治療は、過剰な房水を減らして、眼圧を下げることです。この目薬には、房水の産生をおさえる作用があります。 |
特徴 | 緑内障の治療には、まずこの系統(β遮断薬)の目薬が使われるものです。瞳孔に作用しないので、暗く見えたり、まぶしく見えることがありません。 |
注意 |
 【診察で】
- 喘息のある人は使用できません。持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 別に薬を飲んでいる場合は、医師に伝えておきましょう。

- 【注意する人】

- ごく少量が体内に吸収され、全身的な副作用があらわれることがあります。とくに、喘息を誘発するおそれがあるので、もともと喘息のある人は使用できません。また、心臓病など循環器系に病気のある人も慎重に使用する必要があります。
- 適さないケース..喘息のある人。
- 注意が必要なケース..心臓の悪い人(心不全、不整脈など)、コントロール不十分な糖尿病の人など。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 心臓や高血圧の薬と相互作用を起こす可能性があります。服用中の薬は医師に伝えておきましょう。
 【使用にあたり】
- 点眼方法や点眼回数は、説明書に従ってください。決められた方法で点眼することが大切です。
- できるだけ仰向けの状態で点眼するようにします。1滴点眼したあと、ゆっくりと目を閉じ、まばたきをしないで1〜5分間そのまま閉じていてください。このとき、目頭を指で押さえておくと鼻や口に薬液が回らず苦い思いをしなくて済みますし、全身性の副作用の予防になります。
- 特別な指示がなければ1滴で十分です。うまく命中しなかったときだけ、もう1滴さすようにすればよいでしょう。むやみに何滴もさすと、全身の副作用がでやすくなり危険です。
- 点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意しましょう(薬液汚染防止のため)
- 点眼液が目の回りに付いたり、目からあふれ出たときは、すぐ拭き取るようにしてください(皮膚がかぶれることがあります)。
- 他の点眼薬と併用しているときは、点眼間隔を5分以上あけてください。
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効能 |
緑内障、高眼圧症。 |
用法 |
通常、1回1〜2滴を1日2回点眼する。なお、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
目の局所の副作用としては、刺激感、充血、かゆみ、かすみ目などがみられます。ときに、目にゴロゴロ感や乾燥感を生じ、角膜に傷ができることもあります。痛みがひどいときは、早めに受診してください。
微量ながら有効成分が体内に吸収されます。喘息発作を誘発したり、心臓や血圧に悪い影響をおよぼす可能性があります。重症化することはまずありませんが、念のため注意してください。なお、目薬の全身への吸収は、点眼のしかたである程度防ぐことができます。決められた方法で点眼することが大切です。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 眼類天疱瘡..目のひどい充血・腫れ、強い痛み
- 喘息発作の誘発..咳き込む、ぜいぜい息をする、息をするときヒューヒュー音がする、息切れ、呼吸しにくい。
- 心不全、心ブロック、高度な徐脈..息苦しい、胸が苦しい、動悸、疲れやすい、むくみ、急な体重増加、脈が飛ぶ、脈が1分間50以下、めまい、気が遠くなる、失神。
 【その他】
- 刺激感、しみる、かゆみ、かすんで見える
- まぶたの腫れ、充血
- 目の乾燥感、角膜障害
- 頭痛、めまい、徐脈、動悸、低血圧
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