おくすり110番
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成分(一般名) リパスジル塩酸塩
製品例 グラナテック点眼液0.4% ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 眼科用剤/Rhoキナーゼ阻害薬/Rhoキナーゼ阻害薬

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 眼圧を下げる目薬です。緑内障や高眼圧症の治療に用います。
作用

【働き】

眼球内では房水と呼ばれる水分が循環しています。その役目は、内側から圧をかけ眼球を保つこと、それと目に栄養分を与えることです。ところが、房水が充満しすぎると、眼圧が上がり視神経を圧迫してきます(高眼圧症)。そのままでいると視神経が弱り、視野が狭くなったり視力が落ちたりします。このような状態が高眼圧をともなう典型的な緑内障です。

この目薬は、房水の流出を促進することで 眼圧を下げます。このため、緑内障や高眼圧症の治療に用いられます。ただし、第1選択されることはなく、標準薬のβ遮断薬やプロスタグランジン(PG)関連薬が効果不十分または副作用などで使用できない場合に処方されます。緑内障の治療目標は、眼圧を健常眼圧まで下げることにより、視力や視野を長期にわたり維持することです。

【薬理】

Rhoキナーゼは、タンパク質リン酸化酵素の一種です。平滑筋細胞の収縮をはじめ、各種細胞の形態制御など様々な生理機能を担っている酵素です。この薬は、Rhoキナーゼを阻害し、線維柱帯-シュレム管を介する主流出路からの房水流出を増加させると考えられています。このような作用機序からRhoキナーゼ阻害薬と呼ばれています。

【臨床試験】

緑内障の患者さんをクジ引きで分け、52人はこの薬を、別の54人はプラセボ(にせ薬)を点眼し、それぞれの眼圧下降効果を比較する試験がおこなわれています。本当にプラセボを上回る効果があるのかを確かめるのが目的です。効果の判定は2カ月間の一定時期の眼圧の変化量でおこないます。

その結果、この薬を点眼していた人達の眼圧は、点眼直前で平均2.9下がり、点眼2時間後で平均4.0低下しました。一方、プラセボの人達は点眼直前で平均1.8下がり、点眼2時間後で平均1.7低下しました。この点眼薬のほうが明らかに眼圧が低下し、緑内障の治療に有効なことが確かめられたわけです。また、別におこなわれたPG関連薬やβ遮断薬との併用試験においても、単薬治療を上回る効果が示されています。
特徴
  • Rhoキナーゼ阻害薬に分類される新しい作用機序の点眼薬です。同系の緑内障治療薬として世界初です。単薬治療およびβ遮断薬との併用療法における有効性が確認されています。
  • 治療効果では標準薬のβ遮断薬やPG(プロスタグランジン)関連薬に及ばないようです。このため、他の標準薬が副作用で使えないときや、効果が不十分なときに、第二、第三選択されます。単薬治療あるいは他の緑内障治療薬との併用治療が可能です。
注意

【診察で】

持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。

【使用にあたり】
  • 点眼方法や点眼回数は、説明書に従ってください。通常は1日に2回点眼します。根治療法ではないので、一般的に治療期間は長くなります。適正な眼圧を維持するため、決められた期間 根気よく続けなければなりません。
  • 正しく点眼することにより、副作用の予防や軽減がはかれます。以下に一般的な点眼方法を示しますが、医師の指示を優先し決められた手順で点眼してください。
  • できるだけ仰向けの状態で点眼するようにします。清潔な手で下まぶたを下にひき、容器の先がまぶたの縁やまつげに触れないように点眼してください。
  • 1滴点眼したあと、ゆっくりと目を閉じ、まばたきをしないで1〜5分間そのまま閉じていてください。このとき、目がしらを指先で押さえておくと鼻や口に薬液が回らず苦い思いをしなくて済みますし、全身性の副作用の予防になります。
  • 点眼液が目の回りに付いたり、目からあふれ出たときは、すぐにティッシュなどで拭き取ってください。
  • 他の点眼薬と併用しているときは、点眼間隔を5分以上あけてください。
  • コンタクトレンズをしている場合は、レンズをはずしてから点眼し、15分以上経過してからつけてください。防腐剤のベンザルコニウムによるレンズの変色を防ぐためです。
  • 点眼し忘れた場合は、 気づいたときに1回分を点眼してください。ただし、次の点眼時間が近い場合は忘れた分をは抜かし、次回より通常どおりに点眼してください。2回分を一度に点眼してはいけません。
  • 涼しい所に保管しましょう。なお、決められた使用期限を過ぎたら破棄するようにしてください。

【備考】

緑内障はその成因から大きく2つのタイプに分かれます。「閉塞隅角緑内障」と「開放隅角緑内障」です。閉塞隅角緑内障は、房水の排水路である隅角が虹彩でふさがれてしまうタイプです。その多くは慢性型ですが、ときに眼圧が急上昇し激しい眼痛や頭痛、充血や視覚異常などをともなう緑内障発作を起こします。一方、開放隅角緑内障は、隅角とは関係なく、房水の排水口が目詰まりするタイプです。慢性に推移し、自覚症状が乏しく、視野異常にも気づきにくいので、自覚したときには相当に進行していることが多いです。

治療方法も違います。閉塞隅角緑内障では、房水を排出させるための手術を優先し、薬物療法は補助的におこなわれます。一方、開放隅角緑内障では、点眼薬による薬物治療が中心になります。その第一選択薬として処方されるのがプロスタグランジン(PG)関連薬またはβ遮断薬です。Rhoキナーゼ阻害薬(この薬)はその次の処方候補といえるでしょう。単薬で効果不十分な場合は、これらによる併用療法がおこなわれます。

なお、最近の調査で、緑内障の約6割が「正常眼圧緑内障」であることが分かりました。眼圧は正常範囲なのに緑内障になってしまうのです。視神経が耐えられる眼圧には個人差があり人それぞれで大きく異なります。視神経がもともと弱いなど、必ずしも高い眼圧だけが緑内障の要因ともいえないのです。治療は、開放隅角緑内障に準じますが、その人にとっての適正な眼圧‘健常眼圧’になるように、より低めにコントロールするようにします。
効能 次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症
  • 注意:プロスタグランジン関連薬やβ遮断薬等の他の緑内障治療薬で効果不十分又は副作用等で使用できない場合に本剤の使用を検討すること。
用法 1回1滴、1日2回点眼する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 点眼時に目が充血したり刺激を感じることが多いです。多くは一過性ですが、持続する場合は早めに受診してください。長期投与試験で、アレルギー性結膜炎や眼瞼炎の発現頻度が高くなる傾向が認められているようです。

  • 点眼時の結膜充血や刺激感、目のかゆみ
  • 結膜炎、眼瞼炎、角膜炎
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用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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