おくすり110番
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成分(一般名) オミデネパグ イソプロピル
製品例 エイベリス点眼液0.002%、エイベリスミニ点眼液0.002% ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 眼科用剤/EP2受容体作動薬/選択的EP2受容体作動薬

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 眼圧を下げる目薬です。緑内障や高眼圧症の治療に用います。
作用

【働き】

眼球内では房水と呼ばれる水分が循環しています。房水の役目は、内側から圧をかけ眼球を保つこと、それに目に栄養分を与えることです。ところが、房水が充満しすぎると、眼圧が上がり視神経を圧迫してきます(高眼圧症)。そのままでいると視神経が弱り、視野が狭くなったり視力が落ちたりします。このような状態が高眼圧をともなう典型的な緑内障です。

この目薬は、房水の流出を促進することで 眼圧を下げます。このため、緑内障や高眼圧症の治療に用いられます。既存薬と作用が違うので、他剤無効例に対しても一定の効果が期待できます。緑内障の治療目標は、健常眼圧を日々保つことにより、視力や視野を長期にわたり維持することです。根治療法ではないので治療期間は長くなりますが、眼圧を適正にコントロールするため根気よく続けなければなりません。

【薬理】

房水流出にかかわる生理活性脂質PGE2(Prostaglandin E2)の受容体であるEP2(Type E Prostanoid receptor-2)を選択的に刺激することにより、ぶどう膜強膜流出経路および線維柱帯流出経路の両方からの房水流出を促進します。このような作用から「選択的EP2受容体作動薬」と呼ばれています。

【臨床試験】

この薬の有効性と安全性を、既存の標準薬の一つPG関連薬のラタノプロスト(キサラタン)点眼液と比較する試験が行われています。試験の目標は、ラタノプロストに劣らない同様の効果を証明することです。参加したのは開放隅角緑内障または高眼圧症の患者さん189人。このうち94人はこの薬を、別の95人はラタノプロストを点眼します。そして点眼1カ月後の眼圧の変化量(低下幅)を比較するのです。

その結果、この薬を点眼していた人達の眼圧(mmHg)は平均5.9(23.8→17.8)低下、ラタノプロストを点眼していた人達は6.6(23.4→17.0)低下しました。ラタノプロストより小さい低下幅になりましたが、事前に規定した非劣性の基準は満たされ、その差に臨床的意義はないとされました。ラタノプロストに劣らない同程度の有効性が確認できたわけです。一方、安全性については、結膜充血、虹彩炎、黄斑浮腫がラタノプロストより多くみられ、注意が必要とされました。
特徴
  • 新しいタイプの緑内障・高眼圧症治療薬です。広くはPG関連薬(プロスタグランジン関連薬)に分類されますが、作用する受容体が違います。既存薬がPGF2αのFP受容体(Type F Prostanoid receptor)に作用するのに対し、この薬はPGE2のEP2受容体(Type E Prostanoid receptor-2)に作用します。世界初の選択的EP2受容体作動薬として発売されました。
  • 既存のPG関連薬はぶどう膜強膜流出経路からの房水流出を促進しますが、この薬はぶどう膜強膜流出経路と線維柱帯流出経路の両方からの房水流出を促進して眼圧を下げます。主に開放隅角緑内障または高眼圧症の治療に用いられます。
  • 実際の臨床試験でも標準的なラタノプロスト(キサラタン)点眼液と同程度の眼圧下降効果が示されています。また、他剤無効例を対象とした試験でも有意な眼圧下降が示され、さらにβ遮断薬のチモロール点眼液との併用試験において効果増強が認められています。
  • 全身性の副作用はなく、また既存のPG関連薬にみられる色素沈着や睫毛伸長など美容上の問題もありません。一方で、結膜充血、虹彩炎、黄斑浮腫などの発現率がより高い可能性があります。当面は、既存薬が効果不十分な場合、あるいは副作用で使用できない場合などに処方されることでしょう。
  • 1本2.5mL容器に加え、1本0.3mLのミニ点眼液があります。ミニ点眼液は保存剤が含まれないため1回使いきりです。保存剤のベンザルコニウムに対し過敏症のある人や角膜障害のある人に適します。
注意
【診察で】
  • 白内障手術など目の手術を受けたことのある人は医師に報告してください。
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 副作用や注意事項についてよく説明を受けてください。虹彩炎や黄斑浮腫のリスクについてもよく聞いておきましょう。

【注意する人】

白内障手術で眼内レンズを挿入している人や水晶体が無い人は使用できません。黄斑浮腫に伴う視力障害を起こす可能性が高いためです。虹彩炎など炎症性の目の病気がある人は、症状悪化に注意するなど慎重に用います。

  • 適さないケース..眼内レンズ挿入眼、無水晶体眼、白内障手術を予定している人。
  • 注意が必要なケース..虹彩炎、ぶどう膜炎など眼炎症性疾患のある人、糖尿病網膜症網膜や網膜色素変性症など網膜に病気がある人、黄斑浮腫を生じている人や既往のある人。

【使い合わせ】

PG関連薬のタフルプロスト含有点眼液(タプロス、タプコム)とはいっしょに使用できません。併用すると虹彩炎など眼炎症が起こりやすいことが分かっています。β遮断薬などその他の点眼薬と併用する場合も、結膜充血や眼炎症など副作用の発現に十分注意しなければなりません。

【使用にあたり】
  • 通常、1日1回、1滴点眼します。時間は指示通りにしてください。仮に、夜に点眼すると、点眼後の充血が朝には軽減していると考えられます。
  • 決められた手順で点眼してください。正しく点眼することにより、副作用の予防や軽減がはかれます。以下に一般的な点眼方法を示します。上を向き、清潔な手で下まぶたを下にひき、容器の先がまぶたの縁やまつげに触れないように点眼します。1滴点眼したあと、ゆっくりと目を閉じ、まばたきをしないで1〜5分間そのまま閉じていてください。このとき、目がしらを指先で押さえておくと鼻や口に薬液が回らず苦い思いをしなくて済みますし、全身性の副作用の予防になります。点眼液が目の回りに付いたり、目からあふれ出たときは、ガーゼやティッシュで拭き取るか、目を閉じて洗顔してください。
  • 他の点眼薬とは、少なくとも5分以上をあけて点眼してください。
  • コンタクトレンズを付けている場合は、レンズを外してから点眼し、10分以上あけてレンズを再装用してください。付けたまま点眼すると、保存剤でレンズが変色するおそれがあります。保存剤を含まないミニ点眼液は付けたまま点眼可能です。
  • ミニ点眼液の場合、点眼する前に1〜2滴捨ててください。また、保存剤を含有しないので、1回きりの使用とし、残液は廃棄してください。
  • 点眼し忘れたら、 すぐに1回分を点眼してください。ただし、翌日に気づいた場合は、前日分は抜かし、通常どおり1日1回1滴点眼してください。1日に2回点眼したり、1回に2滴点眼してはいけません。
  • 子供の手の届かない涼しい所で保管してください。開封後は添付の遮光用投薬袋に入れ、1カ月以内であれば室温(1〜30度)で保管することもできます。なお、決められた使用期限を過ぎたら破棄してください。
  • 根治療法ではないので、一般的に治療期間は長くなります。適正な眼圧を維持するため、決められた期間 続けてください。

【食生活】

点眼後、一時的にかすんだり、まぶしく見えることがあります。回復するまで危険な機械類の操作や車の運転は避けてください。

【備考】

緑内障はその成因から大きく2つのタイプに分かれます。「閉塞隅角緑内障」と「開放隅角緑内障」です。閉塞隅角緑内障は、房水の排水路である隅角が虹彩でふさがれてしまうタイプです。その多くは慢性型ですが、ときに眼圧が急上昇し激しい眼痛や頭痛、充血や視覚異常などをともなう緑内障発作を起こします。一方、開放隅角緑内障は、隅角とは関係なく、房水の排水口が目詰まりするタイプです。慢性に推移し、自覚症状が乏しく、視野異常にも気づきにくいので、自覚したときには相当に進行していることが多いです。

治療方法も違います。閉塞隅角緑内障では、房水を排出させるための手術を優先し、薬物療法は補助的におこなわれます。一方、開放隅角緑内障では、点眼薬による薬物治療が中心になります。その第一選択薬として処方されるのがプロスタグランジン(PG)関連薬またはβ遮断薬です。単薬で効果不十分な場合は、これらによる併用療法がおこなわれます。配合剤(この薬)を用いれば、併用療法が1回の点眼ですむので治療が楽です。

なお、最近の調査で、緑内障の約6割が「正常眼圧緑内障」であることが分かりました。眼圧は正常範囲なのに緑内障になってしまうのです。視神経が耐えられる眼圧には個人差があり人それぞれで大きく異なります。視神経がもともと弱いなど、必ずしも高い眼圧だけが緑内障の要因ともいえないのです。治療は、開放隅角緑内障に準じますが、その人にとっての適正な眼圧‘健常眼圧’になるように、より低めにコントロールするようにします。
効能 緑内障、高眼圧症
用法 1回1滴、1日1回点眼する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 結膜充血を起こしやすいですが、その程度は比較的軽度です。点眼後徐々に軽減し、たいていは半日くらいで消失します。また、続けているうちに軽くなることが多いです。まれに虹彩炎など目の中に炎症を起こすこともあります。

黄斑浮腫は、白内障手術で眼内レンズを挿入している人(処方禁止)に多発した副作用です。それ以外の人はまれですが、物が見えにくいなど 視力低下や視力障害、目の痛み、まぶしいといった症状があらわれたら直ちに受診してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 黄斑浮腫..視力低下、かすんで見える、視野中心が見えづらい、目が痛い。

【その他】
  • 結膜充血
  • 点眼時の刺激感、痛み、かすみ、まぶしい
  • 虹彩炎(眼痛、まぶしい)、角膜肥厚
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye