概説 |
心臓の収縮力を強めるお薬です。心不全などで心臓が弱っているときに用います。 |
作用 |
- 【働き】
- 心臓のポンプ機能が低下すると、血液や水分の循環が悪くなります。その結果、体に余分な水分がたまりやすくなり、浮腫(むくみ)を生じたり、息苦しさや疲れを感じるようになります。肺に水分がたまると、咳がでたり、ゼーゼーとぜん息のような呼吸になることもあります。このような状態が「心不全」です。
このお薬は、心臓の収縮力を強くします。血液がよく回るようになるので、息苦しさが楽になり、浮腫も改善されます。
- 【薬理】
- 心筋の収縮に必要なカルシウムを細胞内に取り込むことで、心臓の収縮力を強くします。その結果として、心不全の症状が改善されます。
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特徴 | ジギタリス系の仲間ですが、徐脈作用は弱いようです。 |
注意 |
【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 他の薬と相互作用を起こしやすい性質があります。別の薬を飲んでいる場合は、そのことを報告しておきます。
- 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解しておくことが大切です。
- 【注意する人】
- 腎臓の悪い人や高齢の人は、この薬の排泄が遅れるので、慎重に用います。
- 適さないケース..房室ブロック、洞房ブロック、閉塞性心筋疾患など。
- 注意が必要なケース..腎臓の悪い人、高齢の人など。
- 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 利尿薬と併用するときは、血液中のカリウム分に注意します。カリウムが減ると、ジギタリス中毒が現れやすくなるためです。カルシウム剤や、骨の薬のビタミンD剤、抗甲状腺製剤、胃腸薬との併用も慎重におこないます。そのほかにも、飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。服用中の薬は、市販薬も含め、必ず医師に報告しておいてください。
【使用にあたり】
- 決められた飲み方、服用量を厳守してください。
- 飲む量は、症状や薬の血中濃度から、医師により適切にコントロールされなければなりません。
- 飲み忘れにも注意してください。万一飲み忘れた場合、2回分を同時に飲んではいけません。
- できたら毎日、自分で脈を数えてください。もし、脈が遅かったり(50/分以下)、逆に異常に速いとき、また脈が飛んだり乱れるときは、すぐに受診してください。
【検査】
- この薬の血中濃度が一定に保たれているか検査することがあります。
- 定期的に、心電図や血液の検査が必要です。
【食生活】
- 決められた食生活を守るようにしましょう。症状によっては、水分や塩分の摂取制限、運動制限が必要です。
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効能 |
次の疾患にもとづくうっ血性心不全(肺水腫、心臓喘息などを含む)//先天性心疾患、弁膜疾患、高血圧症、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)、肺性心(肺血栓・塞栓症、肺気腫、肺線維症などによるもの)、その他の心疾患(心膜炎、心筋疾患など)、腎疾患、甲状腺機能亢進症ならびに低下症など。 |
用法 |
プロスシラリジンとして、通常成人1日1.5mg(1回0.5mgを1日3回)を2〜5日間経口服用する。効果があらわれたら1日量0.5〜1mgを2〜4回に分割経口服用する(1日平均服用量0.75mg)。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
中毒症状に注意してください。ジギタリス薬は、量が多いと中毒を起こし、まれに重い不整脈を誘発します。中毒症状の早期発見が重要です。吐き気、吐く、下痢、頭痛、視覚の異常、動悸、脈の異常、めまい・・。もし、このような症状が現れたら、すぐ医師に連絡してください。薬の量が多すぎるかもしれません。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 中毒症状..食欲不振、吐き気、下痢、動悸、脈の乱れ、視覚異常(チカチカする、黄色や緑色に見える、二重に見える)、脱力感、頭痛、もの忘れ、取り乱す
【その他】
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