概説 |
心臓の収縮力を強めるお薬です。心不全の治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- 心臓のポンプ機能が低下すると、血液や水分の循環が悪くなります。その結果、体に余分な水分がたまりやすくなり、浮腫(むくみ)を生じたり、息苦しさや疲れを感じるようになります。肺に水分がたまると、咳がでたり、ゼーゼーとぜん息のような呼吸になることもあります。このような状態が「心不全」です。
このお薬は、強心薬です。心臓の収縮力を強くする作用があります。血液がよく回るようになるので、体のだるさや息苦しさが楽になります。急性心不全にも有効です。
 【薬理】
- 心筋の収縮に必要なカルシウムに対する感受性を高めます。
- 血管を広げて、体の血流をよくします。その結果、心臓の負担も軽くなります。
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注意 |

- 【診察で】

- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。

- 【注意する人】

- 心筋梗塞や不整脈のある人は慎重に用います。
- 注意が必要なケース..急性心筋梗塞、重い不整脈、脳血管障害、肝臓や腎臓の悪い人など。
 【使用にあたり】
- 決められた飲み方、服用量を厳守してください。
- よい効果がでるのに、数カ月かかることがあります。指示された期間続けてください。
- 定期的に、心電図や血圧、血液の検査を受ける必要があります。

- 【食生活】

- 決められた食生活を守るようにしましょう。症状によっては、水分や塩分の摂取制限、運動制限が必要です。

- 【備考】

- 長期的な予後(長生きできるか)の改善効果についてはよく分かっていません(否定的な報告と肯定的な報告)。他の薬が無効なときにかぎるなど、慎重に用います。
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効能 |

- 【効能A】

- 次の状態で、利尿剤等を投与しても十分な心機能改善が得られない場合//急性心不全。

- 【効能B】

- 次の状態で、ジギタリス製剤、利尿剤等の基礎治療剤を投与しても十分な効果が得られない場合//慢性心不全(軽症〜中等症)。
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用法 |

- 【効能A】

- 成人はピモベンダンとして1回2.5mgを経口服用する。なお、患者の病態に応じ、1日2回経口服用することができる。また、必要に応じて、ジギタリス製剤等と併用する。

- 【効能B】

- 通常、成人はピモベンダンとして1回2.5mgを1日2回食後に経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、ジギタリス製剤、利尿剤等と併用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
動悸(ドキドキ感)を感じることがあります。ひどいときは、すぐに受診してください。まれですが、重い不整脈を起こす危険性があります。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 重い不整脈..動悸、頻脈(120/分以上)、徐脈(50/分以下)、胸の痛みや違和感、胸苦しい、だるい、めまい、立ちくらみ、気が遠くなる、失神。
- 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
 【その他】
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