概説 |
尿の量を増やし、血圧を下げるお薬です。浮腫や高血圧症の治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- 体の余分な水分を塩分とともに尿に排出します。その結果、むくみがとれて血圧が下がります。同時に心臓の負担も軽くなります。
おもに、いろいろな病気で生じる浮腫(むくみ)の治療に用います。降圧作用はそれほど強くありません。

- 【薬理】

- 体の水分を増やし血圧を上げるアルドステロンというホルモンの働きを抑制します。アルドステロンが抑えられると、水分と塩分(ナトリウム)が尿になってたくさん排出されます。他の利尿薬と異なり、カリウムの排泄が抑えられます。
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特徴 |
- 抗アルドステロン薬です。特徴的なのは体のカリウム分を保つ点で、カリウム保持性利尿薬とも呼ばれます。
- 同類薬としては、女性化乳房などホルモン系の副作用がありません。
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注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に伝えてください。

- 【注意する人】

- 尿がまったく出ないときや急性腎不全には用いません。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。服用中の薬は、医師に報告しておきましょう。
- 他の降圧薬と併用するときは、血圧の下がりすぎに注意します。とくにACE阻害薬およびA2拮抗薬という系統と併用するときは、高カリウム血症にも注意が必要です。
- 飲酒は控えてください。めまいや立ちくらみがでやすくなります。
 【使用にあたり】
- 決められた飲み方、服用量を守ってください。
- 尿量が増えるので、夜の服用は避けるのが一般的です。
- 別の利尿薬といっしょに飲むことがあります。併用することでカリウム分のバランスがとれます。

- 【検査】

- 血液検査を定期的に受ける必要があります。カリウム値が増えすぎていないか調べます。
 【食生活】
- 血圧が下がり、めまいを起こすことがあります。車の運転や高所での危険な作業には十分注意してください。
- 本態性高血圧症では、生活習慣の見直しも大切。減塩などの食事療法、運動療法、肥満があれば体重を落とすだけでも血圧が下がるものです。軽い高血圧であれば、薬をやめられることもあります。できたら簡易血圧計で自宅で血圧測定をおこない、適切に血圧がコントロールされているかチェックすることをおすすめします。
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効能 |
- 高血圧症(本態性、腎性等)。
- 心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫。
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用法 |
通常、成人はトリアムテレンとして1日90〜200mgを2〜3回分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
血液中のカリウム分が増えすぎてしまうことがあります。ひどくなると、精神的な変調をきたしたり、不整脈を起こすおそれがあります。予防のために、定期的に血液検査を受けるようにしましょう。そうすれば安心です。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 高カリウム血症..だるい、息切れ、脈の乱れ、手足のしびれ、不安感、取り乱す、けいれん。
- 急性腎不全..尿が少ない・出ない、むくみ、尿の濁り、血尿、だるい、吐き気、頭痛、のどが渇く、けいれん、血圧上昇。
 【その他】
- だるい、めまい、頭痛
- 吐き気、食欲不振
- 発疹、じん麻疹、貧血
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