概説 |
血圧を下げるお薬です。高血圧症に用います。 |
作用 | 
- 【働き-1】

- 血管を収縮させる交感神経をゆるめる作用があります。交感神経がゆるむと、血管が広がり血圧が下がります。血圧を適切にたもつことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぐことにつながります。

- 【働き-2】

- 脳の神経をしずめる作用があります。脳内神経伝達物質であるセロトニンやカテコールアミンを枯渇させることによります。

- 【働き-3】

- 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌抑制作用を持ち合わせています。
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特徴 | ラウオルフィア系の降圧薬です。最近は処方されることが少ないです。降圧薬として第一選択されることはないでしょう。適応外ですが、皮膚科で、じん麻疹の治療に応用されることがあります。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人、また妊娠中の人は、医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に伝えてください。

- 【注意する人】

- うつ病やうつ状態の人には用いません。症状が悪化するおそれがあります。また、胃潰瘍など消化性潰瘍のある人も控えます。高齢の人も副作用がでやすいので、少量より開始するなど慎重に用います。
- 適さないケース..うつ病・うつ状態、消化性潰瘍、電気ショック療法を受ける場合、妊娠中など。
- 注意が必要なケース..腎臓病、心臓病(心不全)、てんかん、喘息、高齢の人など。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。服用中の薬は、市販薬もふくめ医師に報告しておきましょう。
- 他の降圧薬と併用するときは、血圧の下がりすぎに注意します。とくにβ遮断薬との併用では、脈が遅くなったり鎮静作用が強まる可能性があります。
- 心臓の薬のジギタリス薬や抗不整脈薬との併用により、徐脈など脈の異常を生じるおそれがあります。
- 抗パーキンソン病薬や抗うつ薬と相互作用を起こす可能性があります。
- 別の安定剤や、かぜ薬といっしょに飲むと、眠気が強まるかもしれません。
- 飲酒は控えてください。めまいや立ちくらみがでやすくなります。

- 【使用にあたり】

- 決められた飲み方、服用量を守ってください。
 【食生活】
- とくに飲み始めに、眠くなったり、めまいを起こすことが多いです。車の運転など危険な作業は控えてください。
- 本態性高血圧症では、生活習慣の見直しも大切。減塩などの食事療法、運動療法、肥満があれば体重を落とすだけでも血圧が下がるものです。軽い高血圧であれば、薬をやめられることもあります。できたら簡易血圧計で自宅で血圧測定をおこない、適切に血圧がコントロールされているかチェックすることをおすすめします。
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効能 |
 【適用】
- 高血圧症(本態性、腎性等)、悪性高血圧(他の降圧剤と併用する)。
- フェノチアジン系薬物の使用困難な統合失調症。

- 【応用】

- 医師の判断で、別の病気に応用されるかもしれません(じん麻疹など)。
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用法 |
- 降圧..レセルピンとして、通常、成人1日0.2〜0.5mgを1〜3回に分割経口服用する。血圧が下降し、安定化した場合は維持量として1日0.1〜0.25mgを経口服用する。
- 鎮静..レセルピンとして、通常、成人1日0.2〜2mgより始め、患者の反応を観察しながら増減する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
まれに、抑うつ症状があらわれます。気分がいつもと違うときは、この薬のせいかもしれません。早めに受診しましょう。
もともと胃の悪い人は、胃腸症状にも注意が必要です。万一、強い腹痛や下血がみられたらすぐに受診してください。
そのほか、眠気や口の渇きが多いほうです。また、特異な副作用として、ふるえ、悪い夢、鼻づまりなどもみれます。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 抑うつ..憂うつ、気分がひどく落ち込む、やる気がでない、悲観的、不安感、不眠。
- 胃潰瘍..胃痛、下血(黒いタール状の血液便)、吐血(コーヒー色のものを吐く)。
 【その他】
- 眠気、だるい、めまい
- 徐脈(脈が遅い)、脈の乱れ
- ふるえ、こわばり、脱力感
- 鮮明な夢、悪い夢、性欲減退
- 口が渇く、吐き気、下痢
- 鼻づまり、尿が出にくい
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