概説 |
血圧を下げるお薬です。 |
作用 | チアジド系の利尿薬とレセルピンの配合薬です。利尿薬のベンチルヒドロクロロチアジドは、体の余分な水分を塩分とともに尿に排出します。その結果、むくみがとれて血圧も下がります。
レセルピンは、脳や体の交感神経を抑制します。交感神経がゆるむと、血管が広がり血圧が下がります。
血圧を適切に保つことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぐことにつながります。 |
特徴 | 最近はあまり処方されませんが、チアジド系利尿薬は、海外のいくつもの臨床試験で、寿命を延ばすことが証明されています。もう一つの成分のレセルピンは、ほとんど使用されなくなりました。古くからある薬で、値段(薬価)が安いというメリットがあります。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人、また妊娠中の人は、医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に伝えてください。

- 【注意する人】

- 尿がまったく出ないときや急性腎不全には用いません。重い腎臓病や肝臓病、うつ病のある人には向きません。また、糖尿病や痛風を悪化させるおそれがあります。高齢の人も副作用がでやすいので、少量より開始するなど慎重に用います。
- 適さないケース..無尿、急性腎不全、うつ病・うつ状態、消化性潰瘍、潰瘍性大腸炎、電気ショック療法を受ける場合、妊娠中など。
- 注意が必要なケース..糖尿病、痛風、腎臓病、肝臓病、高カルシウム血症、てんかん、喘息、高齢の人など。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。服用中の薬は、市販薬もふくめ医師に報告しておきましょう。
- 類似作用をもつ舞踏運動改善薬のテトラベナジン(コレアジン)との飲み合わせは禁止です。
- 男性の夜間頻尿にデスモプレシン(ミニリンメルト)を使用している場合は併用できません。併用により低ナトリウム血症を起こすおそれがあるためです。
- 他の降圧薬と併用するときは、血圧の下がりすぎに注意します。とくにACE阻害薬という系統と併用するときは、ごく少量を用いるようにします。
- β遮断薬との併用は、血糖値が高くなりやすいです。
- 糖尿病の薬の作用を弱めるおそれがあります。
- 気分安定薬のリチウム(リーマス)と併用するときは、リチウム中毒による副作用に注意が必要です。
- 心臓の薬のジギタリス薬と併用するときは、ジギタリス中毒の副作用に十分注意します。
- カルシウム剤やビタミンD製剤など骨の薬と併用するときは、血液中のカルシウム値の増えすぎに注意します。
- ステロイド薬やグリチルリチン製剤、一部の漢方薬と飲み続けるときは、低カリウム血症に注意します。
- 鎮痛薬との併用により、この薬の降圧作用が弱まる可能性があります。
- 抗パーキンソン病薬や抗うつ薬と相互作用を起こす可能性があります。
- 飲酒は控えてください。めまいや立ちくらみがでやすくなります。
 【使用にあたり】
- 決められた飲み方、服用量を守ってください。
- ふつう、朝1回、または朝とお昼の2回に服用します。尿量が増えるので、夜の服用は避けるのが一般的です。

- 【検査】

- 血液検査を定期的に受ける必要があります。カリウム、カルシウム、血糖、尿酸値などに異常がないか調べます。
 【食生活】
- 血圧が下がり、めまいを起こすことがあります。車の運転や高所での危険な作業には十分注意してください。
- くだものや野菜類をたくさんとるとよいでしょう。不足しがちなカリウム分が補えます。
- 本態性高血圧症では、生活習慣の見直しも大切。減塩などの食事療法、運動療法、肥満があれば体重を落とすだけでも血圧が下がるものです。軽い高血圧であれば、薬をやめられることもあります。できたら簡易血圧計で自宅で血圧測定をおこない、適切に血圧がコントロールされているかチェックすることをおすすめします。
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効能 |
高血圧症(本態性、腎性等)、悪性高血圧症。 |
用法 |
通常成人1回1〜2錠を1日1〜2回経口服用する。血圧が下降し、安定化した場合は維持量として1日1〜2錠を経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
まれに、うつ状態があらわれます。気分がいつもと違うときは、この薬のせいかもしれません。早めに受診してください。
飲み始めの体のだるさは、徐々に慣れてくるものです。服用量が多いと、脱水を起こしたり血圧が下がりすぎて、強いめまいや立ちくらみを起こすことがあります。とくに高齢の人、また他の薬と併用するときに注意してください。
長期に多めの量を飲み続けると、血液中のナトリウムやカリウム分が減ってしまったり、逆に、カルシウム、血糖、尿酸値などが増えてくることがあります。定期的に血液の検査を受けることが大切です。
もし、日光にあたった部分に発疹ができたら、早めに医師に申し出てください。まれに光線過敏症を起こすことがあります。そのほか重い副作用はまずありませんが、再生不良性貧血が報告されているようです。念のため注意してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 抑うつ..憂うつ、気分が落ち込む、やる気がでない、考えがまとまらない、悲観的、不安感、不眠。
- 再生不良性貧血..だるい、動悸、息切れ、発熱、喉の痛み、皮下出血(血豆・青あざ)や歯肉からの出血。
- 低ナトリウム血症..だるい、吐き気、嘔吐、意識もうろう、意味不明な言動、けいれん。
- 低カリウム血症..だるい、筋力低下(力が入らない)、便秘、動悸、脈の乱れ。
 【その他】
- だるい、めまい、ふらつき、立ちくらみ
- 口が渇く、吐き気、下痢
- ふるえ・こわばり、悪い夢、眠気、性欲減退
- 血糖値の上昇、糖尿病の悪化
- 尿酸値の上昇、痛風の悪化(発作誘発)
- 発疹、光線過敏症
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