おくすり110番
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成分(一般名) イルベサルタン/アムロジピン ベシル酸塩
製品例 アイミクス配合錠LD、アイミクス配合錠HD、イルアミクス配合錠LD「xx」、イルアミクス配合錠HD「xx」 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 降圧剤/ARB・Ca拮抗薬配合剤/長時間作用型ARB/持続性Ca拮抗薬配合剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 血圧を下げるお薬です。高血圧症に用います。
作用

【働き】

2種類の有効成分からできている高血圧症治療薬です。成分の1つは、ARBことアンジオテンシンU受容体拮抗薬のイルベサルタン(イルベタン、アバプロ)です。これは新しいタイプの降圧薬で、血圧を上げる「アンジオテンシンU」という体内物質をおさえる作用があります。そして、体の血管が広がり、また水分や電解質が調整されて血圧が下がります。

もう一つの配合薬は、持続性カルシウム拮抗薬のアムロジピン(ノルバスク)です。こちらは、心臓や体の血管を広げて血流をよくし、血液の抵抗を減らすことで血圧を下げます。また、心臓の収縮をおさえ、心臓を休ませる働きもします。安全性が高く副作用も少ないので、高齢の人にも使いやすい薬剤です。

これらの2成分がいっしょに作用することで、降圧効果が高まり、十分血圧が下がるようになります。また、心臓や腎臓の負担が軽くなる効果も期待できます。日々の血圧を適切にたもつことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぎ、より長生きにつながります。

【臨床試験-1】

配合成分のイルベサルタンとアムロジピンの併用効果を確かめる臨床試験が行われています。参加したのは、イルベサルタン単独療法で血圧コントロールが不十分な本態性高血圧症の患者さんです。このうち121人はプラセボ(にせ薬)を追加し、実質そのままイルベサルタンだけを飲み続けることにします。別の123人はイルベサルタンにくわえアムロジピン5mgを、116人はアムロジピン10mgを追加併用し、2カ月後の血圧の変化量を比較します。

その結果、イルベサルタンだけを飲み続けた人達の上の血圧は平均5.2(153.3→148.1)下がり、下の血圧は3.8(97.1→93.3)下がりました。一方、アムロジピン5mgを併用した人達は上が18.8(152.6→133.8)、下が13.1(96.9→83.8)下がりました。また、アムロジピン10mgを併用し人達はそれぞれ24.8(152.6→127.8)、18.1(97.4→79.3)下がりました。上140下90を達成できた人の割合は、イルベサルタン単独の人達で23.3%(27/121人)、アムロジピン5mg併用した人達で60.2%(74/123人)、アムロジピン10mg併用で83.6%(97/116人)でした。アムロジピンをくわえた併用療法により十分に血圧が下がることが確認できたわけです。

【臨床試験-2】

アムロジピン単独療法で血圧コントロールが不十分な患者さんを対象にした試験もおこなわれています。149人はプラセボ(にせ薬)を追加し、実質そのままアムロジピンだけを飲み続けます。別の143人はアムロジピンにくわえイルベサルタン100mgを追加併用し、2カ月後の血圧の変化量で比較します。

その結果、アムロジピンだけを飲み続けた人達の上の血圧は平均6.7(148.7→142.0)下がり、下の血圧は5.9(94.7→88.8)下がりました。一方、アムロジピンとイルベサルタンを併用した人達は、上が14.3(148.3→134)、下が11.2(94.8→83.6)下がりました。また、上140下90を達成できた人の割合は、アムロジピン単独の人達で32.2%(48/149人)、イルベサルタンを併用した人達で57.3%(82/143人)でした。アムロジピン単独療法に比べ、イルベサルタンとの併用療法をおこなったほうが十分に血圧が下がることが確認できたのです。
特徴
  • アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とカルシウム拮抗薬の合剤です。この組み合わせは日本で繁用されており、降圧効果の一段の増強が見込まれます。ただ、初めから使うのではなく、単剤で効果不十分な場合に処方するようにします。
  • ARBのイルベサルタンは長時間型の強力な降圧薬で、降圧効果が24時間持続します。もうひとつの配合薬アムロジピンは、使用実績がたいへん豊富なカルシウム拮抗薬です。やはり、長時間作用型で、ゆっくりと安定した効果が得られるのが特徴です。どちらも持続性があるので1日1回、服用数も1錠で済みます。
  • 配合量の異なるLDとHDの2種類の製剤が販売されています。LDはアムロジピンの含量が5mgの低用量製剤、HDは10mgの高用量製剤です。ARBのイルベサルタンの配合量はどちらも同じ100mgになります。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 妊娠中の人は医師に伝えてください。また、服用中に妊娠した場合は、すぐ医師に報告してください。
  • 服用中の薬は、医師に伝えておきましょう。

【注意する人】

虚血性の腎臓病や高カリウム血症のある人は、その病状により使用できないことがあります。糖尿病がある人で、別の高血圧の薬のアリスキレン(ラジレス)を飲んでいる人も原則的に控えるようにします。また、血液透析を受けている人、減塩療法中の人、利尿薬を服用中の人、高齢の人などは血圧の下がり過ぎに注意が必要です。妊娠中は使用できません。

  • 適さないケース..糖尿病の人でアリスキレン(ラジレス)を服用している場合、妊娠している人。
  • 注意が必要なケース..腎動脈狭窄など虚血性腎臓病のある人、高カリウム血症、重い腎臓病、肝臓病、脳卒中を起こしたことのある人、血液透析中、減塩療法中、脱水時、手術前、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。服用中の薬は、市販薬もふくめ医師に報告しておきましょう。

  • 別の血圧降下薬や利尿薬と飲み合わせるときは、血圧の下がりすぎに注意が必要です。利尿薬を服用中に この薬に切り替えまたは追加すると、思いのほか血圧が下がることがあるので、低用量から始めるようにします。
  • 血圧降下薬のアリスキレン(ラジレス)と併用するのなら、腎障害や高カリウム血症、低血圧などの発現に十分注意する必要があります。とくに重い腎臓病や糖尿病のある人は、どうしても必要な場合を除き勧められません。併用により副作用が増強し、かえって悪い結果をまねくおそれがあるためです。
  • カリウム補給薬のスローケー、またはエプレレノン(セララ)やスピロノラクトン(アルダクトン)などカリウム保持性降圧利尿薬(抗アルドステロン薬)と併用するさいは、血液中のカリウム分の増えすぎに留意しなければなりません。少量の併用でしたら、それほど心配ないでしょう。
  • 高カリウム血症をまねく飲み合わせとして、ほかにも、降圧薬のACE阻害薬、月経困難症治療薬のドロスピレノン・エチニルエストラジオール(ヤーズ)、免疫抑制薬のシクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)などがあります。
  • 飲み合わせによっては、この薬の血中濃度が上昇するおそれがあります。たとえば、抗生物質のエリスロマイシン(エリスロシン)やクラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)、抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)、高血圧や心臓病に用いるジルチアゼム(ヘルベッサー)などに注意が必要です。
  • 逆に、抗結核薬のリファンピシン(リファジン)や、抗けいれん薬のフェノバルビタール(フェノバール)、フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)あるいはカルバマゼピン(テグレトール)などは、この薬の血中濃度を低下させるかもしれません。
  • 気分安定薬のリチウム(リーマス)や免疫抑制薬のタクロリムス(プログラフ、グラセプター)の血中濃度を上昇させる可能性があります。併用のさいは血中濃度をモニターし、必要に応じこれらの用量調整をおこないます。
  • 鎮痛薬との併用により、この薬の降圧作用が弱まる可能性があります。また、もともと腎臓の悪い人では、病状を悪化させるおそれがあります。
  • グレープフルーツジュースは飲まないほうがよいでしょう。同時服用により、この薬の血中濃度が上昇するおそれがあるためです。
  • 飲酒は控えましょう。アルコールは、めまいや動悸などの副作用を強めます。

【使用にあたり】
  • ふつう、1日1回1錠だけ飲みます。飲む時間は指示通りにしてください。食事の影響はほとんどありません。
  • 自分だけの判断で、飲むのをやめてはいけません。急に中止すると、反発的に症状が悪化するおそれがあります。中止するときは、医師の判断で徐々に減量するようにします。
  • 飲み忘れにも注意してください。万一飲み忘れた場合、2回分を同時に飲んではいけません。

【検査】

血液検査を定期的に受ける必要があります。カリウムの値や、腎機能、肝機能値などに異常がないか調べます。腎機能が多少悪化しても、一過性であれば心配いりません。

【妊娠・授乳】

妊娠中には用いません。中期以降に飲み続けると、胎児の発育に悪い影響をおよぼすおそれがあるためです。もし、妊娠の可能性がでてきましたら、すぐに受診し確定検査を受けてください。

【食生活】
  • とくに飲みはじめに、めまいや立ちくらみを起こしやすいです。急に立ち上がらないで、ゆっくり動作するようにしましょう。また、車の運転や高所での危険な作業には十分注意してください。
  • 本態性高血圧症では、生活習慣の見直しも大切。減塩などの食事療法、運動療法、肥満があれば体重を落とすだけでも血圧が下がるものです。軽い高血圧であれば、薬をやめられることもあります。できたら簡易血圧計で自宅で血圧測定をおこない、適切に血圧がコントロールされているかチェックすることをおすすめします。
効能 高血圧症
用法 通常、成人は1日1回1錠(イルベサルタン/アムロジピンとして100mg/5mg又は100mg/10mg)を経口服用する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 体のだるさ、めまい感、頭痛、ほてり、潮紅などがみられます。これらは、徐々に慣れてくることが多く、それほど心配いりません。ひどいときは早めに医師に相談してください。

もともと腎臓の悪い人では、飲み始めに腎機能が一時的に悪化することがあります。この場合、「高カリウム血症」にも注意が必要です。定期的に血液検査を受けて、重くなる前に予防することが大切です。

カルシウム拮抗薬の副作用として、人によっては足の甲がむくんだり、長く飲み続けるていると歯肉が腫れてくることがあります。歯肉の腫れは、歯肉をよくブラッシングし口内を清潔に保つことで、ある程度予防可能なようです。

重い副作用はまずありませんが、薬が効きすぎると、血圧が下がりすぎて、強いめまいや立ちくらみを起こします。失神など一過性の意識消失も報告されていますので、とくに高齢の人、血液透析中、厳重な減塩療法中、夏季脱水時、また利尿薬など他の薬と併用するときなどに注意してください。

まれに肝臓が悪くなることもあります。定期的に肝機能の検査を受けたほうがよいでしょう。そのほか、顔や口が腫れあがる重篤な血管浮腫(下記)も報告されています。万一のことですが、飲み始めに念のため注意してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 過度の血圧低下..めまい・ふらつき、立ちくらみ、冷感、吐き気、嘔吐、気を失う。
  • 血管浮腫..顔や唇、舌、喉がひどく腫れる、飲み込みにくい、息がしにくい、手足が腫れる。
  • 腎不全..尿が少ない・出ない、むくみ、尿の濁り、血尿、だるい、吐き気、頭痛、のどが渇く、けいれん、血圧上昇。
  • 高カリウム血症..だるい、手や唇のしびれ、脱力、吐き気、下痢、息切れ、脈拍低下、脈の乱れ、不安感、取り乱す、けいれん。
  • 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・こわばり、脱力、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
  • 低血糖..力の抜けた感じ、ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、眠気、ぼんやり。さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)。
  • 心臓の伝導障害..胸が苦しい、脈がとぶ、脈が遅い(50/分以下)、めまい、ふらつき、失神。

【その他】
  • だるい、めまい、ふらつき、立ちくらみ、低血圧
  • ほてり、潮紅、頭痛、頭重感、動悸
  • 腎機能の一過性の悪化
  • 肝機能値の異常、発疹
  • 足のむくみ、歯肉の腫れ
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye