概説 |
血管の拡張をおさえるお薬です。片頭痛や起立性低血圧の治療に用います。 |
作用 |
- 【作用-1】
- 片頭痛は、慢性頭痛のひとつです。ズキンズキンと脈打つような強い頭痛が発作的に起こります。この薬は、血管の拡張をおさえることで、片頭痛の痛みをやわらげます。
- 【作用-2】
- 血管の緊張を保ち、血圧の低下を防ぎます。そのため、起立性低血圧にともなう、立ちくらみ、めまい、頭重感などに有効です。
|
特徴 |
- エルゴタミン系の血管収縮薬です。有効成分は、ライ麦に寄生する麦角というカビ成分に由来します(麦角製剤)。同系としては、比較的作用がおだやかなほうです。
- 基本的には頭痛発現時等に頓用しますが、期間を決めて予防薬として定期服用することがあります。
|
注意 |
【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 他の薬と相互作用を起こしやすい性質があります。別の薬を飲んでいる場合は、必ず医師に報告してください。
- 妊娠中の人は、必ず医師に伝えてください。
【注意する人】
- 病気によっては症状を悪化させるおそれがあります。高血圧、心臓病、血管の病気、また肝臓や腎臓の悪い人など、症状によっては使用できません。
- 妊婦中は使用してはいけません。
- 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- トリプタン系の片頭痛治療薬と併用すると、血圧が上がったり、血管収縮などの副作用がでやすくなります。最低でも24時間以上間隔をあける必要があります。そのほかにも、エイズの薬、抗生物質、抗真菌薬など、併用により副作用が強まる薬があります。飲み合わせには十分注意してください。
- 飲み合わせの悪い薬..トリプタン系片頭痛治療薬(イミグラン、ゾーミッグ、レルパックス、マクサルト、アマージ)、他の麦角アルカロイド製剤(カフェルゴット、エルゴメトリン、メテルギン等)、HIVプロテアーゼ阻害薬(ノービア等)、エファビレンツ(ストックリン)、デラビルジン(レスクリプター)、マクロライド系抗生物質(エリスロシン、ジョサマイシン、クラリシッド等)、アゾール系抗真菌薬(イトリゾール、フロリード等)、テラプレビル(テラビック)
- 飲み合わせに注意..β-遮断薬(インデラル、テノーミン等)、シメチジン(タガメット)、リファンピシン(リファジン)など。
- グレープフルーツジュースは飲まないほうがよいでしょう。グレープフルーツジュースに含まれるある種の成分が、この薬の血中濃度を上昇させ副作用を強めるおそれがあります。
- 喫煙は控えでください。血管収縮や動悸などの副作用を強めるおそれがあるためです。
- 【使用にあたり】
- 症状によって飲む量、飲み方が異なります。指示どおりに正しくお飲みください。
- 【妊娠授乳】
- おなかの赤ちゃんの血流を悪くしたり、流産の原因にもなりかねません。妊娠中は飲まないでください。授乳中も控えます。
【食生活】
- めまいを起こすことがあります。車の運転、危険な仕事、高所での作業には十分注意してください。
- 過労を避け、規則正しい生活を守りましょう。
|
効能 |
片頭痛(血管性頭痛)、起立性低血圧。 |
用法 |
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩として、通常成人1回1mgを1日3回経口服用する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
|
副作用 |
同類薬のなかでは作用がおだやかで、副作用も少ないほうです。人によっては、吐き気や嘔吐、食欲不振、動悸、指先の冷感などがみられます。
重い副作用はまずありませんが、長期連用による線維症が報告されているようです。長いあいだ毎日のように飲み続けている場合は、胸の痛みなど下記のような症状に念のため注意してください。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 線維症(胸膜、後腹膜、心臓弁)..胸や背中の痛み、咳、息苦しい、息切れ、むくみ。
【その他】
- 吐き気、吐く、食欲不振、口の乾き
- 動悸、指先が冷える感じ
- 眠気、めまい
- 発疹、かゆみ
|