概説 |
血管を広げ血流をよくするお薬です。狭心症や心筋梗塞に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- 狭心発作は、いわゆる心臓発作の一つです。心筋に供給される血液が不足するのが原因で、胸に圧迫感を感じたり、しめつけられるように痛みます。さらに、血管が詰まり血流が止まってしまうと、ついには心筋梗塞に至ります。
このお薬は、冠動脈拡張薬です。心臓の冠動脈のほか全身の血管を強力に広げます。そのため、心筋に血液がたくさん届くようになり、心臓の負担も軽くなります。心筋の血液不足が解消されれば、狭心発作もおさまります。
速効性の舌下錠ですので、発作時もしくは発作予感のしたときに直ちに用います。有効成分のニトログリセリンが口の粘膜からすばやく吸収され、数分で効果を発揮します。ただし、効果は一時的で、狭心症の原因そのものを治すことはできません。
 【薬理】
- 冠循環改善作用..心臓のまわりの心筋を養う血管(冠動脈)を広げます。これにより、心筋の酸素不足や栄養不足を改善します。
- 末梢血管拡張作用..体全体の末梢の血管を広げて、心臓の負担を軽くします。心不全の症状をとるのにも有効です。
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特徴 |
- いわゆる「ニトロ」と呼ばれる硝酸薬の仲間です。狭心症の治療に古くから使われています。
- 当面の狭心症状にとてもよく効きます。長期的な予後改善効果(長生き効果)についてはよく分かっていません。
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注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に伝えてください。

- 【注意する人】

- 低血圧や緑内障、脳卒中のある人は、その病状により使用できないことがあります。
- 適さないケース..重い低血圧、閉塞隅角緑内障、脳出血、重い貧血のある人など。
- 注意が必要なケース..低血圧、肺高血圧症、心筋症、高齢の人など。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 飲み合わせに注意する薬があります。飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。服用中の薬は、医師に報告しておいてください。
- 勃起障害や肺高血圧症の治療に用いるシルデナフィル(バイアグラ、レバチオ)やバルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス、アドシルカ、ザルティア)、あるいはリオシグアト(アデムパス)との併用は禁止です。併用により血圧が急激に下がるおそれがあり危険です。
- 他の降圧薬や利尿薬と併用するときは、血圧の下がりすぎに注意します。
- アスピリンなど解熱・鎮痛薬との併用により、この薬の作用が弱まる可能性があります。
- 飲酒は控えましょう。アルコールは、めまいや立ちくらみの副作用を強めます。
 【使用にあたり】
- 決められた用法用量を守ってください。
- ふつう、狭心症の発作止めとして用います。発作予感時、もしくは胸痛や胸の圧迫感などがあられたらすぐに使用してください。
- できるだけ、座るか腰掛けた状態で使用します(強いめまいや、転倒を予防します)。
- まずは1錠を舌の下に入れ、そのまま溶けるのを待ちます。舌下錠を飲んでしまうと効果がありません。口内が乾いているときは、水を少し含み舌を湿らせてから舌下すると吸収が早いです。1〜5分で効果があらわれますが、もし症状が続くようでしたら、もう1錠追加します。
- 1回の発作で3錠までとし、それでもおさまらない場合は、直ちに担当医に連絡してください。必要であれば救急車を呼びます。がまんをしてはいけません。
- 使用後は、しばらく安静にしていましょう。急に立ち上がるなど、急激な動作をしないように。また、車の運転など危険な作業は控えてください。
- 効果の持続時間は30分くらいです。
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効能 |
狭心症、心筋梗塞、心臓喘息、アカラジアの一時的緩解。 |
用法 |
ニトログリセリンとして、通常成人0.3〜0.6mg(本剤1〜2錠)を舌下使用する。狭心症に対し投与後、数分間で効果のあらわれない場合には、更に0.3〜0.6mg(本剤1〜2錠)を追加使用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
頭痛を起こすことがよくあります。また、めまいや、立ちくらみにも注意しましょう。頭痛は一過性で、しだいに軽くなってきます。ひどいときは医師に相談してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 過度の血圧低下..めまい・ふらつき、立ちくらみ、冷感、吐き気、嘔吐、気を失う。
 【その他】
- 頭痛、顔のほてり、潮紅
- めまい・ふらつき、立ちくらみ、動悸、血圧低下
- 吐き気、吐く
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