概説 |
血液中の中性脂肪を減らすお薬です。 |
作用 | 高脂血症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎる状態です。自覚症状がなくても、長い間に動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞の原因にもなりかねません。
このお薬には、中性脂肪(トリグリセリド)を減らす作用があります。血液中の中性脂肪を低下させていれば、将来起こるかもしれない心筋梗塞や脳梗塞の危険性を少なくできる可能性があります。 |
特徴 | 中性脂肪を低下させる抗高脂血症薬です。高脂血症のうち、中性脂肪(トリグリセリド)が多い“高トリグリセリド血症”に適応します。強力な作用はありませんが、副作用はほとんどありません。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に伝えましょう。

- 【注意する人】

- 出血性の病気のある人や、腎臓の悪い人は慎重に用います。
- 注意が必要なケース..出血性の病気や出血傾向のある人、重い腎臓病。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- ワルファリンなど抗凝血薬と併用すると、出血傾向が強まるおそれがあります。
 【使用にあたり】
- 指示どおりに正しくお飲みください。長期に飲み続けることが多いです。
- 腸で溶ける腸溶剤ですので、かみ砕いてはいけません。そのまま、多めの水で飲んでください。

- 【検査】

- 血液凝固能の検査をおこなうことがあります。

- 【食生活】

- 食事療法や運動療法、適切な体重の維持、禁煙なども大切です。これらをきちんとおこなえば、薬を飲まなくて済むことが多いものです。薬を飲みはじめても、不摂生をしては意味がありません。
 【備考】
- コレステロールは、臨床的意義により大きく2つのタイプに分類されます。一つは悪玉とされるLDLコレステロール、もう一つは善玉のHDLコレステロールです。LDLは肝臓からコレステロールを全身の組織に運ぶ役目をしているのですが、多すぎると血管内壁に入り込み動脈硬化をすすめます。一方、善玉とされるHDLは、全身の組織から余分なコレステロールを回収し肝臓に戻します。このHDLコレステロールが少なすぎるのも良くないので、脂質異常症(高脂血症)のひとつの判定基準になります。
- 中性脂肪(トリグリセリド)も脂質異常症の主要な判定基準です。中性脂肪はエネルギー源として体に蓄えられるのですが、必要以上に多いと動脈硬化をすすめる危険因子となってしまいます。
- 薬を飲む必要があるかは、単にコレステロールや中性脂肪の値だけでは判断できません。喫煙、肥満、年齢、高血圧、糖尿などがあり、心筋梗塞を起こす危険性の高い人は、より低い値でも服薬をすすめられるものです。逆に、コレステロール値が多少高いだけで、その他のリスク要因が少ないのであれば、必ずしも薬物治療を必要としません。とくに、もともと心筋梗塞の少ない日本人女性での有用性については議論のあるところです。
- コレステロールは体に必要なものです。免疫細胞やホルモンを作るのにも欠かせません。やみくもにコレステロール値を下げればよいというものではありません。
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効能 |
高トリグリセリド血症。 |
用法 |
通常、成人はデキストラン硫酸ナトリウムとして1日450〜900mgを3〜4回に分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はほとんどありません。万一、鼻血や歯肉の出血など出血傾向がみられたら、受診するようにしてください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- ショック..気持ち悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、耳鳴り、息苦しい、胸苦しさ、めまい、脈が速い・弱い、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
 【その他】
- 出血傾向..鼻血、歯肉の出血、血尿、皮下出血(青あざ)
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