概説 |
血液中のコレステロールを減らすお薬です。 |
作用 |
- 【働き】
- 高脂血症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎる状態です。自覚症状がなくても、長い間に動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞の原因にもなりかねません。
このお薬でコレステロールを減らせば、まぶたや皮膚にできるコレステロールの固まり“黄色腫”を消失ないし縮小させることができます。また、将来起こるかもしれない心筋梗塞の予防効果も期待できます。
- 【薬理】
- 胆汁中へのコレステロールの排泄を促進し、また、コレステロールの合成をおさえます。総コレステロール値が平均15〜20%くらい低下します。
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特徴 |
- よく使われている効果の高いコレステロール低下薬です。黄色腫をともなう高コレステロール血症に向きます。
- 悪玉とされるLDLコレステロールとともに、善玉のHDLコレステロールもかなり低下します。HDLコレステロールの減少は、体に溜まった過剰なコレステロールを回収するなどHDLが活発に働いた結果ではないかと考えられています。
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注意 |
【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は、また妊娠中の人は、医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に伝えましょう。
- 【注意する人】
- 重い不整脈がある場合は、使用を控えます。
- 適さないケース..重い不整脈、妊娠中。
- 注意が必要なケース..心臓病のある人。
【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 心臓に作用する薬と併用するときは、不整脈の発現に念のため注意が必要です。
- 免疫抑制薬のシクロスポリンの作用を弱める可能性があります。
【使用にあたり】
- 症状や体質によって飲む量が異なります。指示どおりに正しくお飲みください。家族性高コレステロール血症では多めになります。
- 長期に飲み続けることが多いです。
- 【検査】
- 心電図で不整脈の検査をおこなうことがあります。
- 【食生活】
- 食事療法や運動療法、適切な体重の維持、禁煙なども大切です。これらをきちんとおこなえば、薬を飲まなくて済むことが多いものです。薬を飲みはじめても、不摂生をしては意味がありません。
【備考】
- コレステロールは、臨床的意義により大きく2つのタイプに分類されます。一つは悪玉とされるLDLコレステロール、もう一つは善玉のHDLコレステロールです。LDLは肝臓からコレステロールを全身の組織に運ぶ役目をしているのですが、多すぎると血管内壁に入り込み動脈硬化をすすめます。一方、善玉とされるHDLは、全身の組織から余分なコレステロールを回収し肝臓に戻します。このHDLコレステロールが少なすぎるのも良くないので、脂質異常症(高脂血症)のひとつの判定基準になります。
- 中性脂肪(トリグリセリド)も脂質異常症の主要な判定基準です。中性脂肪はエネルギー源として体に蓄えられるのですが、必要以上に多いと動脈硬化をすすめる危険因子となってしまいます。
- 薬を飲む必要があるかは、単にコレステロールや中性脂肪の値だけでは判断できません。喫煙、肥満、年齢、高血圧、糖尿などがあり、心筋梗塞を起こす危険性の高い人は、より低い値でも服薬をすすめられるものです。逆に、コレステロール値が多少高いだけで、その他のリスク要因が少ないのであれば、必ずしも薬物治療を必要としません。とくに、もともと心筋梗塞の少ない日本人女性での有用性については議論のあるところです。
- コレステロールは体に必要なものです。免疫細胞やホルモンを作るのにも欠かせません。やみくもにコレステロール値を下げればよいというものではありません。
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効能 |
高脂血症(家族性高コレステロール血症、黄色腫を含む)。 |
用法 |
通常、成人はプロブコールとして1日量500mg(2錠または細粒1g)を2回に分けて食後に経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、家族性高コレステロール血症の場合は、プロブコールとして1日量1,000mgまで増量することができる。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用は少ないほうです。ときに、軟便や吐き気などがみられますが、軽ければ心配いりません。
まれに心電図に異常があらわれます。重い不整脈を起こすことはまずありませんが、もし、動悸や強いめまいを感じたら、医師に相談してください。念のため心電図の検査をしておけば安心です。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 重い不整脈..動悸、頻脈(120/分以上)、徐脈(50/分以下)、胸の痛みや違和感、胸苦しい、だるい、めまい、立ちくらみ、気が遠くなる、失神。
- 横紋筋融解症..手足のしびれ・けいれん、力が入らない、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
【その他】
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