概説 |
血液中のコレステロールや中性脂肪を減らすお薬です。血行をよくする作用もあります。 |
作用 | 
- 【働き-1】

- 高脂血症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎる状態です。自覚症状がなくても、長い間に動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞の原因にもなりかねません。このお薬でコレステロールや中性脂肪を減らせば、将来起こるかもしれない心筋梗塞の危険性を少なくすることができます。

- 【働き-2】

- 末梢の血管を広げて血流をよくします。そうすることで、血行障害による手足の冷えやしびれを改善します。閉塞性動脈硬化症(ASO)のほか、レイノー病、しもやけなどにも有効です。

- 【働き-3】

- 「高血圧症に伴う随伴症状」という広い適応をもちます(反面あいまいな適応)。血行をよくすることで、肩こり、耳鳴り、めまい、頭重感などの改善効果が期待できます。
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特徴 |
- ニコチン酸とビタミンEがくっついた薬です。ニコチン酸はビタミンBの一種で、コレステロールや中性脂肪を低下させたり、血行をよくする作用があります。ビタミンEは、活性酸素をおさえ過酸化脂質を減らします。
- ニコチン酸は、総コレステロールと中性脂肪の両方を減少させます。いわゆる悪玉コレステロールが減る一方、善玉コレステロールはむしろ増加します。また、コレステロールの一種リポプロテイン(a)を低下させる働きもします。
- 強力な作用はありませんが、副作用の少ないおだやかな薬として、古くから汎用されています。なお、98年の再審査により脳卒中関連の効能は削除されました。
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注意 |

- 【診察で】

- 持病やアレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
 【使用にあたり】
- 指示どおりに正しくお飲みください。長期に飲み続けることが多いです。
- ふつう、1日3回毎食後に飲みます。空腹時ですと吸収がよくありません。
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効能 |
 【適用】
- 高脂質血症。
- 次記に伴う末梢循環障害//閉塞性動脈硬化症。
- 次記に伴う随伴症状//高血圧症。

- 【応用】

- 医師の判断で他の病気に応用されることがあるかもしれません(肩こり、手足の冷え・しびれ、めまい、耳鳴り、しもやけ、目の病気など)。
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用法 |
通常成人はトコフェロールニコチン酸エステルとして1日300〜600mgを3回に分けて経口服用する
- カプセル100mg:1日3〜6カプセル
- カプセル200mg:1日3カプセル
- 細粒40%:1日0.75〜1.5g
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
安全性が高く、副作用はほとんどありません。まれに、皮膚が赤くなったり、ほてることがあります。これは血管拡張作用によるものですので、たいてい心配いりません。長期の服用も問題ありません。
- 潮紅(体や顔が赤くなる)、ほてり、かゆみ
- 食欲不振、吐き気
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