おくすり110番
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成分(一般名) クエン酸第二鉄
製品例 リオナ錠250mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の循環器官用薬/高リン血症治療剤/高リン血症治療剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 血液中のリンを減らすお薬です。腎臓病でリンが増えているときに用います。また、鉄欠乏性貧血に対し、鉄分を補給する目的でも使われます。
作用

【働き-1】

腎臓の働きが落ちると、リンの排泄が十分にできず、血液中にリンが溜まってきます。高リン血症です。このような状態が長く続くと、骨がもろくなったり、リン酸カルシウムが血管壁に沈着し動脈硬化を引き起こしたりします。心筋梗塞など心血管系合併症をふくめ、体のあちこちに悪い影響がでてくるのです。

このお薬は高リン血症治療薬です。消化管内で食物に含まれるリンと結合し、リンの体内吸収を抑制します。そして、体内のリンが減少し、高リン血症が改善されるのです。リンとカルシウムの血清濃度を正常に保つことは、骨の病変を防ぎ、また動脈硬化をおさえて重い心血管系合併症を防ぐことにつながります。慢性腎臓病患者における高リン血症の治療に用います。

【働き-2】

このお薬は鉄分を含みます。そのため、鉄欠乏性貧血にも用いられます。鉄は赤血球の原料です。欠乏すると鉄欠乏性貧血になり、めまいや立ちくらみ、動悸や息切れなどを起こしやすくなります。鉄分の多い食事をとることも大事ですが、一度、体内の鉄分が枯渇すると、食事だけではなかなか回復できません。このような場合に、このお薬で鉄分を補給するのです。

【薬理】
  • 鉄分を有効成分とするリン吸着剤です。消化管内で鉄と食物中のリン酸が結合し難溶性の沈殿を形成することで、リンの消化管吸収を阻害します。
  • 有効成分のクエン酸第二鉄が鉄イオンに還元されて消化管から吸収されます。吸収された鉄は、骨髄で赤芽球に取り込まれ、ヘモグロビン合成に利用されることで貧血を改善します。

【臨床試験-1】

高リン血症に対する有効性と安全性について、既存のポリマー性リン吸着薬セベラマー(フォスブロック、レナジェル)と比較する臨床試験が行われています。参加したのは血液透析中の慢性腎不全の患者さん225人。このうち115人はこの薬を、別の110人はセベラマーを使用することとし、服用量はあらかじめ決められた用量調節基準に従います。効果判定の主要評価項目は、服用期間3ヶ月後の血清リン濃度の変化量です。また副次的に、目標血清リン濃度(3.5mg/dL〜6.0mg/dL)の達成率についても調べます。

その結果、この薬を飲んでいた人達の血清リン濃度(mg/dL)は平均で2.5(7.8→5.3)低下、セベラマーの人達は2.4(7.8→5.4)低下しました。両剤の血清リン濃度の変化量に差はなく、既存薬のセベラマーと同等の治療効果が確認できたわけです。また、目標血清リン濃度の達成率は、この薬で75.7%(87/115人)、セベラマーで75.5%(83/110人)と同様の結果が得られました。頻度が高い副作用は、この薬で下痢、セベラマーで便秘でした。ほとんどが軽度で重篤なものはなく 安全性についても問題ないことがわかりました。

【臨床試験-2】

次は、鉄欠乏性貧血に対する有効性を既存薬のクエン酸第一鉄ナトリウム(フェロミア)と比較する試験です。約500人の患者さんが 各グループに分かれ、服薬7週間後のヘモグロビン値を調べます。ヘモグロビンは鉄とたんぱく質が結びついた赤色素たんぱく質であり赤血球に含まれるものです。ヘモグロビン値が低いと鉄欠乏性貧血が疑われます。

その結果、この薬を1日500mg飲んだ人達のヘモグロビン値は平均2.8増加、1日1000mg飲んだ人達は3.3増加、比較対象の既存薬(フェロミア)の人達では3.1増加しました。グループ間で大差はなく、既存薬に劣らない有効性が示されたわけです。安全性についても大きな問題はなく、悪心と嘔吐の発現率については、それぞれ、この薬で13.0%、3.2%、対照薬で32.7%、15.2%となり、この薬のほうが低い傾向でした。
特徴
  • 鉄分を含有するリン吸着薬です。Ca非含有、非ポリマー性リン吸着薬になります。血清カルシウム値が高く、炭酸カルシウム製剤が使いにくい場合に有用です。透析期にくわえ保存期慢性腎臓病における高リン血症に広く適用可能です。また、鉄分が足りない鉄欠乏性貧血にも有用です。
  • カルシウムを含有しないため、高カルシウム血症や血管石灰化の発現リスクが低く、またポリマー性リン吸着薬にみられる便秘や腸管穿孔など重篤な胃腸障害の心配もありません。一方で下痢を起こしやすく、また長期服用時は鉄過剰症に注意が必要です。
注意
【診察で】
  • 胃潰瘍や肝炎など持病のある人は、医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。

【注意する人】

胃潰瘍や大腸炎など胃腸の病気、慢性肝炎、鉄過剰症のある人は慎重に用いるようにします。

  • 注意が必要なケース..消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、C型慢性肝炎、ヘモクロマトーシスなどの鉄過剰またはその疑いのある人、発作性夜間血色素尿症のある人、貧血の治療で鉄剤を服用している人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

他の薬と結合して、その薬の吸収を阻害する性質があります。とくにキノロン系抗菌薬と併用するさいは服用間隔をあけるなど配慮が必要です。別に薬を飲んでいる場合は、必ず医師と相談してください。

  • 飲み合わせに注意..キノロン系抗菌薬(クラビット、シプロキサン等)、テトラサイクリン系抗生物質(ミノマイシン等)、セフェム系抗生物質のセフジニル(セフゾン)、レボチロキシン(チラーヂン)、抗パーキンソン薬(イーシー・ドパール、マドパー、ネオドパゾール、メネシット、ネオドパストン等)、エルトロンボパグ オラミン(レボレード)、アルミニウム含有制酸薬(アルサルミン、アルミゲル等)、鉄剤(フェロミア、スローフィー等)など。

【使用にあたり】
  • 高リン血症の場合、1日3回食直後に飲みます。食物からのリン吸収を抑えるため、食後すぐ飲むことが大事です。時間があくと効果が減弱します。服用量は血清リン濃度を確認しながら調節しますので、医師の指示どおりにしてください。増量する場合は1週間以上の間隔をあけます。
  • 鉄欠乏性貧血では、通常1日1回食直後になります。症状によっては増量し、1日2回服用になることがあります。
  • 水で確実に飲み下してください。大きめの錠剤なので、飲み込みの弱っている人や高齢の人は、のどに錠剤がひっかからないように注意しましょう。寝た姿勢で飲むのはよくありません。飲みにくい場合は医師と相談してください。
  • 薬の鉄分により、便が黒っぽくなることがあります。

【検査】

定期的に決められた検査を受け、効果や副作用をチェックしましょう。高リン血症の治療では、リン、カルシウム、副甲状腺ホルモン(PTH)の管理目標値を維持することが大事です。また、フェリチン値やヘモグロビン値を測定し、鉄過剰になっていないか調べます。

【食生活】

この薬を飲んでいても、リン摂取量の制限が必要なことがあります。医師から指示される食事療法をきちんと守りましょう。
効能

【効能A】

慢性腎臓病患者における高リン血症の改善

【効能B】

鉄欠乏性貧血
用法

【効能A】

通常、成人は、クエン酸第二鉄として1回500mgを開始用量とし、1日3回食直後に経口服用する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日6,000mgとする。

  • [注意1]本剤服用開始時又は用量変更時には、1〜2週間後に血清リン濃度の確認を行うことが望ましい。
  • [注意2]増量を行う場合は、増量幅をクエン酸第二鉄として1日あたりの用量で1,500mgまでとし、1週間以上の間隔をあけて行うこと。

【効能B】

通常、成人は、クエン酸第二鉄として1回500mgを1日1回食直後に経口服用する。患者の状態に応じて適宜増減するが、最高用量は1回500mgを1日2回までとする。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 いちばん多いのは下痢です。重症化することはないと思いますが、下痢が続くようでしたら 医師と相談してください。長期服用時は鉄過剰症に念のため注意が必要です。

  • 下痢、便秘、腹部不快感、腹痛
  • 血清フェリチン増加、血中鉄増加、ヘモグロビン増加、赤血球増加症
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用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye