概説 |
咳を止めるお薬です。 |
作用 | 咳中枢の興奮をしずめて咳を止めます。咳中枢とは脳幹の延髄にある咳のコントロール部で、のどや気管支の刺激を受けて咳を起こさせます。このお薬は、その部分を抑えこむことで鎮咳作用を発揮します。
さらに、気管支のけいれん収縮をおさえて、咳をやわらげ呼吸を楽にします。そのような作用から、かぜを含め上気道炎や気管支炎などによる咳の治療に適応します。どちらかというと、痰の少ない空咳向きです。痰が多いときは、別の去痰薬と併用することがあります。 |
特徴 | 咳中枢に作用する速効性の「非麻薬性中枢性鎮咳薬」です。また、気管支をゆるめる作用も持ちあわせています。麻薬系の咳止め薬と異なり、呼吸を抑制することなく、また習慣性もありません。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に報告してください。

- 【使用にあたり】

- 指示された用法用量どおりに、正しくお飲みください。

- 【備考】

- 咳は、気道の異物(痰やほこりなど)を排出させようとする自然な防御システムです。ですから、単に止めればよいというものではありません。
とくに、痰をともなう咳を無理に止めることは、必ずしも好ましくありません。痰がたまり、かえって症状を悪化させるおそれがあるのです。
一方で、しつこい咳は安眠を妨げ、体力を消耗させます。ときには、激しい咳き込みで肋骨が折れてしまうことさえあります。このような場合、悪い影響のほうが大きいですから、咳止め薬を用いることになります。いずれにしても、咳の原因に目を向けることが大切です。
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効能 |
下記疾患に伴う咳嗽
- 感冒、気管支喘息、喘息性(様)気管支炎、急性気管支炎、慢性気管支炎、気管支拡張症
- 上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)
- 肺炎、肺結核、肺癌、肺化膿症、胸膜炎
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用法 |
ノスカピンとして、通常成人1回10〜30mgを1日3〜4回経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用は少ないほうです。まれに、眠気、頭痛、吐き気、便秘などを起こします。ひどいときは、早めに受診してください。
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