概説 |
咳を止めるお薬です。 |
作用 | 咳中枢の興奮をしずめて咳を止めます。咳中枢とは脳幹の延髄にある咳のコントロール部で、のどや気管支の刺激を受けて咳を起こさせます。このお薬は、その部分を抑えこむことで鎮咳作用を発揮します。
かぜを含め上気道炎や気管支炎などによる咳に広く処方されています。どちらかというと、痰の少ない空咳に向きます。痰が多いときは、別の去痰薬と併用することがあります。 |
特徴 | 咳中枢に作用する代表的な「非麻薬性中枢性鎮咳薬」です。麻薬性ではないので習慣性もありません。粉薬は、他の薬と混ぜて調合することも多いです。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に報告してください。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- ある種の抗パーキンソン病薬(選択的MAO-B阻害薬)や抗うつ薬(SSRI、SNRI等)の副作用‘セロトニン症候群’を強めるおそれがあります。また、抗不整脈薬のアミオダロンあるいは抗真菌薬のテルビナフィンと併用すると、この薬の血中濃度が上昇する可能性があります。
- 飲み合わせに注意..抗パーキンソン病薬(エフピー、アジレクト、エクフィナ等)、抗うつ薬(ルボックス、デプロメール、パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロ、トレドミン、サインバルタ、イフェクサー、トレドミン、サインバルタ、イフェクサー等)、アミオダロン(アンカロン)、テルビナフィン(ラミシール)など。

- 【使用にあたり】

- 指示された用法用量どおりに、正しくお飲みください。

- 【食生活】

- 人によっては、眠気を催します。車の運転や危険な作業は控えましょう。

- 【備考】

- 咳は、気道の異物(痰やほこりなど)を排出させようとする自然な防御システムです。ですから、単に止めればよいというものではありません。
とくに、痰をともなう咳を無理に止めることは、必ずしも好ましくありません。痰がたまり、かえって症状を悪化させるおそれがあるのです。
一方で、しつこい咳は安眠を妨げ、体力を消耗させます。ときには、激しい咳き込みで肋骨が折れてしまうことさえあります。このような場合、悪い影響のほうが大きいですから、咳止め薬を用いることになります。いずれにしても、咳の原因に目を向けることが大切です。
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効能 |
 【適用】
- 次の疾患に伴う咳嗽//感冒、急性気管支炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺炎、肺結核、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)。
- 気管支造影術及び気管支鏡検査時の咳嗽。

- 【応用】

- 医師の判断で他の病気に応用されるかもしれません(神経痛など)。
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用法 |
通常、成人、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物として1回15〜30mgを、1日1〜4回経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用は少ないほうです。まれに、眠気、めまい、吐き気、便秘などを起こします。ひどいときは、早めに受診してください。重い副作用は、まずありません。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 呼吸抑制..息切れ、呼吸しにくい、息苦しい、呼吸が浅く速い、呼吸が弱く少ない(10回/分未満)、不規則な呼吸、異常ないびき、意識がうすれる。
- ショック、アナフィラキシー様症状..気持ち悪い、胸苦しい、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、咳、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
 【その他】
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