概説 |
咳を止めるお薬です。 |
作用 | 咳中枢の興奮をしずめて咳を止めます。咳中枢とは脳幹の延髄にある咳のコントロール部で、のどや気管支の刺激を受けて咳を起こさせます。このお薬は、その部分を抑えこむことで鎮咳作用を発揮します。
さらに、気管支を広げたり、気管支を麻痺させて刺激を受けにくくします。そのような作用から、かぜを含め上気道炎や気管支炎などによる咳の治療に用いられています。 |
特徴 | 咳中枢に作用する「非麻薬性中枢性鎮咳薬」ですが、ほかに抗コリン作用や局所麻酔作用などを持ち合わせています。 |
注意 |
 【診察で】
- 緑内障など持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に報告してください。

- 【注意する人】

- 閉塞隅角緑内障のある人は使用できません。この薬の影響で眼圧が上昇することがあるためです。
- 適さないケース..閉塞隅角緑内障
- 注意が必要なケース..開放隅角緑内障、高齢の人

- 【使用にあたり】

- 指示された用法用量どおりに、正しくお飲みください。

- 【備考】

- 咳は、気道の異物(痰やほこりなど)を排出させようとする自然な防御システムです。ですから、単に止めればよいというものではありません。
とくに、痰をともなう咳を無理に止めることは、必ずしも好ましくありません。痰がたまり、かえって症状を悪化させるおそれがあるのです。
一方で、しつこい咳は安眠を妨げ、体力を消耗させます。ときには、激しい咳き込みで肋骨が折れてしまうことさえあります。このような場合、悪い影響のほうが大きいですから、咳止め薬を用いることになります。いずれにしても、咳の原因に目を向けることが大切です。
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効能 |
下記疾患に伴う咳嗽。
- 感冒、喘息性気管支炎、気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺結核、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)。
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用法 |
ペントキシベリンクエン酸塩として、通常成人1日15〜120mgを2〜3回に分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用は少ないほうです。まれに、眠気、頭痛、口の渇き、便秘などを起こします。ひどいときは、早めに受診してください。重い副作用は、まずありません。
- 眠気、頭痛、頭重感
- 口の渇き、食欲不振、便秘
- 痰が出にくい、尿が出にくい
- 目のかすみ
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