概説 |
咳を止めるお薬です。 |
作用 | 咳中枢の興奮をしずめて咳を止めます。咳中枢とは脳幹の延髄にある咳のコントロール部で、のどや気管支の刺激を受けて咳を起こさせます。このお薬は、その部分を抑えこむことで鎮咳作用を発揮します。
かぜを含め上気道炎や気管支炎などによる咳に広く処方されています。どちらかというと、痰の少ない空咳に向きます。痰が多いときは、別の去痰薬と併用することがあります。 |
特徴 | 咳中枢に作用する代表的な「非麻薬性中枢性鎮咳薬」です。麻薬性ではないので習慣性もなく、また便秘の副作用もありません。粉薬は、他の薬と混ぜて調合することも多いです。シロップもあります。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に報告してください。

- 【使用にあたり】

- 指示された用法用量どおりに、正しくお飲みください。

- 【備考】

- 咳は、気道の異物(痰やほこりなど)を排出させようとする自然な防御システムです。ですから、単に止めればよいというものではありません。
とくに、痰をともなう咳を無理に止めることは、必ずしも好ましくありません。痰がたまり、かえって症状を悪化させるおそれがあるのです。
一方で、しつこい咳は安眠を妨げ、体力を消耗させます。ときには、激しい咳き込みで肋骨が折れてしまうことさえあります。このような場合、悪い影響のほうが大きいですから、咳止め薬を用いることになります。いずれにしても、咳の原因に目を向けることが大切です。
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効能 |
下記疾患に伴う鎮咳
- 上気道炎、肺炎、急性気管支炎、肺結核、珪肺及び珪肺結核、肺癌、慢性気管支炎
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用法 |

- 【錠10mg】

- 成人(15才以上)には、1回1〜2錠(ジメモルファンリン酸塩として10〜20mg)を1日3回経口服用する。但し、年齢、症状により適宜増減する。

- 【散10%】

- 通常、成人(15才以上)には、1回0.1〜0.2g(ジメモルファンリン酸塩として10〜20mg)を1日3回経口服用する。小児(8〜14才)には、1回0.1g(ジメモルファンリン酸塩として10mg)を1日3回経口服用する。但し、年齢、症状により適宜増減する。

- 【シロップ0.25%】

- 通常、下記1日量を3回に分けて経口服用する。ただし、年齢・症状により適宜増減する。
- 2才未満..3.0〜4.5mL
- 2〜3才..5.0〜8.0mL
- 4〜6才..8.0〜11.0mL
- 7〜14才..12.0〜14.0mL

- 【DS小児用2.5%】

- 通常、下記1日量を3回に分け、用時溶解して経口服用する。ただし、年齢・症状により適宜増減する。
- 2才未満..0.3〜0.45g(ジメモルファンリン酸塩として7.5〜11.25mg)
- 2〜3才..0.5〜0.8g(ジメモルファンリン酸塩として12.5〜20mg)
- 4〜6才..0.8〜1.1g(ジメモルファンリン酸塩として20〜27.5mg)
- 7〜14才..1.2〜1.4g(ジメモルファンリン酸塩として30〜35mg)
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用は少ないほうです。まれに、眠気、めまい、吐き気などを起こします。ひどいときは、早めに受診してください。重い副作用は、まずありません。
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