概説 |
咳を止めるお薬です。 |
作用 | 3種類の有効成分が配合されています。中枢性鎮咳薬のジヒドロコデイン、気管支拡張薬のメチルエフェドリン、抗ヒスタミン薬のクロルフェニラミンの3種類です。これらがいっしょに作用することで、咳止め効果が強まります。
- ジヒドロコデイン:脳の咳中枢をおさえて咳を止めます。
- メチルエフェドリン:気管支を広げ呼吸を楽にします。
- クロルフェニラミン:アレルギー症状を緩和し、痰をおさえます。
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特徴 | 主成分のジヒドロコデインは、咳中枢に作用する「中枢性鎮咳薬」です。専門的には麻薬系弱オピオイドに分類されます。麻薬系といっても医療用なので心配いりません。一般的な咳止め薬が効かない頑固な咳にもよく効きます。市販の咳止め薬にも、この成分が配合されています。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 別に薬を飲んでいる場合は、その薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 呼吸がひどく弱っている人、閉塞隅角緑内障のある人、前立腺肥大症などで尿の出の悪い人には用いません。症状が悪化するおそれがあるためです。12歳未満の子供も呼吸抑制を起こしやすいので控えます。そのほか、心臓病、高血圧症や糖尿病のある人、高齢の人は慎重に用います。
- 適さないケース..重い呼吸抑制、12歳未満の小児、18歳未満で肥満または閉塞性睡眠時無呼吸症候群あるいは重篤な肺疾患のある人、閉塞隅角緑内障、前立腺肥大症などで尿の出の悪い人。
- 注意が必要なケース..喘息発作中、呼吸機能障害、心臓病、高血圧症、糖尿病、腎臓病、肝臓病、脳腫瘍など脳に器質的な病気がある人、代謝性アシドーシス、粘液水腫など甲状腺機能低下症、アジソン病など副腎皮質機能低下症、開放隅角緑内障、薬物依存の既往のある人、衰弱している人、高齢の人、妊娠中。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- アドレナリン(ボスミン)や、イソプロテレノール(イソメニール、プロタノール)などカテコールアミン製剤との併用は禁止されています。併用により動悸や不整脈の副作用がでやすくなります。
- 安定剤など脳の神経をしずめる薬と併用すると、眠気の副作用がでやすくなります。
- 一部の安定剤や抗うつ薬(三環系)、胃腸薬(鎮痙薬)との併用により、口の渇きや排尿困難、便秘などの副作用がでやすくなります。
- レボチロキシン(チラーヂン)と併用すると、動悸を起こしやすいです。
- テオフィリン(テオドール)、ステロイド薬、利尿薬などとの併用により、血清カリウム値が低下するおそれがあります。
- 飲酒は控えてください。めまいや眠気などの副作用がでやすくなります。
 【使用にあたり】
- 症状や年齢により、用法用量が異なります。指示通りにご使用ください。
- 余った薬を分け与えてはいけません。とくに子供には飲ませないでください。
 【妊娠・授乳】
- 妊娠中は慎重に用いる必要があります。とくに、悪い影響が出やすい妊娠初期や出産直前の大量服用は避けたほうが無難です。咳がひどいなど病状が重いときに限り、短期間だけ使用するとよいでしょう。
- 服用中は授乳を避けなければなりません。母乳を通して赤ちゃんに薬が入り、中毒症状を起こすおそれがあるためです。

- 【食生活】

- 人によっては眠気を起こします。また眠くなくても集中力や注意力が低下することがあります。車の運転をふくめ危険をともなう機械の操作や作業は避けてください。

- 【備考】

- 咳は、気道の異物(痰やほこりなど)を排出させようとする自然な防御システムです。ですから、単に止めればよいというものではありません。
とくに、痰をともなう咳を無理に止めることは、必ずしも好ましくありません。痰がたまり、かえって症状を悪化させるおそれがあるのです。
一方で、しつこい咳は安眠を妨げ、体力を消耗させます。ときには、激しい咳き込みで肋骨が折れてしまうことさえあります。このような場合、悪い影響のほうが大きいですから、咳止め薬を用いることになります。いずれにしても、咳の原因に目を向けることが大切です。
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効能 |

- 【適用】

- 下記疾患に伴う咳嗽
- 急性気管支炎、慢性気管支炎、感冒・上気道炎、肺炎、肺結核。

- 【応用】

- じん麻疹など、別の病気に応用されるかもしれません。
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用法 |
通常成人1日9錠を3回に分割経口服用する。なお、症状により適宜増減する。小児は以下のように服用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
比較的多いのは、眠気、めまい、口内乾燥、けん怠感などです。そのほか、量が多すぎると、動悸(ドキドキ感)や頭痛、手の震え、便秘などもでやすくなります。前立腺肥大症のある人や、高齢の男性では、排尿の具合にも注意してください。
呼吸に影響することはまずありませんが、もともと呼吸機能に障害のある人は呼吸抑制に念のため注意が必要です。なお、体質にもよりますが、子供は呼吸抑制の感受性が高いため、12未満への使用は避けなければなりません。
安易に長期に飲み続けると、体が薬に頼りがちになってきます。このとき急に中止すると、吐き気や頭痛、不安感、震えなど反発的な症状がでることがあります。このような場合は、医師の指示のもと徐々に減量するようにします。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
 【その他】
- 眠気、だるい、めまい、頭痛、頭重感
- 口の渇き、吐き気、食欲不振、便秘
- 動悸(ドキドキ感)
- 痰が出にくい、目のかすみ、排尿困難(尿が出にくい)
- 長期大量服用により、頼りがちになる・やめにくくなる
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