概説 |
痰を切り、咳をしずめるお薬です。 |
作用 | 咳中枢の興奮をしずめて咳を止めます。咳中枢とは脳幹の延髄にある咳のコントロール部で、のどや気管支の刺激を受けて咳を起こさせます。このお薬は、その部分を抑えこむことで鎮咳作用を発揮します。
さらに、気管支の分泌物を増やして痰をうすめたり、気管線毛運動をよくすることで、痰を吐き出しやすくします。そのような作用から、上気道炎や気管支炎などによる痰をともなう咳に向きます。カゼに用いることも多いです。 |
特徴 | 去痰作用をあわせ持つ「非麻薬性中枢性鎮咳薬」です。麻薬性ではないので習慣性もありません。子供のかぜをはじめ、咳止め薬として広く処方されています。粉薬やシロップは、他の薬と混ぜて調合することが多いです。 |
注意 |

- 【診察で】

- アレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
 【使用にあたり】
- 症状や製剤により用法用量が異なります。指示どおりに正しくお飲みください。
- シロップは、軽く振って均一にしてから、決められた量を飲んでください。
- 薬の代謝物で、尿が赤味がかることがあります。

- 【備考】

- 咳は、気道の異物(痰やほこりなど)を排出させようとする自然な防御システムです。ですから、単に止めればよいというものではありません。
とくに、痰をともなう咳を無理に止めることは、必ずしも好ましくありません。痰がたまり、かえって症状を悪化させるおそれがあるのです。
一方で、しつこい咳は安眠を妨げ、体力を消耗させます。ときには、激しい咳き込みで肋骨が折れてしまうことさえあります。このような場合、悪い影響のほうが大きいですから、咳止め薬を用いることになります。いずれにしても、咳の原因に目を向けることが大切です。
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効能 |
下記疾患に伴う咳嗽及び喀痰喀出困難。
- 感冒、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺炎、肺結核、気管支拡張症。
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用法 |
- 通常成人は、チペピジンヒベンズ酸塩として1日66.5〜132.9mg(チペピジンクエン酸塩60〜120mg相当量)を3回に分割経口服用する。
- 小児は、チペピジンヒベンズ酸塩として1日1歳未満5.54〜22.1mg(同5〜20mg相当量)、1歳以上3歳未満11.1〜27.7mg(同10〜25mg相当量)、3歳以上6歳未満16.6〜44.3mg(同15〜40mg相当量)を3回に分割経口服用する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用のほとんどない安全性の高いお薬です。
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